プロローグ 衝撃の事実連発
五月も下旬にさしかかり、フォニックス達はいつも通り任務をこなそうとしていた。フウワが外の空気を吸いに外に出て空を仰いでいると、急に険しい顔になった。
(何者かがこっちに来ているな。……密偵か?)
フウワの思いとは裏腹に、その何者かが目の前に現れた。金髪に猫耳……猫の国の者だ。
「何の用だ。コソコソしやがって」
「ギーヨ様からのお手紙です。有り難く受け取りなさい」
「はぁ!テメェ何様だよ!」
フウワが受け取りつつ怒鳴ったが、その者は早々に立ち去って行ってしまった。
「フウワさん、どうしたの?」
後ろからソウマが現れると、フウワは振り返って手紙を見せた。
「なんか上から目線で手紙渡されたぞ。ギーヨ様って誰だ?」
フウワの質問に、ソウマは逆に不思議そうにした。
「フウワさん知らないの?ギーヨ様は猫の国の王様だよ?」
フウワは驚いた顔をし自分の口を覆った。
「どうしたの?」
「なんかヤバい事をした気がする……」
「フウワさん、言動には気を付けて下さいね」
二人の目の前にギルドが現れそう言うと、フウワはさらに困惑した。
「どうした?」
その他の者達もわらわらと集まって来、流石のフウワも肩身が狭そうだった。
「……とりあえずこれが本当か確かめてくれアイン」
動揺のせいか一気に言い終えたフウワはその場にうずくまった。フウワがあまりにローテンションになっているのを見ていつも殴られているエントが逆に驚いた。アインはフウワを心配しながらも手紙に目を通す。数秒すると顔を上げた。
「要約すると、ちょっと厄介な団体、ロスト団って言うのがあるらしくて。でも、軍隊を動かすにしても少し事情があって動けないんだって。だから私たちにお鉢が回って来たらしい。嘘は無かったよ」
「いまいち意図が分からないね。猫の国にも僕らみたいな組織いっぱいありそうなのに」
警戒心が強いソウマは疑わしそうだ。
「ギーヨ様曰く、お知り合いがいるとか」
珍しく長居しているギルド様が驚きの事実を告げる。
「それ多分私のことです」
アインが手を挙げると、沈み込んでいたフウワさえもアインを見た。
「懐かしいなぁ。私より年下やったんやで」
スインが畳み掛けるようにそう言うと、二人以外は絶句せざるを得なかった。そんな中アインが気まずそうに、
「とりあえず、準備しませんか?」
と言ってようやく動き出した。皆は王を待たせまいと準備をなるべく早く済ませ、ギルドに瞬間移動をしてもらった。すると、六つに分かれている道に来た。
キャラクター命名秘話⑨ ギーヨ
出て来てはいませんが一応載せます。
ギーヨ様は
「技」+「ー」+「与」
です。