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修学旅行(5) 溢れる(中学3年生5月)

嘔吐、排泄の描写があります

 新しいズボンと紙オムツに身を包んだ優香は、その温かさで少し落ち着いて、眠りに落ちていった。

 夕食に起こされ、食欲はなかったが、部屋に用意してもらったおかゆを少し食べて、その後は、またすぐ眠りについた。昼間の浣腸と下痢で疲れきっていたせいか、優香はそのまま朝まで眠った。


 温かくして眠ったおかげか、下痢も治まったようで、眠っている間にオムツを汚すこともなかった。

 朝食のおかゆを食べた後は少し下したが、トイレが間に合わないほどひどい状態ではなく、きれいなままのオムツを、念のためにショーツの代わりにそのまま履き続けていた。

 幸い、制服のスカートを履くと、オムツのモコモコした不自然さもほとんどわからない。


 朝食を終えると、もう修学旅行の行程は帰るのみとなる。

「移動中に具合が悪くなるかもしれないから、飛行機の座席をトイレに行きやすい席に変えてもらいましょうか」

 優香の体調を気遣って中原先生は言ったが、優香はそんな配慮をされるのも恥ずかしく、体調も落ち着いていたので、中原先生の申し出は断って、クラスメイトの元に戻った。


 幸い、空港までの移動や昼食の休憩、飛行機の中でも下痢がぶり返すことはなく、優香はホッとしていたが、空港から乗ったバスが学校に近づき、いよいよ修学旅行も終わりという頃、疲れからか、乗り物酔いのような症状に襲われた。

 胃におさめた昼食が逆流しそうになるのを堪え、あと少し、あと少し、と自分に言い聞かせて、どうにか無事に学校まで帰り着くことができた。


 バスから降りて外の空気に触れると、少し気分が良くなった優香は、そのまま歩いて帰宅しようとしていたが、グランドで解散したあと、木下先生が近づいてきて言った。

「気分が悪いんじゃないのか? 顔色が悪いから、車に乗っていきなさい」

「ちょっとバスに酔ってしまったみたいで…

 でも外の空気を吸ったら治ってきたので、もう大丈夫です」

 優香がそう言うと、木下先生は片手で優香の頬に触れた。

「昨日からあまり食べていないから、また貧血になっているんじゃないかな…。

 顔が少し青白くて冷たいけど」

 頬に触れられて、優香は少し気恥ずかしくなり黙っていると、

「転んで、手のひらと、膝も怪我したんだって?」

 木下先生は片手は頬に触れたまま、もう一方の手で優香の手をとり、手のひらを上向きに返して傷の様子を確かめた。

 中原先生から伝わったのだろう。

 転んだ衝撃で下痢を漏らしてしまったことも、その後下着の代わりにオムツをつけていることも、木下先生は察しているだろうか…。

「まだ痛い? 荷物も重いし車で送ろう」

 優香は黙って頷いた。


 木下先生に荷物を持ってもらい、グランドから職員用の駐車場まで歩くだけで、優香は自分の頭から血が引いていくのがわかった。

 家まで歩いて帰っていたら、途中で動けなくなっていたかもしれない…。

 送ってもらえうことになって感謝しながら、優香は車の助手席に乗り込んだ。


 車が走り出すと、優香は軽いめまいと悪寒を感じて目を閉じた。

「もう着くよ」

 木下先生の声で目を開け返事をしようとした優香は、突然激しい吐き気に襲われて、慌てて両手で口元を押さえた。


「…エッ…ぅオエ…ゲェーーーー…」

 お腹の奥から、嘔吐するとき特有の、自分の声ではないような低いうめき声が上がったが、幸い吐瀉物はなく、逆流した空気が口から漏れただけだった。

 しかし、それだけでも、吐瀉物のような臭いは一気に車内に広がった。

 優香の様子を見た木下先生が、ダッシュボードからビニール袋を出して手渡した。


 マンションの前で車が停まると、優香は急いでドアを開けて転げ出すように車を降り、路上にしゃがみこんで、ビニール袋に向かって胃の中のものを逆流させた。


「ゲボっ…ゲエエエ……ゴボボボ……ゲエーーーッ………」

 木下先生の手が背中をさすってくれているのがわかる。

 嘔吐の苦しさと、嘔吐の姿を見られている恥ずかしさで、蒼白だった優香の顔は赤くなり、頬には涙が伝っていた。


 胃の中が空になり、もう吐くものがなくなっても胃の痙攣が止まらず、優香はビニール袋に向けて大きく開けた口から、ただねっとりとした唾液を垂らし、突き上げる吐き気の度に、大きく背中を震わせた。


「…エッ…ゲェッ…ゲエエー」

 そして、お腹に強く力が入った拍子に、息むように下腹にも力が入ってしまい、

 ブッ! ブリッ…ブリュッ!

と音を立てて、お尻からガスと軟便が噴き出してしまった。


 オムツを穿いていたおかげで服や路面を汚すことは免れたが、熱くべっちょりとした気持ちの悪い感触が、オムツの中に広がっていった。

 空になった胃の痙攣が、徐々に腸の蠕動へと変わり、下腹がゴロゴロとうごめきだした。

 吐き気が治まるのと入れ替わるように、優香は再び下痢に襲われつつあった。


 優香の変化に気づいたのか、木下先生が

「吐き気は少し落ち着いた?」

と声をかけて、優香の手から吐瀉物でいっぱいになったビニール袋を受け取り、代わりに「口をすすぎなさい」と言って、ペットボトルの水を手渡してくれた。


 口をすすぎ終わると、出迎えに来た真斗に荷物を持ってもらい、優香は木下先生に抱きかかえられて、家まで運ばれた。

 ぐったりとしながらも、汚してしまったオムツから下痢便の臭いが漂っているのではないかと気になって、優香は身体を固くして、できるだけ動かないようにしていた。そして、これ以上下痢やガスを漏らさないようにと、何度も開きそうになる肛門を、必死ですぼめてこらえた。


