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第五部 王族の休日

 フォニックスたちが去った後、ストキとクラキは自分たちの部屋、と言っても中からでも行き来できる様に繋がっているが、入って行った。クラキはストキの部屋のソファに座った。

「ふぅ。ドレスってキツイんだよね。脱いでいいかな?」

「良いですよ」

クラキは自分の部屋ですぐに着替えてきた。

「半日とはいえ、久しぶりの休日だね」

クラキは再びストキと並んで座った。

「そうですね。ようやく、ゆっくり出来そうです」

ストキは、サラリ、とクラキの髪に触れた。クラキはストキの瞳を見つめた。二人の距離が縮まっていき、鼻が触れそうな程になった時、コンコンコン、とノックの音が聞こえた。二人はすぐに離れ、ストキがドアを開けた。すると、何者かが飛び込む様に入って来て、二人が座っていたものと向かい合わせになっているソファに寝転んだ。

「づがれだぁ〜」

二人は決して怒らずにドアを閉めた。

「大丈夫ですか?キクラ」

ソファに寝転びながら、キクラ、狐の国の女王は唸っていた。

「ちょっとは私を頼ってもいいのに」

クラキはキクラの頭を撫でた。

「だってぇ〜」

また、ノック音が鳴った。キクラは素早く起き上がった。コーヒーを入れようとしていたストキはクラキに言った。

「キルラ……じゃ無かったクラキ「わざとでしょ?」

クラキ改めキルラは、ドアを開けた。

「失礼します」

そこには、服を土で汚したキセキが立っていた。

「あら。キセキ。また?」

「……」

キセキは頭をかいた。

「入りなよ」

「いえ、この通り汚れているのでっ」

キルラはキセキの手を掴み、ぐいっと引っ張って中に入れた。ドアはそのまま閉まった。キセキはすぐに手を話した。

「なりません!私の様な汚れ仕事をしている者の手を掴むなど!」

キルラは軽く笑った。

「それを私に言うの?」

「それも、そう……ですが……」

そんな二人の前の机に、二つのコーヒーカップが置かれた。

「あれ?私のは?」

キクラがそう尋ねると、

「元々、二人分用意していたので。今淹れますね」

キクラは頬を膨らませた。

「そういえば」キルラはコーヒーを飲みながらキセキに尋ねた。「結婚はどうするつもりなの?」

「義姉様……。なぜ結婚の話を?」

「義母様の血筋を守れるのは、あなただけでしょ?」

「庶民の血筋など、途切れても何の不便もありませんよ」

「まぁ。そうかもだけどね」

「光狐のご令嬢が私に好意を持たれているそうですが……真偽も分からない上、結婚までの話ではないと思います」

キセキは遠くを見つめていた。

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