第五部 繋がる繋げる
白い床、壁、天井、終始聞こえるパソコンのタイプ音。そんな建物内では、個室や手術室、事務室などがあった。しかし、病院では無い。
「出来た様です」
白衣を着た女性が大量の壁に掛けられた鍵の前にいた男性に話しかける。
「状態は?」
「安定しています。応答も問題なく、妖気の揺らぎもありませんでした」
「そうか。では、これで十三人目になるのか」
「十番も含むのですか?」
「今は泳がせているだけだ。居場所は常に特定している。……六番の邪魔が入った様だが」
男性は下から二列目、一番左の鍵を取った。
「また彼に会いに行くのですか?」
「あいつは六番と接触しているからな。それに」
男性は取り出した鍵を見詰めた。
「そろそろあいつの片割れを探し始めようと思ってな」
女性は何も言わず、頷いただけだった。男性は鍵を片手に去って行った。
一方、何処かも分からない野原の木陰で、本を読んでいた者がいた。その者は身震いした。
「……嫌な予感……必要ない事、変に巻き込まれて……面倒だな……」
一見、普通の野原に見えた。しかし、所々にクレーターの様なものが出来ていた。
「……念の為、あれ持っとこう……かな」
誰かが近づいて来た。
「***ー!帰って来い!昼飯だぞ!」
「相変わらず、大きい声。頭痛くなりそう……」
『ふふっ。みんな、どうだった?今回。まっさかあのおっとりさんが!って感じだった?それとも、なんとなく予想してた?まぁ、どっちでもいいや』
カシュっと、音がした。
『ふー。たまには悪くないね、缶コーヒーも。というのは冗談で、ただ音出しただけでーす!』
一瞬間があく。
『ごめんって。ボクが出てる分他のキャラが出れないって事を自覚しろってさ。でも、言う事そんなに無いんだけど。ボクはここでおいとまするよ』
「ぎゃぁぁぁ!」
一方、猫の国のとある森で、レイナが出て来た蛇にぜっきょうしていた。
「うっせーなー」
アルガはレイナを睨みながら人間の方の耳を押さえる。
「うっさいって何よ!見てみなさいよこの大きさ!」
レイナは慌ててアルガの陰に隠れる。そんなレイナを見て、チーナは、
「驚く気持ちは分かるけど、大声で叫ぶのは、品性に欠けると思わない?」
と言った為、レイナはそっぽを向いてしまった。
「しかもこれアオダイショウじゃん。毒ねぇよ」
とアルガは言ったが、
「そういう問題じゃ無いもん……」
とレイナは不機嫌だった。
「とっとと買い物行くぞ」
「そうね。午後から雨らしいし」
と二人が行こうとすると、必死に付いて来たが。
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