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体育祭(4) 自宅で(中学1年生10月)

下痢排泄の描写があります。

 家に着いた途端、優香は強い便意に襲われ、慌てて玄関で靴を脱ぐと、体操着のままでトイレに駆け込んだ。


 クチューーーーッ、ピュッ、プシューーーーーーー。


 クリニックで浣腸して排泄したばかりなので、固形のものは出ず、残っていた浣腸液なのか、水のような形のない便が、勢いよくお尻から溢れ出て、便器に落ちて行く。

 お腹が痛いだけでなく、肛門も熱く熱をもって、ヒリヒリと痛んだ。

「うー……」

 浣腸後の感覚に苦しみながらも、どうにか排泄を終えた優香は、下腹をさすりながら、よろよろとトイレから出た。

「大丈夫か? お腹の具合、随分ひどい?」

「うーん、ちょっと、ゴロゴロしてる…」


 優香が本格的に下痢に襲われたのは、お風呂を済ませてパジャマに着替え、真斗に用意してもらったおかゆを少しお腹に入れてから整腸剤を飲み、ベッドに入った後だった。


 少しうとうとしたところで、ギュルギュルと鳴る下腹の音と痛み、急激に押し寄せる便意で、優香の眠りはあっさりと破られた。


 トイレに駆け込み、急いでパジャマとショーツを下ろして、便器に腰掛けるのがギリギリのタイミングで、

 バスッ!! ブリュッブリューーーーーーーー、ブリュッ。

 お尻から熱い軟便が勢いよく吹き出した。


 ひとしきり派手に下した後で、一旦は下痢が止まり、お腹をさすりながらトイレから出てベッドに戻った優香だったが、30分もしないうちに、また、もよおしてトイレにこもることになった。その後も、ベッドに戻っては、眠る暇もなく、腹痛と便意がぶり返してトイレに駆け込むことの繰り返しで、満足に眠ることもできまま夜が更けていく。


「…うぅ……しんどい………痛いよぉ……う…うぅ……」


 何度目かのトイレで、激しい排泄音の合間に、優香が思わずうめき声を漏らすと、何度もトイレに通う優香を心配して廊下に出ていた真斗が、トイレのドアをノックして声をかけた。


「優香、大丈夫? お腹の具合、随分ひどいの?」

「うん……。お腹痛い…。寝ようとしても、すぐにまたに出たくなるし、全然眠れない……。うーー、また…出る」


 排泄音やうめき声を聞かれるのを恥ずかしがる余裕もなく、優香は涙声で答え、最後はピューーっと完全に水のような下痢の音を響かせた。

「うーー……んーーー」

 しばらくして、下す音が止まった代わりに、苦しげなうめき声を漏らし続ける優香に、真斗はまたドア越しに声をかけた。

「辛そうだね……。水みたいなのが出る?」

「……うん」


 真斗がコンビニに走り、経口補水液の替わりになるスポーツドリンクを購入して家に戻ると、優香はまだトイレにこもっていた。


 プシューーーーっ………ビュッ…ビューーー…シャーーーー。


 完全に水下痢になった排泄音の合間に、苦しげなうめき声と荒い呼吸が廊下まで響く。


 しばらく静かになり、ようやく治まったのかと安堵しても、すぐにまた、一層激しい排泄音が静寂を破ることが何度も続き、ようやくトイレから出て来た時、優香の顔は青白く、表情は憔悴しきっていた。


 下痢で消耗して足元のおぼつかない優香の肩を抱くようにしてベッドまで支え、買って来たスポーツドリンクの蓋を開けて一口飲ませると、

「脱水にならないように、少しずつ飲むようにね」

 真斗はベッドサイドのテーブルに、スポーツドリンクを置き、ベッドに横たわった優香の布団を整えてから、優香の寝室を出た。


 優香はその後も、何度もトイレとベッドを往復したが、明け方にはようやく少し落ち着いて、束の間眠ることができた。



 翌朝。

 優香が目を覚ますと、枕元の時計は、もう8:30を過ぎていた。

 無意識に目覚ましを止めて、寝過ごしてしまったらしい。

 パジャマのままリビングに向かうと、開け放したドアの向こうから、電話をかけているらしい、真斗の声が聞こえてきた。


「…便秘をして、詰まっていたせいで、お腹を壊したのに下から出せなくて、戻してしまったようです。……はい、病院で浣腸をしてもらって、便通がついたら、吐き気と腹痛は一度落ち着いたんですが、その後、帰宅してからは、ひどい下痢で。……はい、一晩中引っ切りなしに……かわいそうなほど何度もトイレに駆け込んで、ほとんど眠れていない状態なので、今日は学校を休ませます。……病院の先生からは、しばらくは下痢が続くけれど出し切ってしまうしかないと……ありがとうございます。ご心配をおかけしまして…」


 電話を切った真斗は、優香の姿に気づいて声をかけた。

「おはよう、少しは眠れた?」

「うん…」

「お腹は? 朝起きてからも、まだ随分ひどい?」

「うーん…少し、落ち着いてきたみたい…」

「食べられそうなら、薬の前に、おかゆを少しだけ食べようか。学校には今、欠席の連絡を入れたから、今日は寝てなさい」


 優香はおかゆを食べ、整腸剤を飲んで再びベッドに入ったが、しばらくすると、また腹痛と便意に襲われ、トイレに駆け込んで、食べたばかりのおかゆも全部下してしまった。


 トイレから出た優香に、真斗が心配そうに

「下痢はひどい? まだ水みたい?」と尋ねた。優香は恥ずかしさで頬を赤らめ、

「…水では、ないけど…」と答えるのが精一杯だった。

「かなり緩い? この調子だと、しばらくはおかゆだね…」


 優香のお腹は、昼食、夕食と、おかゆを食べてもすぐに下してしまう状態で、翌朝も欠席の連絡のため、下痢の状態やトイレが頻回であることを、木下先生に報告されることになった。


 優香の下痢は、3日目にようやく治まった。

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