 ようやく自宅に着き、リビングのソファに寝かされた優香は、すぐにトイレに向かいたかったが、トイレでは真斗が汚物を片付けてくれていた。

 それに、木下先生がいる前でトイレに駆け込むのも恥ずかしい。

 先生が帰るまで、もう少しだけ、このまま我慢しよう…。

 優香は、汚れたオムツが冷えていく気持ちの悪い感触をこらえた。


 しかし、そんな我慢も虚しく、不意に優香のお腹が、ギュルルるると大きな音で鳴ったかと思うと、

 クチューーー。グチュッ。ブリューーー。

 堪える間も無く、水のような便が勢いよくお尻から漏れ出て、冷えたオムツの中に、再び熱い下痢便が広がっていった。


「あぁ…駄目…」

 小さな悲鳴をあげ、優香が思わず起き上がろうとすると、お腹に力が入ったせいか、

 ブリュッ、ブチュブチュ、ムリュムリュムリュムリュー。

 肛門を押し広げ、大量の柔らかい便が噴き出して、オムツの中いっぱいに広がった。


「ああーー!! い、嫌ーー!」

 お尻から背中の方まで、オムツで受け止めきれないほどの便が漏れ出てしまったことを察した優香は、身動きができず、横たわったまま、ただ悲痛な声を漏らした。

「トイレ?」

 問いかけに優香が力なく頷くと、木下先生はすぐに優香を抱え上げて、トイレの前まで運んでくれた。


「お腹が下ってしまったみたいです。早くトイレに!」

 トイレのドアを開けたまま、吐瀉物を片付けていた真斗に、優香を抱えた木下先生は言った。


 青ざめた顔で、目には涙をためて、小刻みに震えながら木下先生に抱きかかえられている優香からは、下痢のひどい臭いが漂い、漏らしてしまっていることは明白だった。

 スカートのお尻の辺りを見ても汚れがないのは、オムツを着けているせいで、服は汚れをまぬがれたのだろう。

 しかし、オムツ越しにも関わらず漂う強い臭いは、優香がオムツの中に大量の下痢を下してしまっていることを物語っていた。


「一人で大丈夫? 手伝おうか?」

 真斗が心配げに尋ねる声に、優香は「大丈夫…」とだけ答えると、急いでトイレから出た真斗と入れ替わるように、どうにか自分で歩いてトイレに入りドアを閉めた。


 スカートをまくり、大量の下痢を受け止めて、ずっしりと重くなった紙オムツを足首まで下ろす。

 そして、廊下の木下先生と真斗がトイレの前から立ち去るのを待つ余裕もなく、便器に腰掛けた瞬間、勢いよく下痢を噴出させた。


 ブリュ!ブリュリュリュブリブリブリブリーーーグチューーーー。


 ハアハアと荒い呼吸で喘ぎながら、優香はゴロゴロと蠢く下腹をさすった。

 下腹を絞るような腹痛と、壊れたシャワーのような激しい下痢が続き、昨日から酷使している肛門もヒリヒリと痛んだ。


「…んー……んーー…うぅ……んーーー…」

 優香は何度も呻き声を漏らしながら、下痢を出し尽くそうとした。

 そして、ようやくお腹が少し落ち着くと、ドロドロに汚れたお尻をシャワートイレですすぎながら、床に脱ぎ捨てたオムツに目を落とした。


 ギャザーになった両足の付け根からウエストまで、お尻を包んでいた後ろ半分は汚れていないところがないほど、大量の下痢便で覆い尽くされている。

 ようやくきれいになったお尻をトイレットペーパーで拭って立ち上がると、優香は戸棚から注入軟膏と新しい紙オムツを取り出して、下痢のせいで少し痛むお尻の穴に軟膏を塗り、新しい紙オムツに足を通して、お腹をしっかりと覆う位置まで引き上げた。

 そして、悪臭を堪えて汚れたオムツを手にとると、吐き気を飲み込みながら、オムツに染み込んでいない便を便器に流して処理し、オムツはビニール袋に包んで、入念に手を洗い、ようやくトイレから出ることができた。


 優香がリビングに戻ると、木下先生の姿はすでになかった。

「先生はさっき帰られたけど、随分心配しておられたよ」

「そう…」


 体調が落ち着いてくると、修学旅行での恥ずかしく惨めな体験が次々に蘇り、優香の胸は悲しみでいっぱいになった。

 修学旅行先でまで浣腸されて、それを待合室で大声で伝えられたこと。

 浣腸後もずっとお腹の具合が悪く、トイレで転んだ拍子に漏らしてしまったこと。

 木下先生の目の前で嘔吐をして、介抱されたこと。

 オムツに下したことも、きっと伝わっていること。

 何よりも、あの病院で下半身むき出しの状態で浣腸された惨めな体験が、忘れようとしても忘れられず、まるで今体験していることのようにまざまざと蘇る。


「先生から聞いたけど、旅行中に具合が悪くなって、病院で浣腸してもらったんだって?」

 真斗の言葉に、優香はただ黙って頷いた。

 口を開くと泣いてしまう…。そう思って声が出せなかった。


「浣腸してからも、お腹の具合が良くないの?」

 優香はこれ以上心配をかけないように、首を横に振ったが、

「今日は日曜日で休診だから、明日も具合が悪いようなら友井クリニックで診てもらおう」

と真斗は言った。


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