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プロローグ 気になる少女の現在

 九月と言えば残暑だが、フォニックスたちは暑さも随分と和らぐ少し北の方へ出かけていた。

「歩くとめちゃくちゃ遠いな……かれこれ四時間歩いてるぞ?」

エントは狐の方の耳をペタンと閉じ、不機嫌そうだった。

「もーすぐ着くから我慢して」

アインはそう言っていたが、皆は疲れ気味であった。

「こっちはツーハおぶってるんだぞ?」

エントは途中からツーハをおんぶしていた。

「あとどれくらいなん?」

スインはアインに尋ねる。

「あと三十分だって。もうすぐ見えて来ると思う」

アインがそう言い終わった途端、山々の合間に白い建物が見えた。

「あれ!?」

「そーそー。あと三十分でロープウェイ乗り場」

「どんだけ金持ちなんだよ……」

というエントとアインのやり取りがあったが、皆も驚いていた。


 ロープウェイから山の景色を堪能すると、執事に案内させてもはやなんの部屋かも分からない程豪華で広い部屋に通された。皆は姿勢良く椅子に座っていた。

「おーい!ツーハー!」

すぐに、一人の少女、テルルが姿を見せた。黄緑色のドレスを着ていた。

「わぁっ、テルル!」

二人の少女は互いに駆け寄り仲良く話し始めた。皆の緊張がほぐれたのも束の間、更に知らない少女が現れ、再び緊張感が漂った。

「あなたたちがフォニックスね。話は聞いているわ。ライトさん、エントさん、フウワさん、スインさん、アインさん……とあなたは?」

なぜかソウマだけは認知されていなかった。

(僕その時怪我でいなかったから仕方ない……かな)

「ソウマ、だよ」

彼女はそれを聞くと、微笑んだ。

「ふふっ。なんだかいい響きだわ。よろしく、ソウマさん。なんだか、懐かしい気がするわ」

彼女は皆と同じテーブルに座った。

「私はセレン。テルルの姉で、普段は少し占いをしているわ。まだ十二だから、大人になったらもっと世界を見てみたいと思っているわ。……少し話しすぎたわね」

セレンは赤のドレスを来ており、年齢よりも大人っぽく見えた。

「私は普段、月様とお話しして色んな事を占っているのだけれど……どうも最近、不穏な結果続きで。ちなみに、占いの対象はこの家よ。だから、未来に起こるであろう不運を、取り除いて欲しいの」

丁度、紅茶や菓子が運ばれて来た。

「折角頼むなら、テルルの知ってるフォニックスが良いかなと。戦士って色んな人がいて、ちょっと怖いから」

セレンは肩をすくめた。

「とりあえず、ゆっくりして行って。詳細はその後で。テルル、席につきなさい」

テルルは、はい、とだけ言ってちょこんと席に座った。


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