真夜中
冷えた肌の輪郭をなぞった
泡がたつ色水アルコールの匂い
夜の曇り空が
夏の昼を忘れるほど
僕らを冷やした胸の奥まで
凍えるほど
真夏に白い息を吐いた
冷たい空に声をふるわせた
人気のないビル街の
冷えた道路を歩いた
人の灯りがまるで星のよう
少し赤い肌の輪郭をなぞった
煙立つ湿った空気だけが漂う
夜に差し込んだ
月の灯りを消してしまうほど
僕らは赤く冷えた心も
凍えるほど
真夏に白い息を吐いた
冷たい街に声をふるわせた
独りでに街頭光って
作り物の緑を歩いた
煙がたち前が曇ってゆく
泡が消えそうな色水
アルコールの匂いがする
血が混ざる音がした
長い夜に凍える
真夏に白い息を吐いた
古瀬