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リスタート

『 シン、お前クビだ。 』


『 え? 』


難関ダンジョン ボス手前での

いきなりのクビ宣告 俺は理解が追いつかなかった


『 リーダーの俺は 煉獄魔法

サブリーダーのサテラは 氷結魔法

魔力0 サポートも能無し

腰に長剣を巻いただけのお前は なんなんだ? 』


この世界 ヴェルヴァーナは

魔法絶対主義の世界

子供の頃から 魔力がなかった俺には

生きるのでさえ厳しかった


こんなところで一人置いていかれたら

モンスターにやられてしまう


『 せめて!せめて..

このダンジョンだけでも.. 』


必死な俺を見て サブリーダーは言った


『 良いじゃないですか リーダー

今回だけ。 』


サブリーダーの意向もあり

ボス討伐の参加が認められた


このパーティは俺を含め7人編成


リーダーのディアム、

サブリーダーのサテラを中心とした

攻撃魔法特化型の編成だ


今日は一人 欠席していた


道中は さほど強いモンスターは出現せず

軽快に ボスの間 近くへと進んで行った


俺たちは 顔を見合せた

『 回復良し、アイテム良し

万全だな、 行くぞ!! 』


『 ギギギ 』


リーダーの掛け声と共に

ボスへの扉が開いた

ボスの間に入ると

突然 青い光が並ぶように点滅し、


光の先には 1匹の魔獣がいた

そして その魔獣の足元には大量の血が

浮かんでいた


『 バ、バ、バフォメット.. 』


頭に大きな角を持ち羽の生えた 大きな羊、

両手には 禍々しい剣が握られていた


『 こんなの聞いてないぞ!!

街で あの杯の魔道士は言ったんだ!

簡単に金を大量に稼げるクエストがあると.. 』


俺たちはまんまと騙されていた

魔獣を前に怯え叫ぶ リーダーを見て

サポート件 タンクのドスポが 立ち上がった


『 俺に任せてください。

あいつの一撃しっかり受け止めてきます 』


ドスポは パーティ最年長、

頼れる兄貴のような存在だ

ダンジョン攻略の時は いつも 世話になっている


『 コロ...ン... 』


少し 安心したのもつかの間

俺の目の前に 転がってきたのは

ドスポの頭だった


魔獣の射程内に入った時

一瞬にして 切り刻まれたのだ


怯え 震える 俺たちを見て

魔獣は高らかに笑った

『 これで 何人目か...

無能な人間どもを切り刻むのはよ! 』


『 守備力最強の ドスポが一瞬で.. 』


『 ディアゴ フリーズ!!! 』

『 諦めるな!まだ勝機はある! 』

パーティー全員が絶望している中

サブリーダーのサテラが呪文を放ち


魔獣の全身を凍らせた


『 遅えし、薄い。 』

魔獣は 氷結魔法を即座に解き

サテラの前に突如 現れ 心臓を貫いた


サラ、マッド、ディアム

次々に 仲間は八つ裂きに切り裂かれ、

そこら中に血の匂いが散乱していた


《 絶望 》


『 最後の一人か、

お前 杖や魔導書は持ってないのか? 』

俺は 魔獣に頭を捕まれていた


『 うる..せ...え.. 』


『 『 ?? 』 』


魔獣は不思議そうな顔を浮かべていた

完全に人間を舐めている


『 殺す!!! 』


『 あっそ。 』

魔獣の一言と共に血しぶきが舞い

目の前が真っ暗になっていた


何も反撃出来なかった

みんな やられるんだ、この先もあいつに


そう考えている内に 時は着々と過ぎていった


『 あれから何時間が経ったのだろう。 』

身体は動かないが 意識はハッキリとしている


何も無い まっ暗闇の中


『 目..めな..い 』

何処からか ひとつの声のようなものが聞こえた


『 地獄に落ちる前の 神の声か? 』


後悔は山ほどあった、

子供の頃から 無能力者と貶され蔑まれ続ける日々 冒険者として 旅に出てもどこの

パーティも受け入れてさえくれず

死にものぐるいで入った パーティも今終わった 。

幸せなことなど何も無い、儚い人生だったのだ


走馬灯が駆け巡る中

闇の中の声が鮮明になっていった

『 目覚..め..さい. 』

『 目覚めな..さい 』


『 もう..... 』

『 目覚めろって言ってるでしょ?!? 』

突然の大きな音と共に 俺の目は開いた


視線の先には 一人の美少女が立っており

背後には大きな時計のような物が見え、


辺りは暖かな光に満ちていた___

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