国王軍編-2
目を開くとそこはただただ広い真っ白な空間、質素な木製の椅子が一脚。そこに何故か顔が影で見えない、スタイルから美しいであろうことが推察される女性が腕と足を組みこちらを見ながら座っていた。
『あーもったいないもったいない。なんともったいない。死んでしまうとはなんともったいない。』
「誰だあんた?」
『妾か?妾は神と呼ばれる概念じゃ。それにしてもあと少しだったのに勿体ないことをしたのー。』
「神?というかここはどこだ?それに勿体ないってどういうことだ?早く俺を返してくれ!」
『ここは妾の部屋じゃ。まあ良い。其方は死んだのじゃ、死んでここにきたならもう其方は妾のものじゃ。妾のものということは妾が好きに使っていいということじゃ。勿体ない精神に乗っ取り妾のコマとして有効活用してやろう』
「どういうことだ?なんの話をしてる?俺は今日やっと大学を卒業して...」
思い出せない、卒業式に向かってるところで記憶が途切れている。
俯いた瞬間何かと目があった。理解が追いつかない。何故か下に目があり俺はそこから目が離せなくなった。
『だから言ったじゃろう。其方は死んだのじゃ。まあ良い。せいぜい妾を楽しませてくれ。じゃあの。』
目の下から口が現れニヤーと笑うと俺は意識を失った。