第二部 台無しな作戦
フォニックスたちは指示通りに西門前へやって来た。
『セキュリティを解除するのでございまーす!二分だけなので、急いで見張りを倒して下さい!』
「分かった」
ウーベイによるカウントダウンが始まり、ゼロになった途端、一斉に駆け出し、見張りを大急ぎで薙ぎ倒し、強引に侵入した。
「ふぅ。あっぶね」
ドアが勢いよく閉まった。
「やっぱ、ここエムルと脱出した所や」
とスインが言った途端、ドアが破壊され、警報が鳴り響いた。
「呼んだ?」
その犯人は正しくエムルであった。
「呼んどらん」
「僕は合鍵作るから!後、ヨロシク!」
「「おい!」」
兄弟息ぴったりのツッコミも気にせず、エムルは奥へ進んで行った。そうしている間にも続々と人が集まってきた。
「ざっと百人か。だが、ミレイぐらいには強いか?」
フウワはつま先立ちで辺りを見まわした。
「俺たちも強くなった!……と信じたいな」
とライトが言うと、アインが
「そこは言い切ろうよ……」
と呆れていた。
「そろそろおしゃべりも終わりかな」
とムルルはシールドを張り始めた。フォニックスたちは散らばって戦い始めた。だが、ミレイ程の相手を一人で対処出来るはずも無かった。イネイは慌てて攻撃しようとしたが、結局後ろに退がったままだった。
(何か、私に力が……チカラ、チカラ……チ……)
イネイは光に包まれた。ムルルが振り向くと、そこにいたのはイネイではなく……ミレイだった。
『この方々が私レベル?少し私を舐めてるんじゃ無いかしら?ねえ、ミ……じゃ無かった、スイン?』
スインは攻撃を止め、ミレイを見た。蛍の光の様にぼやけた輪郭に、スインは触れようとしたが、その手は空を切った。
「……」
『とりあえず、恩返しがしたいから。いつか、あなたがこっち側に来た時にね。でも、あんまり早く来ないでよね?今、ちょっとバタバタしてるの』
スインは頷いた。この様子を、アインは必死で見る事も無かった。
『行くわよ』
ミレイは猛吹雪を起こし、そのままその風を相手にぶつけた。
『冬で良かった。これが出来る』
そのまま、容赦なくつららを発生させて落として行った。ライトは何度も目を擦っていた。
「ミレイ、だよな?多分」
ソウマは震えながら、
「で、でも、ミレイって、水と炎……」
『ええ、勿論。でも、冬は氷も使えるの』
ミレイは炎で動きの鈍った者たちを焼き払った。
『足を使うまでも無かったわ。この子のお陰かしら?なんだが、強くなったみたい』
とミレイが言っていると、奥から誰かが歩いて来た。




