莉緒(2) 格闘(中学3年生4月)
浣腸と排泄の描写があります
新学期の始業式も終わり、通常の授業が始まった4月のはじめ。
もう午後になっても、保健室登校用の教室に優香の姿はなく、そこには莉緒と、その時間の自習の監督を割り当てられた男性教諭の姿だけがあった。
そして、今、机に向かう莉緒の顔からは血の気が引き、額には脂汗が浮いていた。
全身から冷や汗が吹き出して身震いし、吐き気をこらえるために右手を口元に添え、左手は痛みを紛らわせるために、下腹をさすっている。
「大丈夫か…? 具合が悪いなら早めに保健室で休みなさい」
「…はい」
莉緒は立ち上がろうとしてふらつき、慌てて先生が身体を支え、立ち上がるのを手伝った。
そのまま保健室に向かおうとする先生に、莉緒は
「その前に、トイレに…」
と断った。
「一人で行ける? 保健の先生を呼ぼうか?」
「大丈夫です…」
莉緒は口元を押さえたまま答えると、ふらつく足でトイレへと向かった。
どうにか個室にたどり着いてドアを閉めると、莉緒はポケットに入れていたポーチから、イチジク浣腸を取り出した。
急に気分が悪くなったり、腹痛が起きたときのため、紙箱から出して個包装でポーチに忍ばせているものだった。
個包装の袋を破いたとき、誰かがトイレに入って来る足音がして、保健の中原先生かと思った莉緒は、一瞬手を止めたが、足音が隣の個室に入ったのがわかると、スカートをまくり、ショーツを少し下ろした。
浣腸後にお尻を押さえるため、トイレットペーパーを折り重ねて用意し、イチジク浣腸のキャップを開けて、ノズルの先端を濡らし、膝を曲げて中腰になる。
「はーー」
口からゆっくりと息を吐きながら、肛門にノズルを挿入し、呼吸を整えると、再び息を吐きながら、ゆっくりと容器の膨らみを握りつぶして、直腸に浣腸液を注入した。
グチューー。
わずかに空気を含んだ浣腸液が、直腸を満たしていく。
何度か容器を握りつぶし、浣腸液の注入を終えると、莉緒は片手でお尻にトイレットペーパーを添えながら、もう一方の手で容器を引き抜いた。そして、脂汗を浮かべながらも、慣れた手つきで、片手は肛門を押さえたまま、空いている手で、空になった浣腸の容器やキャップを汚物入れに捨てて、蓋を閉じた。
そのあとは、お尻を押さえたまま、洋式便器に腰掛けて苦悶の表情を浮かべて、薬が効き出すのを待った。
数分が経ち、お腹の痛みが増して、目の前がかすみそうになり、限界を感じた莉緒は、深いため息とともに、肛門を覆っていた手を離した。
ブシューーー。ブリュリュリュリューー。
便器を確認しなくても、わずかな水様便と薬しか出ていないのがわかる。
莉緒は下腹に力を入れて強く息んだ。
ぷーーー、ブッ。
思いがけず大きな音でガスが出てしまい、隣の個室に人がいたことを思い出した莉緒は赤面したが、どうしようもない。
「ハアハア…、うーーん…うーーーん!」
前かがみになったり、のけぞったりしながら、何度も精一杯息むが、その後もガスが出ただけだった。
莉緒は10分近くの格闘ののち、諦めて便座から立ち上がり、身支度を整えて個室から出た。
直腸を満たしていると思われる硬い便は出せなかったが、ガスが出て、倒れそうなほどの悪寒と腹痛は遠ざかっていた。
莉緒は浣腸後のお腹を休めようと、保健室を訪れた。