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第五部 王族が二人

 「ふぅ……。今日のお仕事はこれで終わりですね」

そう言って伸びをしたのは金髪に水色の目をした猫の国の国王、ギーヨだ。ギーヨは立ち上がると、自分が戦闘集団フォニックスに出した依頼のことを思い出す。

(依頼して報酬を払うだけでは何だか無礼な気がしますね……。是非、会いに行きましょう。お二人も随分と久しぶりですね。アインさん、どんな感じに成……いや、今日は会いに行くだけだ。何を考えているんだ僕は)

と考えを巡らせながらジャケットを羽織り、帽子を被って身支度をした。

(普段は全く見ないのに鏡を見てしまう……)

ギーヨは自分の尾が千切れそうな程振れている事にさえ全く気づいていないようだった。そのまま瞬間移動で向かおうとしたが、ふと手土産や報酬を持っていない事に気づいた。

(全くなんの為に行こうとしていたんだ、僕は!)

ギーヨは自分の財布を取り出し小銭以外を全てぶちまける。そしてそれを封筒に入れ、小銭を手に手土産を買いに行った。猫の国のショッピングモールの中で、ギーヨは顔を隠しながら歩く。そして明らかに高級そうな菓子を駄菓子のように買いまくると再び自室に戻り、今度はお札を手に国境へ行き狐の国の通貨と変えてもらうと、またまた自室に戻ってそれら全てを持ち今度こそロスト団本拠地へと向かった。


 「やれやれ。猫の国王も人使いが荒いですね。自分たちで何かする訳でもなく、狐の国に罪人を押し付けるなんて」

一方、ギルドはレイナを警察に突き出した後再び戻って来ており、ギーヨの悪口を言っていた。勿論、立場はギーヨの方が圧倒的に上である。

「すみません、遅れてしまって」

ここで繋がる。当の本人、到着である。ギルドはそれを知っても全く動じていなかった。それほど肝っ玉が強いと思っておいて頂きたい。

「なんですか、その荷物は。連れもいませんし」

「僕が庶民の戦闘集団に会いに行くなんて言ったら絶対止められますし。それに、知り合いに大勢引き連れて会いに行くのも何だか違うかなと」

「……アインさんならあの道を進みましたよ」

「別に、アインさん目当てでで来た訳じゃ「懐かしいですね、あの頃のあなたはアインさんの話しか「ちょっと待って下さいよ!」

ギーヨは本気で焦っていた。ギーヨは権力を振りかざすようなタイプではないので、他の王族たちにからかわれる事が常々あるのだ。

「行きたければ行けばいいじゃないですか。私はもう知りません。帰ります」

ギーヨはゆっくり歩き出した。

キャラクター設定② エント

 エントは兄を支えるしっかり者……にするつもりが、気付けばフウワに殴られるようなキャラクターになっていました。

 次回は初登場キャラクターです。

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