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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2018年5月
75/437

なろうは現状停滞期から微衰退期に入っていると思うからこそ今書いている人やこれから新規に書く人の筆を折らせるべきではないし安易に批判するべきでないと思う

 なろうのテンプレは”つまらない”とか”陳腐”と批判されることが多いイメージですね。


 しかしながら、”花咲かじいさん”の優しい老夫婦と意地悪な老夫婦や”アリババと40人の盗賊”のアリババとその兄カシムのような昔話やおとぎ話でも真面目に働いているのに報われていなかった者が報われ、ろくでなしは罰を受けるといった”勧善懲悪”な一種のテンプレ要素がうけたのだろうという話は多いです。


  もう一つの物語のテンプレ要素は主人公は何らかの特殊な力を持っている、もしくは得ることで戦いで活躍できたり特別視されて周囲に持ち上げられる”主人公補正”を持つ”選ばれし者”であるということでしょうか。


 なろうで悪役令嬢物が多数作られたり、ニートやブラック企業の社員・いじめられっ子の転移転生物がうけたり、不遇職や生産職が脚光を浴びたりするのがうけたり、最近では勇者パーティ追放物が流行ったりするのも”物語の冒頭などでは真面目に頑張ってても社会的に報われない主人公キャラクターが、なんらかの要因でそれが突然報われて良い目にあい、社会的に報われない要因となった主人公キャラクターを貶めていたキャラクターがひどい目にあう”という構造が読んでいて心地よく感じるからだろう。


 銀河英雄伝説が再度のアニメ化をされるくらい人気なのも主人公のラインハルトに対して無能な門閥貴族がヘイトを貯める行動をさんざんした後、ラインハルトとその部下たちが門閥貴族を逆賊扱いして散々に叩きのめすからでしょう。


 ヘイト管理が大変だけど読者は基本的に”ざまあ”を望んでるからこそそういった作品は多く読まれるわけですね。


 なのでなろうで主人公が悪役にやり込められたりした時に時に感想で”なんで主人公は突然無能になったの?”みたいな感想を多量にかくのはどうかと思うんです。


 そうでないと主人公は常に失敗しないので結局物語に対しての盛り上がりが欠けると思うのですよ。


 ただ読者にとってヘイトの貯まる展開を長々引き伸ばすのも問題なんだろうとは思いますけど。


 主人公に対して読者は感情移入していることが多いですからね。


 二次創作も原作だとキャラクターがあまりのも報われないのでなんとか報われてほしいという理由で書かれることも多いように思います。


 エヴァンゲリオンは旧劇場版の結末に救いがなさすぎたですからそれをなんとかしたいと二次創作を書いた人も多かったでしょうし、ファイナルファンタジー7のエアリスがどうやってもゲームでは救えないのを救いたいと思った人も多かったでしょう。


 オーバーロードの二次創作ではニニャとツァレの姉妹が無事再開する作品もありました。


 蒼穹のファフナーの羽佐間翔子がスパロボUXで聖戦士として生きていたりすることに歓喜するプレイヤーも多かったと思うし、ガンダムシードディステニーなどはスパロボのシナリオで大きくストリーが良い方向へ変えられてどうしてこうならなかったなどとも言われてますね。


 個人的に僕は友達は少ないでは、三日月夜空と結ばれて夜空に幸せになってほしかったなと思ってますし。


 逆に”フランダースの犬”、もしくはエドワード・ゴーリーの”不幸な子供”みたいな作品をなろうで読みたいかと言われたらほとんど人は首を横に振るでしょう。


 キャラクターが真面目に努力して生きているのにただひたすら不幸で最後まで全く救いがないのは辛いことです。


 マンネリだなんだと言われながらも”水戸黄門”や”暴れん坊将軍”が人気だったのもいじめられる庶民と傲慢な悪代官などの対比と黄門様一行や上様が関わることで庶民が救われ悪代官は罰せられるというのがスカッとするからでしょうし。


 なのでテンプレ=つまらない=悪みたいな決めつけは良くないと思うのです。


【コミュニティの一生】というコピペがあります。


 もとはテクノロジーのライフサイクルを示したキャズム理論から来ているようです。

 それのなろう版っぽい改変をするならばこんな感じかな?


 読ませる技術のある作者が名作と呼ばれるレベルの小説を書きなろう系テンプレを確立させる

 ↓

 無料で読める面白い小説を求めて人が集まってくる。

 ↓

 人が集まることで作品数が増え名作をうまく自分の中で消化して書かれる更に面白いなろう系テンプレ小説が増え更に盛り上げる、がスタージョンの法則通り駄作も大幅に増える。

 ↓

 名作の絶対数が増えることで更に人が集まりこれくらいなら自分でもかけるとテンプレ劣化コピーが量産される。 

 ↓

 書籍化された作家が作品を削除したり、エタったり、なろうから立ち去っていったりしてテンプレ劣化コピーの比率が更に増える。

 ↓

 最近のなろうの作品はつまらないと批判をしたがる人も増え、人間関係のトラブルもふえる。

 ↓

 どこかで見たようなテンプレを読むのに飽きたり人間関係に疲れたりして去る人が増える。

 ↓

 それでもなろう系小説を書くのや読むのが好きな人がとどまる

 ↓

 なろう系作品がなろうに最適化してしまい、その結果書籍化したり、アニメ化された時になろうの住人と世間一般の読者や視聴者との認識の乖離が大きすぎてものすごく叩かれる←今ここ

