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第二部 近接組の限界

 フウワはトルキの攻撃を受けて倒れてしまい、イネイに助けられながら少し遠くへ向かっていた。

「大丈夫ですか?傷だらけですけど……」

「全部浅いやつだから大丈夫だ。だが、なんか、体が上手く動かせねぇ……」

イネイはそれを聞いて余計に焦った。

「なんか、引きずってるみてーだ……」

「それって、地縛霊!?」

イネイはとうとう騒ぎ始めた。その時、スインはフウワの足元を撃った。すると、先程まで無かった石がフウワの足から抜けた。

「おっ。一気に軽くなった。ありがとな、スイン」

スインは既に透明になっていた。イネイは

「またお役に立てませんでした……」

と言っていたが、フウワはその頭を少し撫でてからトルキの元へ向かった。


 (もう技ほとんど使ったぞ……。本格的にやべーな)

ライトは内心そんな事を思っていた。しかし、一瞬でも攻撃の手を緩めてしまえば、押し負けてしまうだろう。

「こうなりゃ、拳で!」

もちろんライトは人を殴った事など無かった。しかし、思ったよりもトルキにダメージを与えた様で、トルキの右頬に跡をつけた。エントと一緒にとにかく違う形で攻撃し続けて行った。終いには頭も使っていた。勿論物理的に。

「二人とも!交代だ!」

フウワが二人を押しのけて前に出た。丁度その時、ソウマとロルが戻って来た。フウワはテールハンドで近くの木を掴み、トルキに突っ込んで行った。技は使わず、単なる体術になってはいたが。トルキはフウワを蹴り上げようとしたが、フウワはテールハンドが縮む事で素早く後ろに退がった。

「ガァァァァ」

ロルは後ろからトルキの右肩に噛み付いた。トルキはロルの上に岩を発生させるが、スインが遠くから素早い連射によって木っ端微塵にした。ソウマはグラスシールドをフウワの周りに張った。フウワはテールハンドを風も巻き込む様に回転させた。

(技名、どうする?)

フウワはどうしても思い付かず、技名は言えなかったが、トルキは技を受けて初めて明らかな怪我を負った。しかし、ロルは振り払われた。

「もう、本気でやるしか無いな」

トルキは周辺の地面を表面だけ抉り取るようにして浮かせ、一気に落とした。これはその場にいた全員が巻き込まれた。


 イネイは成す術もなく自由落下をしていた。

「このままじゃ、私、死……」

しかし、全員の落下が止まり、ゆっくりと下ろされた。

「一体、何が……」

イネイが辺りを見回すと、ぐったりと横たわっているロルがいた。

「もしかして……」

イネイはロルに駆け寄った。

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