↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/130

保健室(5) 幻影(中学2年生3月)

排泄の描写があります

 5時間目が始まってしばらくすると、優香はゴロゴロとお腹が動き出したのを感じた。

 昨日よりもずいぶん早い。

 体育館が寒くて、お腹が冷えたからかもしれない。

 それに、お尻も冷えてしまったのか、便意とともに、ズキズキとした痛みが増して来るのを感じた。


 優香は席を立ち、監督の先生に断ってトイレに立った。

 昨日と同じように和式の個室に入ってしゃがみこみ、トイレットペーパーに出した軟膏をペタンとあてると、肛門にじゅんわりと痛みが広がった。

 痛みをこらえて軟膏をのばし、肛門に容器を挿してお尻の中にも薬を注入する。

 今日は軟膏が効いてくるまで、教室に帰って落ち着いて待つ余裕はなかった。寒いトイレの個室の中で、震えながら1分ほど我慢したところで限界に達し、痛み止めの効果が十分ではない状態と知りつつも、優香は和式便器をまたいでしゃがみこんだ。


 ブリューーーー。ブリュリュ。クチューー。

 最初は形のあるコロコロとした便、その後で熱い泥のような便が勢いよく溢れ出る。

「うぅぅ……痛いよぉ…」

 下腹を絞られるようなお腹の痛みと、ヒリヒリと熱い肛門の痛みに、優香は思わずうめき声をあげ、涙を浮かべながら息み、下し続けた。

 便秘薬と緩下剤でゆるくなっているだけではなく、お腹を壊してしまったようだった。


 数分が経ち、ようやく便が止むと、肛門の鋭い痛みをこらえながら、優香は少しずつ、時間をかけてお尻をぬぐっていった。

 ようやく綺麗になり、軟膏を塗ろうとしたとき。


 ブリュッ。クチュ…クチュー。

 再び水のような便が噴き出してしまった。


 せっかく綺麗にしたのに…。

 優香は痛みと惨めさで涙ぐみながら、液便を出しきるために精一杯息んだ。


 和式便器にしゃがみながらお腹の具合が落ち着くのを待ち、もう一度お尻を綺麗にして軟膏を注入し、優香がようやく立ち上がったとき、5時間目が終わるチャイムが鳴った。


 教室に戻ると、莉緒が「大丈夫?」と心配そうに声をかけてきた。

「お腹が痛かったら、6時間目は保健室で少し休んだら?」

 優香は、お腹は落ち着いてきたものの、お尻がズキズキと痛むのと、今日聞いたいろんなことが抱えきれず、頭の中をゆっくり整理したいと思って、保健室で休むことにした。


 保健室のベッドに横たわり、優香は彩奈の話を思い返していた。

 友井医師は浣腸が好きで、患者に自分の趣味で浣腸をしているのではないかと彩奈は言った。

 確かに、優香も初めて診察を受けた日、便秘ではなく下痢を訴えていたのに、浣腸の処置をされてショックを受けた。

 でも、友井医師は浣腸を指示しただけで、あのとき実際に浣腸をしたのは看護師さんだ。

 浣腸が好きだからという理由なら、自分で処置をするのではないかという気はする。

 それに、下痢なのに浣腸をされ、驚きはしたけれど、ガスが出て楽になり、回復はとても早かった。

 単に、便秘以外の症状でも、浣腸治療が有効そうな場合に、浣腸を指示しているだけだろうか。


 そんなふうに友井医師のことを考えながら、時折、優香の脳裏に脈絡なく、今朝見た夢の光景がチラついた。

 美しい顔を苦痛に歪め、高くあげた白いお尻に、大きな浣腸器を突き立てられた莉緒の姿が。

 優香は狼狽し、幻影を振り払おうと、ぎゅっと目を閉じた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。