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三話　アニータとオリバー

　その後、私とオリバー様は、(仮)の婚約者になった。この(仮)は、3ヶ月をめどに外れ、その後正式に婚約を結ぶことになるという。

　(仮)の婚約者になったオリバー様は、週に一度、我が家を訪ねてくれる。

　そして、その度に私の話を聞いてくれた。

　実は小さい頃から騎士に憧れていること、

　冒険小説が大好きなこと、

　お母様には内緒だけれど、昔、木から落ちた時の怪我の痕が背中にあることなどを、時間をかけてしゃべっていく。

　そして、ご自身の話もされた。

　少しずつだけど。

　綺麗な物が好きなこと、

　小さい頃はリボンが宝物だったこと、

　愛人の子だと言われて悲しかったこと、

　小さい頃はお父様が少し怖かったこと、

　お姉様が大好きなこと。

　そして…………

「今はアニータ嬢のことも好きだよ。だから、できれば今から話すことを聞いても、僕のことを嫌いにならないで欲しい…」