 ↓

 人が減って運営が利用者の望まない方向にシステムを改悪する

 ↓

 改悪によって運営に愛想を尽かして更に人が減って人が減ることで面白い作品も投稿されなくなり過疎化する無限ループに入る


 mixiとか艦これとかニコニコ動画とかおんなじようなルートをたどってますよね。


 悪役令嬢物の王子や取り巻き連中・ヒロインが馬鹿すぎて違和感を覚えるのは本来王子とヒロインの邪魔をする悪役がいるという架空の乙女ゲームの世界に主人公が入り込んでしまって、その悪役に自分がなってしまったけどゲームのシナリオ通りに進まれて断罪されないようにするにはどうすればいいか行動を考えるというものであったのが”ゲームの中の世界”という前提がなくなっているのに婚約破棄をされるのを冒頭で持ってくるのが固定化してるから現実に運営されてるはずの国家にこんなアホな行動する王子やその取り巻きやヒロインはいないよとなってしまったように、テンプレはどうしてそういう形になっていったのか変遷を追っていったほうがいいのでしょうね。


 まあ、これは私がそう思ってるだけであって実は違うかもしれませんが。


 末期的なオンラインゲームやSNSだと”人が減ることで楽しくなくなり更に人が減る”というのが本当の末期症状として致命的になるわけですがなろうはまだそこまではいっていないと思います。


 その前の衰退期ではコンテンツの延命を図るためにテコ入れをしようとしてシステムを改善しようとしたらむしろ改悪になってしまってかえって衰退を早めるというものですが、なろうに関してはシステムの大きな変更はジャンル再編成くらいな気がするのでこちらも今のところは大丈夫?かなとおもいます。


 とはいえなろうは現状停滞期から微衰退期に入っていると思うので

 作者は


 ・”勧善懲悪”や”主人公補正”と言った本来は受ける要素であるテンプレにはそっているが今までとは違うなにか目新しさのある作品を目指す


 ・ハーレムだから受ける、おっさんものだから受けると単純に見るのではなくその作品が何故読者の心をつかんで読まれてるのかを読んで分析してうまく自作品に取り入れる


 ・なろう作品が書籍化したりアニメ化しても世間一般との乖離が少なくて面白いと評価されるような作品を目指す


 一方読者は


 ・新規参入の経験の少ない素人が書いているということも加味して書き手のモチベを落とさぬためにも批判は控え面白いと思ったらポイントや感想・レビューをどんどん入れる


(言葉というのは見えないナイフとなって心をえぐりますので簡単に作者の筆を折ることになりますし、批判しなくても評価を得られなければ作者のモチベはだんだん落ちていきやがて心折れます)


 ・世の中にはいろいろな思考の人がいるということを理解して自分の好みでないものでも好みの人がいるのだと考えて好みでない物をつまらないものと決めつけない。


(極端な例えですけど巨乳好きが貧乳に価値はないと思っても貧乳好きの人には貧乳のほうが価値が有って巨乳に価値がないと思ってるのだとすればお互いに棲み分けは出来るでしょ?。


 BLは嫌いだがGLは好きという人間もいればBLもGLもokという人間だっているでしょうし)

 ・つまらないと批判する位ならむしろ自分で面白いと思う作品を書いて投稿して書く側に回ってみる


(どうせ書き手は雑草のようにいくらでも生えてくるから自分はつまらないと思う作品を書く作者は批判してどんどん排除すべしと考えているといずれぺんぺん草も生えない荒れ地になりますよ)


 などは必要になっていくのかなぁと思います。


 理論的には投稿される作品数が増えればその中に含まれる面白い作品の絶対数は増えるはずだと思うのです。


 ゲームセンターのシューティングゲームや格闘ゲーム、ブラウザゲームなどのイベントが難易度が上がりすぎて一部の人間しか楽しめなくて新規参入を阻害して過疎化していったり(格闘ゲームの上級者が対戦で初心者を叩きのめし続ければつまらないものだという認識が固定されてやろうとする人間はいなくなって当然だとおもう)、小説投稿サイトのアルカディアが感想が非難ばかりになって書き手が離れていって過疎化したのを見ればなろうも非難の声ばかり増えて新しい書き手が途切れれば衰退するのは自明の理ですからね。


 何となく思うのですがブラック職場の「うちで働けないんじゃどこに言っても続かないぞ」というのと、なろうの感想の「俺が面白いと思えないなら誰も面白いと思わないぞ」というのはどちらも当人は当たり前の真実だと思ってるように思うのですが実際にはそんなことはないケースも多い気がするんですよね。


 普通に転職したら続いて働ける人も多いようですし。

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