ラノベ初期のファンタジーブーム作品と現在の異世界作品のもうひとつの差はNAISEIによる異世界の習慣などの現代日本化だとおもう
さて、前のエッセイでラノベ初期におけるファンタジーと異世界の差は権力者の主人公に対しての態度の差であると書きました。
そしてもうひとつ大きな差は異世界は現代人にとって都合が良い世界につくり変えられたり、もともと現代人でも適応しやすい世界であるということでしょう。
例えば食事描写ですけど、むかしのファンタジーは主食は貧しいものは豆のスープや麦粥、それなりに金があればパンで、肉料理にしても胡椒などの香辛料はあるけど醤油や味噌と言った日本的調味料はありませんでした。
そんな物を出したら雰囲気ぶち壊しだというのが当時の認識だったと思います。
しかし、現代の異世界は転生した主人公により米・醤油・味噌・また日本人大好きなカレーが作られて異世界人もそれを美味しい美味しいと受け入れたりします。
実際にはそれらを受け入れられない人も結構いるはずなんですけどね。
実際日本のカレーをインドのインド人に食べさせても多くの場合はターメリックが多すぎて美味しくないと言われるそうです。
もしくははるか東の国にある食材を何故か簡単に手に入れられてオニギリやオトーフなどの日本食が普通にあったりしますね。
他には清潔なトイレや風呂などがもとからあったりしますが、これは古代のローマやナポレオン以降の西洋では結構普通ですが中世から近世にかけては吸い込み式と言われる尿は地面に浸透させて、のこった便は生ゴミと一緒に適当に路地にぶちまけるのが普通だったり、風呂もなくてせいぜい水浴びをしたりするのがせいぜい、シーツはシラミやダニだらけだったりします。
しかし、転生先には風呂もない便所、ベッドも不衛生では現代日本人が行きたがるわけがないので、そのあたりは何故か高い文明レベルと同等で、スパリゾート並みのでかい風呂や水洗トイレなどがあったりすると言うか便所に関しては排泄描写もでてこないです。
ダンジョン飯ではちょこっと触れられていたような気もしますがこのあたりはリアルさを求めても現実逃避のじゃまになるだけだからでしょう。
どんなアイドルだってうんこぐらいするよ! いえ、アイドルはうんこしないのです、はい。
同じように旅の途中やダンジョンに潜ってる時に食事はともかく排泄はどうしてるんだ? というのは追求したらだめなのでしょう。
これむかしのソード・ワールドの小説では恋人の女騎士のために鎧職人が排泄のしやすさまで考えた鎧を作る小説があったりしますけどね。
とはいえこれは歴史物においても、20万の兵士がいたとして食事に関しては描写しても、排泄や入浴に関しては描写しないのと一緒でしょうけど。
実際は排泄物は敵の村の井戸に投げ込んだり、敵の城塞に投石機で投げ込んだりしたりも一部するんですけどね。




