なろうで読まれたければ多くの人に対してのわかりやすさと楽しさを優先するべき?
さて、前のエッセイで書いたプレステ4にかぎらず、製造元が作ってる商品のスペックが良ければたくさん売れると思ってるが、実際はユーザーの多くはそんな物を求めていなくて、結果として製造元の予想よりもまったく売れないなんてのはよくあることです。
同じようになろうでも書き手が思う”良い作品”ならたくさん読まれるということはないでしょう。
そもそも書き手の”良い”というものは読み手の”良い”と一致してるかと言う問題があります。
誰にとって何が良いことなのかがわからなければ、いいも悪いもないからですけどね。
良いという基準をなろう的な評価のポイントの多さやランキングに乗ることと、するならば、なろうにおいては読んでいる読者がより多く”面白い”と思うことでしょう。
そういう点ではなろう的ハイ・ファンタジーは歴史物より”良い”作品になる可能性が高いですね。
今日レンタルで借りてきた漫画の”聖☆お兄さん”と”からかい上手の元高木さん”。
私は両方とも面白いと思いますが聖☆お兄さんはある程度仏教とかキリスト教とか神様とかの知識がないと多分面白くないんだろうなと思ったりもします。
多くの場合で歴史物は読者に登場人物がどういう人物であるかなどの前提となる知識を必要としますが、それがないと大抵は理解できず面白くない事が多いでしょう。
時代物が受けないのも昔時代劇をみていた層はなろう読者では少ないからでしょうね。
書店の一般文芸の棚では時代物は今でも結構おいてあるので、このあたりは大分差がありそうですが。
それを考えると私が高校生の時に特に人物などの前提知識がなくても、面白く読めた漫画の横山三国志は素晴らしい作品だと実に思います。
なろうのハイ・ファンタジーは社会やモンスターなどがある程度のお約束で前提知識として共有されてる物が使われてるので、最初期のゲームブックのときのように”ゴブリンって一体どんな生物だ?”ドラゴンって一体どういう生物だ?”みたいなことはないですからね。
最もドラクエなどのゲームのせいで”スライムが弱い?””スケルトンに槍で攻撃しても倒せる””オークが食べられる?”など古いTRPGプレイヤーから見れば首を傾げる認識になってる物も多いですが。
テンプレートがもてはやされるのも、読む時にある程度のわかりやすさと言う安心感があるからでしょう。
ただこれは似たようなものばかりでは飽きるということと紙一重ではありますが。
でもわかりやすい作品を書けば多くに読まれる可能性が高くなるというのが実際の所なのでしょう。
あと、すでに飽きたものに似ていると思ったら、やはり面白いとは思わなくなりますから、以前に流行したものをうまく利用するなら、独創性のあるものに見えるようにするのが必要なのでしょう。
ラノベではなくてゲームですがプリンセスメーカー→ときめきメモリアル→ラブプラスなんかがそういう例なんじゃないかと思います。
究極的には幼稚園児から老親まで男女の差がなく楽しく読めると言う作品がかければおそらく最強なのでしょうけど、それは実質的に無理でしょうから、ある程度の年齢層の男性か女性のどちらかに多く読まれるような想定というのが無難でしょうね。
本来ラノベは中高生男子向けと言う定義であったはずなので。
そして、可愛い女の子にチヤホヤされたい、女の子とイチャイチャしたい、女の子とエッチなことをしたいという”萌え”や”エロ”の需要を、パソコンやコンシューマーのエロゲーやギャルゲーから、コストや持ち運びの楽さなどの優位で奪ってきたのであろうラノベですが、コスト的な優位を基本無料なソシャゲに奪われてる上にスマホと本では持ち運びについても特に優位がない、更にゲームでは好きな異性のキャラクターをプレイヤーが相手として選べるが、ラノベでは読者の不満な結末になることも多いという面もある(これは僕は友達が少ないや俺の妹がこんなに可愛い訳がないなどで表面化した)うえに、それ以前に結末が提示される以前に打ち切られる作品も多すぎるので、ラノベにおける”萌え”や”エロ”の需要は今後はもっと減っていくのでしょうね。
現状では俺ツエーやザマアでそれを補ってはいますが、それが飽きられたときに、新たに軸になる要素がでてくるかどうかが、ラノベが読み物のジャンルとして生き残れるかどうかになりそうです。
すくなくとも表紙に可愛いアニメ調の女の子のイラストがあればラノベが売れる時代はとうに終わってしまったと思うので。




