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国王軍編-4
1時間ほど彷徨っただろうか。
これだけ歩いても民家を見つけるどころか人っ子一人出会わない。
「はぁ」
自然とため息が出た。
流石に疲れた。
唯一持っていたリュックの中を漁ってみる。
卒業式だったということもありいつも以上に荷物は少なく、筆記用具とお菓子のラムネが入っているくらいか。
ラムネを一つ頬張り背伸びをした瞬間
『アァァァアァァァーー』
と絶叫に近いしかし絶叫とも違う、何かしらの生き物の声が頭上から聞こえた。
一瞬のことで驚きながらも声の方に目をやるとそこには見たこともない大きさの鳥が、そうあれはたしか、昔何かの図鑑で見たハゲタカだったか、ハゲワシだったかによく似た鳥が飛んでいた。
鳥の名前は定かでないがただ一つ言えることは、あの鳥は地球上には存在しない大きさだということ。
そして女の言葉を思い出しやっと結論に至った。
信じたくはないがここは元いた世界ではなく、そして多分だがこの世界はよく小説で見る異世界かもしれないということを。