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国王軍編-3
次に目を開けるとそこは森の中にぽっかりと空いた草むらの上だった。
頭痛と目眩、不快感が強い。
ゆっくり立ち上がると目が廻り数年ぶりに吐いてしまった。
風の音だけが聞こえる。
一旦落ち着きゆっくり目を閉じ今の状況を考える。
あの神と名乗った女は俺が死んだと言った。
確かに卒業式に向かった後の記憶はない。逆行性健忘も考えられるが周りの木々は日本では見たことのないようなものばかりだ。
じゃあここは天国か地獄?だがあの女は『妾を楽しませてくれ』と言った。
楽しませるって何をだ。
自問自答を繰り返すが答えは出ない。
『ぐーーー』
風の音だけが聞こえる森の中に俺の腹の音が響いた。
さっき吐いたせいで腹が減ってきた。
「一旦移動するか...」
小声で独り言を呟くと深いため息をついて俺は歩き始めた。
考えてても答えは出ない。とりあえず人を探そう。