カレンダー(中学3年生4月)
浣腸の描写があります。
生理期間が終わると、優香の下痢は治まり、また浣腸なしでは排便できない状態に戻ってしまった。
自然な排便がなければ浣腸をして、3日に1度は排便するようにコントロールする必要がある。そのため、優香は毎日夕食後、真斗に排便の有無を聞かれていたが、ある日、
「詰問するみたいになって負担になると良くないから、カレンダーに書くようにしようか」
と真斗が提案した。
その日から、優香はリビングの壁にかけられたカレンダーの、その日の日付のところに、問題ない排便があった日は丸、コロコロの便などが少しだけ出たら黒丸、下痢は三角、全く出なかった日はバツ印を、寝る前に書き込むことになった。
4月半ばのある日。
その日は、前日までのカレンダーにバツが二つ続き、夜までに出なければ、夜に浣腸することになる日だった。
朝食の時に真斗から、
「今日は大学のゼミの飲み会があって帰りが遅くなるけど、晩御飯は用意しておくから、温めて食べておいて」
と告げられた優香は、部活を終えて帰宅すると、冷蔵庫に準備してあった夕食を温めて一人で食べた。
食べ終わって片付けを済ませ、宿題も終えて、そろそろお風呂に入る時間になっても、真斗は帰ってこなかった。
優香は、少し張っているお腹をさすりながら、自分で浣腸をしてみようかと思いたった。
来年は真斗も大学を卒業して社会人になるし、優香自身も高校生になる。
そう考えると、いつまでも浣腸してもらっているわけにもいかないという、焦りにも似た感情が沸き起こった。
洗面台で、洗面器にお湯を張り、グリセリン浣腸器を透明な袋ごと浸して温め、袋を破いて容器を取り出す。
ストッパーの位置は、以前に薬局で5か6の位置と説明を受けたが、短くなる5の位置でも、お尻の中に挿入するチューブはかなり長く、そして握りつぶして注腸するグリセリンの膨らみは、優香の華奢な手では掴めないくらい大きい。
改めて、医療用の浣腸の大きさを目の当たりにした優香は、やはり怖くなってしまった。
自分では、できそうにない…。
優香は、自分でするのは早々に諦めて、先にお風呂に入ることにした。
洗面器のお湯を捨てて、袋から取り出した浣腸器は一旦棚にしまい、リビングのカレンダーの今日の日付にバツ印をつけると、バスタブにお湯を溜め、優香はゆっくりとお風呂に入った。
入浴を終えた優香が、髪を乾かし、リビングに入ると、優香の入浴中に帰宅したらしい真斗が、ソファで眠っていた。
珍しく、少し酔っているのか、外出した服装のまま、ソファに寝そべっている。
優香は、普段、あまり目にしたことのない真斗の無防備な姿に驚きなから、棚からブランケットを取り出して、眠っている真斗の身体にかけ、自分は床に座って、ソファの横に持たれかかった。
起こさないほうがいいのかな。
起きるまでここにいようか、それともこのままにしておいて、自分の部屋で寝てしまおうか…。
優香がしばらくの間迷っていると、背後のソファでモゾモゾと動く気配があり、真斗が気だるげなうめき声をあげながら、ゆっくりと起き上がった。
優香が振り向いて「おかえり」というと、真斗は、ただいまとも答えず、
「どうしたの…? そんな冷たい床に座ってたら、またお腹を壊すよ、座るならソファに」
と言った。
ただいまも、ブランケットをかけてあげたお礼の言葉もなく、お腹を壊すと諭された優香は少しムッとして、
「お兄ちゃんが酔っ払って寝てるから、座れなかったんでしょ」
と答えると、
「そうか…。寝てしまってた…」
真斗は、まだ少しぼんやりとしながら答え、首をぐるりとひと回ししてから、壁のカレンダーに目を留めた。
「今日、浣腸をする日だったね…。遅くなってごめん、今からしようか」
「大丈夫? 酔っ払ってない?」
「うん…。大丈夫だけど、コーヒーを1杯だけ飲むよ」
優香は真斗のためにコーヒーを淹れ、アルコールのせいか、少し目が充血して見える真斗が、疲れた表情でコーヒーをすするのを見ていた。
真斗がコーヒーを飲み終えるのを待ち、優香はトイレの前にバスタオルを広げて、すでに袋から出したむき出しのグリセリン浣腸を、もう一度洗面器に浸けて温めた。
真斗は、すでに袋から出されている浣腸の容器を見て、
「もしかして、自分でしようとしてたの?」と聞いた。
優香が頷くと、
「お腹が張って苦しかった? 起こしてくれたらよかったのに」
「ううん…。自分でできるか、やってみようと思って。でも、やっぱり怖くて無理だった…」
「前にも言ったけど、怖いと思うし、一緒に住んでいる間はいつでもしてあげるから、無理に自分でしようと思わなくていいよ」
「でも…来年になったらお兄ちゃんも社会人だし、いつまで一緒に暮らせるかわからないし…」
「大学院に進むことにしたから、あと2年は変わらないよ。そのあと研究室に残るか、どこかに就職するか、今はまだ決めてないけど、優香が高校を卒業するまでは、一緒に暮らせるようにするから、心配しなくていい。その頃には、もう浣腸も必要なくなってるかもしれないし」
「そうなの…?」
「大学院の入試に落ちない限り、ね。まあ、まず落ちないし、大丈夫だよ」
「お兄ちゃんはそれでいいの? 私の世話があるからやりたいことができないとか、後回しにしてるとか…」
「そんなことないよ。やりたいようにやってるから、大丈夫だよ」
「本当…?」
「うん。本当だから、何も心配しなくていい」
「…お兄ちゃんは、彼女とかいないの?」
「なんで…? 急に、どうしたの…?」
「泊まりでデートしたり、旅行に行きたい時、ないのかなーと思って」
「今は、いないよ。最近までいたけど」
「どうして別れたの? 私のことで忙しくて、その人との時間を取りづらいからじゃないの…?」
「そんなことはないよ…。これは俺がモテないだけの話だから、そんなことは気にしなくていい」
真斗はちょっと苦笑して、
「さあ、いつまでも話していたら寝るのが遅くなるよ。そろそろ…」
と優香を促した。
優香はバスタオルの上に横たわり、パジャマのズボンとショーツを下ろし、いつものように身体を丸めて、お尻をぐっと突き出した。
真斗も、いつもしているように、優香の背後にひざまずき、
「チューブを入れるよ」
と声をかてから、優香のお尻を開き、露わになった肛門に薄くワセリンを伸ばすと、浣腸器のノズルにもワセリンを塗って、ゆっくりと挿入していった。
優香がゆっくりと息を吐く息遣いと、
グチューーー。
という浣腸器からグリセリンが注入されて行く音だけが、深夜の静かな廊下に響いた。
浣腸液は温かく、優香の直腸を満たしていく。
抗おうとせず、身をゆだねるようにしていると、それほど不快でもなく、穏やかな時間のようにも思えてくる。
しかし、穏やかに思える時間はわずかで、チューブを抜いたお尻を拭われる頃には、激しい便意と腹痛に襲われる。
優香は数分間の激しい苦痛に耐えたのち、お尻を押さえながら起き上がり、よろよろとトイレに向かった。