表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/130

修学旅行(8) 噴出(中学3年生5月)

排泄の描写があります


---

こちらには、恵理菜視点でのエピソードがあります(R18)。

https://novel18.syosetu.com/n6253gj/11/

 トイレのドアが閉まると同時に、優香の激しい排泄が始まった。


 ブリュッブリュリュー。ブチュッ……ブチュブチュ…ブリュッ……ブリュッーーグチュちゅちゅーーーー。……ブシューーーーーーーー。


 摘便で大量の便を掻き出してもらい、さらに差し込み便器でも排泄していたのに、優香の肛門からはまだ、腸内に溜まっていたドロドロの便が溢れ続ける。

 摘便で疲れ果てた身体から、絞り出すように排泄は続いた。

「…うっ…ぅ。はぁ…はぁはぁはぁ…」

 優香は荒い呼吸で肩を大きく上下させ、下腹と肛門の痛みにうめき声を漏らしながら、激しく下し続けた。



 優香がトイレにこもって激しい排泄に苦しんでいる間、診察室のデスクの前で、真斗は友井医師に説明を受けていた。


 ドアと壁に遮られ、すべてが聞こえる訳ではないものの、漏れ聞こえてくる排泄の激しさを心配しながら、真斗は聞いた。

「さっきの、発作のような症状は…」

 声にならない悲鳴をあげて、溺れながら必死で水面から顔を出して呼吸をするような、大きく開けた口を金魚のようにパクパクとしながら苦しんでいる優香の姿は、大きな衝撃とともに真斗の脳裏に刻み込まれた。


「過呼吸の発作です。

 以前に同じような症状になったことはないですか?」

「はい…。

 一緒に暮らすようになったのが3年ほど前なので、それより前のことは詳しくはわかりませんが、僕の知る限りは…」

「過呼吸は、稀に器質的な理由で起こることもありますが、多くは不安やストレスで起こる心因性のものです。

 胸で浅く呼吸して何度も吸い込もうとして、どんどん苦しく、呼吸が速くなってしまうので、さっきのようにゆっくり息を吐くように促すと、じきにおさまります」

「そうなんですか…。

 また起こってしまったり、もっとひどくなって苦しんだらと思うと、心配で…」

「初めて見る人は、驚いて救急車を呼んだりするケースも多いんですが、周りが慌てると、本人も余計にパニックになるので、落ち着いて対処してください。

 腹式呼吸で、お腹からゆっくりと息を吐かせて。胸で呼吸をさせないように、横になれるならさっきのようにうつ伏せにして、座っているときは前屈みに。会話をして気をそらせるようにして、呼吸と気持ちを落ち着かせたら、そのうちおさまるので、心配しすぎないようにしてください」

「はい…」

 返事はしたものの、まだ心配げな真斗に友井医師は続けた。


「過呼吸で命を落とすようなことはまずないので、落ち着いて対応したら大丈夫です。

 それよりも、便秘の方が深刻な状態ですね…。

 慢性的な腸の不調と便秘で直腸が伸びて太くなってしまって、ひどい下痢や浣腸をしないと便意がない状態です。正常な便意がないので、排便せずに直腸に溜め込んで、どんどん固く詰まって、自力では到底出せないほどひどい便秘になって、直腸の状態は一層悪くなる…という悪循環になっています。

 大きな便の塊が肛門に詰まっているのに、本人は自覚も便意もないまま、隙間から未消化のまま漏れ出る便で下痢だと思っている。

 このままだと自分では排泄をコントロールできなくなってしまって、毎回浣腸しないと出せないだけではなく、便意も排便している意識もないままに漏れ出てしまう便失禁も頻繁に起こるようになります。

 そうなると治療が難しいし、生活にも支障が大きいので、少しでも早く、悪循環を断つ治療をしていく必要があります」

「悪循環を断つ治療…」

「優香さんが戻ってきたら本人にも説明しますが、これから1ヶ月の間は、毎日浣腸をして腸をリセットして、少しでも直腸の状態がよくなるようにしましょう」

「毎日、ですか…」


 最近、以前よりも強く浣腸を拒絶しているように思える優香が、毎日浣腸しなくてはならないと聞いたら、どれほど嫌がるだろう…。


 悩ましげな表情を浮かべた真斗に、友井医師は続けた。


「抵抗があるかもしれませんが、今適切に治療しないと、治せなくなってしまいます。

 そのためには、まずは自宅で毎日浣腸して排便をコントロールして、週に一度、診察を受けるようにしてください。

 今も週に一度、来るように伝えているんですが、最近は1ヶ月ほど来ていなかったので」

「そうだったんですか。

 通院は本人に任せていたので、気がつかなくて……。

 すみません、本人にも言って聞かせます。

 最近、家で浣腸した直後に貧血で気を失ってしまうことが何度かあって、そういうことがあったせいか、これまで以上に浣腸への抵抗感が強くなっているみたいで……」

「便秘がひどくなって溜め込んでしまうほど、浣腸で強制的に排泄する時の負担も大きくなります。便秘からくる食欲不振で、貧血にもなりやすくなるでしょう。

 毎日浣腸することで、排便も次第に楽になっていくので」


 その時、トイレと診察室の間の壁に、ドスンと何かがぶつかる音がした。


 驚いた二人は会話を止めてトイレに向かい、友井医師がコンコンとドアをノックした。

「優香さん、大丈夫ですか?」

 返事がないので、ノブを回しドアを開けると、便器から崩れ落ち、床に手をついて倒れこんでいる優香の姿があった。タオルは床に落ち、むき出しの下半身を覆うものはない。蓋が開いた便器には泥のような大量の便と、それを半分ほど覆うように捨てられた使用済みのトイレットペーパー。

