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水源の過去エッセイまとめ  作者: 水源
2020年4月

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男性女性の性欲の差は単純そうで複雑なようだ

 さて、以前に”人間の子供欲しいと性欲が分かれてるのはチンパンジーとボノボを見ればなんとなくわかる。”というエッセイの中で、人間の男はなぜ子供が欲しい時にだけ発情するようになっていないのかを書いたのですが、では男女の性欲についてもなぜ差があるのかもちょっと調べてみました。


 タルムードの知恵には、男の性的興奮は視覚を通じて得られ、女は皮膚感覚によって性的に興奮する。というものがあるのですが、これはそういう傾向が強いということであって、それだけしか性的に興奮する要素はないわけではなく、視覚や触覚以外にも聴覚や嗅覚、あるいは記憶や空想・妄想によっても性的に興奮を呼び起こす要素はあるようです。


 そもそも性欲というものがなぜ起きるのかといえばですが、基本的には子供を作るためですね。


 主に視覚・触覚・聴覚・嗅覚などで、性的刺激を起こす要因のある情報が脳に入ってくると、メラノコルチンが作用し、視床下部から分泌される性腺刺激ホルモン放出ホルモンが、脳下垂体での性腺刺激ホルモンの産生・分泌を促し、性腺刺激ホルモンは性ホルモンの分泌を促して性行動に向かわせると共に、視床下部にある性中枢が刺激されて性的興奮が起きるようです。


 なお、記憶や妄想でも興奮できるのはメラノコルチンの受容体が記憶をつかさどる海馬にも存在するためなようです。


 ちなみにメラノコルチンは、当初皮膚色素沈着をコントロールする物質として発見されたようですが、空腹や満腹といった食欲やエネルギー消費の調整に加えて性欲を高める作用も行うもので、アメリカでは性欲を高めるメラノコルチン受容体を活発にする薬は、アメリカにある企業のMAG Pharmaceuticals社が開発した「Vyleesiブレメラノチド」が月8回以内の利用という条件付きで自己注射剤としてFDAによって既に承認されているようです。


 効果時間は長くないようですが、こういった注射だけでなく、過去の臨床試験では鼻腔用スプレーを使って体内に取り入れても効果を発揮し、男性女性の両方に効果があるため、悪用すれば鼻腔用スプレーを使って、相手に無理やり性欲を起こすことができる危険性もありそうではあります。


 エロ漫画に出てくるような媚薬みたいなものですね。


 また、視床下部というのは系統発生的には古い脳領域であり、摂食行動、性行動、攻撃行動、睡眠行動などを司どる部分で、魚類・両生類・爬虫類なども持っている場所ですね。


 ここで、性腺刺激ホルモン放出ホルモンは、男性ではほぼ常にと言っていい頻度で分泌されるのに対し、女性では月経周期によってその頻度が異なり、妊娠しやすい排卵前に性腺刺激ホルモン放出ホルモンの濃度が急激に高まるので、女性の場合はそういった妊娠しやすい時期おいてのみ基本的には性欲が高まりますが、男にはそういった周期がないということが男の性欲の強さにつながるようです。


 ちなみに、妊娠中や授乳中は性腺刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されなくなりますので、女性は性欲が基本的にはない状態になります。


 ですが、男性は性行為において射精できればいいのですが、女性は安心感を得たいということが大事なので、必ずしも絶頂まで達しなくても満足できるようですし、そもそも男と女の性欲というものを一緒に考えるのがおかしいのかもしれません。


 おそらく男性の性欲は視床下部のものが強く、女性の性欲は海馬のものが強いのではないでしょうか。


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