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プロローグ 猛暑は戦士をも苦しめる

 「あぢぃ〜」

とライトは扇風機に当たりながら床に寝転がっていた。

「おい、だらしないぞ」

と咎めるフウワさえ、団扇で自分を仰ぎながらソファーに座っていた。それだけ、七月の猛暑は強烈なのだ。ようやくミイラでなくなったソウマもぐったりしていた。灰色のパーカーは依然として着ているが。

「なんだよ、お前ら。こんなの全然大した事ねぇじゃん」

「任務行かんでええの?」

一方、エントとスインはいつも通りで、エントに関しては妖気が若干強くなっていた。

「それどころじゃ無いでしょ……」

アインは汗で髪が顔にへばりつくのを鬱陶しそうにしながら答えた。力無くフウワの隣で寝転がり、カルロウとイネイに団扇であおいでもらっていた。氷属性は暑さに弱い様だ。

「おい!何だらけてんだよ!こっちは二時間火の近くにいるなんてザラだぞ!」

とコウが怒鳴るが、動かないというより動けない様だった。

「そんな暑いんやったらもっと風通しええ服にしたらどうなん?」

扇風機近くのライトがむくりと起き上がった。

「そんな服高いしな……まー、ジャージにすれば良いのか」

フウワはエントを睨む。

「お前のゲーム代を使えば良いんじゃないのか?」

エントはパンフレットを持ってフウワに近付く。

「しあさって、RPGの最高傑作と言われ「前買ったばっかじゃねぇか」

しかし、フウワに遮られてしまった。

「しあさって?四日後やん。ゲーム屋さんやっとらんから買えやんやん」

とスインが言うと、

「やんやん?あとしあさってって三日後だろ?」

とエントが首を傾げたが、スインも同様の反応をした。

「え?あした、あさって、ささって、しあさって、やないの?」

「え?」

お互いの話が噛み合わない中、玄関のドアが開いた。というよりもそのまま外れた。

「おや、老朽化でしょうか。エントさんのゲーム代で直しましょうかね」

声の主はキョウだった。

「なんでみんなよってかかって俺のゲーム代搾取しようとすんだよ!というかキョウさん、聞いてたんですか?」

「あ、はい。一応」

そんなキョウの後からギーヨがやって来た。

「皆さん、随分と暑さにやられている様ですね……」

なんと、本人の服装は冬と全く変わっていなかった。

「しかし」

ギーヨの猫目が冷たい光を放つ。

「行かなければならない任務があります」


 皆は結局支度をし、ギーヨの瞬間移動によってとある森へやって来た。

「なんか大抵森じゃないか?この作品」

とエントが言うと、フウワに

「今はどうでも良い」

と言われてしまった。

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