 排泄を終えて、立ち上がろうとして貧血になり、壁に頭をぶつけて倒れこんでしまったのだろう。


 友井医師は急いで優香を抱え上げて、排泄物の臭いがこもるトイレから連れ出し、診察台に寝かせた。

 使い終わった浣腸器と手袋は、すでにゴミ袋に入れて処分され、防水シーツと四角いオムツのようなマットだけが、摘便と浣腸の処置の際に敷かれたままになっている。


 横向きに寝かせて、消毒用のシートでお尻を拭ってから仰向けにして、むき出しの下半身をタオルで覆ってから、

友井医師は優香の手も消毒用のシートで丁寧に拭っていった。そうしていると、優香はゆっくりと目を開いた。


「大丈夫? 頭を強く打った?」

 優香はしばらくぼんやりとしていたが、徐々に状況を理解したのか、小声で「大丈夫です」と答えた。


「片付けをしているので、時間は気にせずにゆっくり休んで。

 落ち着いたら、ゆっくり起き上がって、もう服を着ていいからね」

 友井医師はそう言うと、再びゴム手袋をはめ、診察台の下に置いた差し込み便器を取り上げて、トイレへと向かった。


 何度かトイレを流す音が響いた後、優香は起き上がろうとして、お腹から下にかけられたタオルの下でモゾモゾと動いた。

「起き上がる?」

 真斗が頷いた優香を抱き起こし、脱衣カゴから服を取って渡そうとしたとき、

「あっ…!」

という短い悲鳴が聞こえた。


 ショーツとズボンを片手に真斗が振り返ると、診察台には両手と両膝をついて、四つん這いで尻を突き上げたような格好になった優香の姿があった。そして、突き上げた尻からは、放物線を描くように、軟便が勢いよく吹き出していた。


 ブシューーー。ブリブリブリ…。グチューーー。


 驚いて駆け寄った真斗は、咄嗟に診察台に敷かれていたオムツのようなシートを、茶色い水を吹き出している優香の尻を塞ぐように押しあてた。


 悲鳴と物音を聞きつけた友井医師がトイレから駆け戻って来た。

「…すみません。汚してしまって…」

 真斗が説明するまでもなく、診察台の防水シーツの上には、吹き出した軟便の茶色い雫が飛び散り、起こったことは明らかだった。

「防水シーツなので、大丈夫ですよ。

 まだ出そう? トイレに行こうか?」

 四つん這いでお尻にオムツのシートを押し当てられ、泣き顔で震えている優香に友井医師が尋ねると、優香は力なく首を横に振った。


 友井医師は防水シーツの汚れた部分を巻き込むように折りたたんだ。そして、優香のお尻から吹き出す軟便を吸収して、べっとりと茶色いシミが広がった吸水シートをゴミ袋に入ると、ワゴンから消毒用のシートを取って、四つん這いになっている優香のお尻の汚れを、再び丁寧にぬぐってきれいにした。


 最後に、

「少し冷たいよ」

と声をかけてから、消毒スプレーを肛門を中心に振りかけて、ペーパーで軽く押さえて余分な水分を拭き取った。


「さあ、服を着て大丈夫ですよ」

 優香が真斗に手伝ってもらってショーツとズボンを履いている間に、友井医師は汚れた防水シーツを診察台から外して、ワゴンの下段に置くと、新しいタオルを診察台に広げた。

「疲れた? ここでもう少し横になって休もうか」

 友井医師は優香にそう声をかけて、横たわらせ、真斗には手を消毒するように言って消毒液のボトルを手渡した。そして、横たわった優香の身体にタオルをかけてから、真斗を促して衝立の向こうの診察デスクへと戻った。


「優香さん本人にも治療の方針を説明するつもりでしたが、今は話ができる状態ではないので、お家でもう少し落ち着いてから話してみてもらえますか。

 1ヶ月分のグリセリン浣腸の処方箋を出すので、薬局で受け取って、毎日、時間を決めて浣腸するようにしてください。

 特に問題がなければ、1週間後、また具合を見せに来てください。

 何かあればその都度、もし本人が納得しなかったり、浣腸を強く拒絶するようなら、明日にでも連れて来てもらったら、改めて私から話しますので。

 それから、痔の状態は良くなっているので、軟膏はもう毎日は塗らなくていいでしょう。

 10回分だけ出しておくので、痛みや出血がある時だけ、必要に応じて使ってください。強い痛みや出血があれば、すぐに見せに来てくださいね」


 小声でそう言った友井医師に、真斗が、

「わかりました。今日は、遅くまでありがとうございました。いろいろとご迷惑をおかけしてしまって…」

ともう一度詫びようとすると、

「大丈夫ですよ。具合が悪ければ、診療時間を過ぎていても連絡してください」

と友井医師は言った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