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クズの独白

作者: 28歳匿名希望

いつも自分は、誰かの脇役だと思っていた。


いつからだろう。そんな風に思っていたのは。

昔は、リレーで一位を取っていた。写真に写るときはいつも笑顔だった。

小、中、高校とそれなりに友達もいた。だけど、いつもグループの中心には誰かがいた。自分ではない誰かがグループの中心にいて、自分の代わりはいくらでもいた。

いつからか、自分の存在がどうでも良くなっていったのは。

何かをするときには、他人の意見を優先していた。他人の利益を第一に考えて、自分を犠牲にしていった。

そんなことを繰り返していると、いつの間にか他人の幸せが自分の幸せになっていった。人を幸せにさせることが出来ないと自分には価値がないと、そう思っていた。


ある時、彼女が出来た。その子は自分のことを好きだと言った。良く分からなかった。なんでこんな人物を好きになるのだろう。だけど、その人の気持ちに答えるために一生懸命尽くした。彼女のために何でもやった。家事もしたし、料理も作った。仕事も頑張った。だけど、徐々に彼女の要求は拡大していった。そのうちしんどくなってきた。感謝されない。そんな事が嫌だった。本当に好きなら、そんなことも耐えられたのかもしれない。だけど、その時の僕は彼女の要求に答えられなくなって、彼女から離れた。


それから一人の時間が増えていった。なんだかんだ一人の時間は好きだった。初めて誰かのことを気にせずに過ごすことが出来た。人の評価を気にせずに過ごすことが出来た。だから、一番気持ちが落ち着いていた時だったのかもしれない。

だけど、ずっと一人では過ごせなかった。働いていれば誰かと出会う。そして、どうしても嫌われたくなくてその人が欲しい言葉をかけていく。その人が望む答えを与えていく。そうすると、その人は自分のことを好きになってくれる。そして、いつの間にか彼女になっていった。それを、5回繰り返した。


結局、色んな人に好かれたいって思ってしまった。嫌われたくない。その気持ちで自分のことを好きって言ってくれる人達に良い顔をし続けた。その結果、自分のことを好きになってくれる人が増えていった。そうすることで、自分のことを好きな人で周りが満たされていった。だけど、自分は自分のことを嫌いになっていった。相手が増えれば増えるほど、周りの好きが増えるほど自分のことが大嫌いで、大嫌いで仕方がなくなった。


だけど、そんな今の自分の状況を変える自信もない。


皆、自分の事をなにも知らずに好きになっていく。自分の隠している部分を見ないで好きになっていく。結局、相手が何を考えているかよりも、その人が何をしてくれるかが大事なんだ。


だから、クズな自分でも優しくしてくれるから好きになってもらえる。やっぱり人には優しくしないと好かれない。自分の素を出して好かれることなんてないんだ。


そう考えると自分の素を出すことなんて出来なくなる。そして、周りから人がいなくなるのが怖くて、今の自分を変えられなくなる。

今の状況を変えるのが辛くなる。

もう嫌だ。嫌いになってよ。嫌いになってくれたら、自分は苦しくないのに。


こんな事を書いたら、色んな所からバッシングが来るんだろうな。こんな僕を許してくれる人なんていないんだろうな。こんな僕を本当に愛してくれる人なんていないんだろうな。



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