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コンクール(3) 受診(中学2年生2月)

オムツ、下痢排泄の描写があります。

 コンクール翌日の月曜日。

 高熱が下がらず、激しい下痢も止まらない優香は、真斗に付き添われて友井クリニックを受診していた。


「昨日の朝7時前に坐薬を挿れて送り出して、帰宅後、発熱していたので、午後2時ごろにも、追加で坐薬を挿れました。その後、冷えてしまったのか、夕方からひどい下痢をして…。今朝もまだ腹痛が続いて下痢が止まらないのと、坐薬が切れてからは、熱もぶり返して、さっき測ったときは39度8分でした…」

 ぐったりとしている優香に代わって、真斗が症状を説明した。


「下痢は昨日の夕方ごろから? トイレの回数は何回くらい?」

「夕方に、お腹が痛くて目が覚めて…。回数は多分…20回…以上です」

 優香は憔悴しきった表情で答えた。

 寝ている間に漏らしてしまったり、トイレに行こうとして間に合わずオムツに出たり、もう回数など数えられない状態だった。


「便の状態は?」

「…ずっと水みたいなのが出て……。10分以上…止まらなかったり、ちょっとずつ、何回も出たり……、我慢できないくらい、急に出たり……」

 恥ずかしさを堪えて、優香は答えた。

「血が混じったりはしていない?」

「はい…」

「お腹を診ますね」


 診察のため、診察台に仰向けになった優香のシャツがめくられると、ズボンのウエストよりも高い位置、お腹周りをすっぽりと覆っている紙オムツの白いギャザーが露わになった。


「…熱でふらつくのと、下痢がひどくてトイレが大変なので、念のため、昨日の夜から紙オムツを使っています。ほぼ、自力でトイレに行けてはいるんですが…」


 優香の羞恥心を気遣って、真斗は昨日優香がトイレまで間に合わずに下痢を漏らしてしまったことは詳しく説明しなかったが、オムツを着けていることが知られただけでも、優香は恥ずかしさで消えてしまいたくなった。


「熱がある時の下痢は、余計にしんどいね…」

 友井医師は優香に優しく声をかけて、

「お腹の音を聴くために、少しだけ下げるからね」

 ギャザーになったオムツのウエスト部分を広げて少しずり下ろし、聴診器を差し入れて、優香の下腹に当てた。


 聴診と触診を終えると友井医師は、

「確かに、ひどい下痢ですね。坐薬で何度も体温を下げたので身体に負担がかかったのと、頑張りすぎて疲れが出たんでしょう。ウイルス性ではないと思われますが、念のため、感染を避けるために汚れたオムツの処理とトイレの掃除は使い捨ての手袋とマスクを使って、十分に注意してください。下痢は無理に止めないで、整腸剤で様子を見ましょう」

と真斗に指示した。


 優香は、今日も処置室で点滴を受けることになり、付き添いの真斗とともに、看護師さんに処置室に案内された。


「佐伯さん、もしオムツが汚れてしまっていたら、点滴の前に交換しましょうか?」

 看護師さんが気遣って声をかけてくれたが、優香は「大丈夫です」と力なく答えて首を左右に振った。

「点滴の水分で余計に下してしまうこともあるので、その時は遠慮しないで呼んでくださいね」

 優香の腕に点滴の針を刺すと、看護師さんは処置室を出た。


 看護師さんの心配の通り、優香は点滴中にも下痢をもよおしてしまい、我慢できずに、ベッドに横たわったまま、オムツの中にビュッと水っぽい下痢便を下した。


 オムツ越しに響いたくぐもった排泄音と、優香がモゾモゾと動く様子に気づいた真斗が、

「出てしまった? 看護師さんを呼んで交換してもらおうか」

と声をかけたが、優香は下痢で汚れたオムツを替えてもらう恥ずかしさと申し訳なさで、首を横に振った。


 点滴が終わったら、すぐにトイレに行って自分で処理しよう…。

 優香は、オムツの中にべっとりと広がった下痢便が冷えていく、体温まで奪われそうな気持ちの悪い感触に耐えようとした。

 しかし、我慢も虚しく、肛門からはまた、さっきよりも緩く大量の下痢が溢れて、オムツの中に広がっていった。


 シャーーークチューーーーーっ。


 自分の意志と関係なく、肛門から水のようにゆるいシャバシャバの下痢が漏れ出していく。

 このままではオムツでも受け止めきれず、溢れ出して服やベッドを汚してしまう…。


 優香は、ついに真斗に頼んで看護師さんを呼んでもらい、駆けつけた看護師さんに

「すみません…汚してしまって…」と、消え入りそうな声で伝えた。

「大丈夫ですよ。新しいのに交換しましょうね。替えのオムツの用意はありますか?」

「お願いします」

 真斗は念のため持参していた新しい紙オムツをカバンから取り出して、看護師さんに手渡した。


「オムツ交換の間、目隠ししますね」

 看護師さんはベッドの前のカーテンを引くと、優香の身体にかけられた毛布をまくった。

 こもっていた下痢の臭いが一気に周囲に広がる。

「少しお尻を浮かせられる?」

 看護師さんは気にするそぶりもなく、優香に声をかけ、手際よく優香の腰の下に防水シートを敷いた。

「足を開いて、膝を立ててくださいね」

と言って、仰向けのまま足を開いて膝を立てた状態の優香からズボンを脱がせた。


 情けない…。

 オムツ姿の下半身がむき出しになり、優香の色白な顔は恥ずかしさで赤らんで、目には涙が滲んでいた。

 ぺりぺりペリ。

 乾いた音を立てて、オムツが側面から破かれると、オムツに覆われていた陰部と、オムツから溢れそうなほど広がった大量の下痢便が露わになり、鼻をつくひどい臭いも広がった。


 看護師さんは、便が溢れてしまわないよう慎重に、優香のお尻を持ち上げて、オムツを抜き取った。

 下半身が丸出しになった優香は、寒さと恥ずかしさで、ブルブルと身体を震わせた。

「寒い? すぐにきれいにするから、少しだけ我慢してね。ちょっとだけ冷たくなりますよ」

 看護師さんは優香の脚を足首から持ち上げ、アルコールのシートを使って、軟便で腰のあたりまでべったりと汚れてしまったお尻を丁寧に拭っていった。そして陰部が綺麗になると、新しいオムツを優香の両足に通し、お腹まで引き上げて、穿くのを手伝ってくれた。


 優香に新しいオムツとズボンを穿かせ終わると、看護師さんは優香の身体にそっと毛布をかけてくれた。

「はい、もう大丈夫ですよ。楽にしててください」

「すみません…。ありがとうございました…」

 赤ちゃんでもないのに、汚したオムツを替えてもらい、お尻を拭いてもらう申し訳なさと、自分の不甲斐なさに、お礼の言葉を伝える優香の声は震え、泣き声になった。


 身体を回復させるために、必要な薬と栄養を点滴してもらっているのに、それをそのままオムツに垂れ流してしまう自分が、情けなく申し訳なくて、消えてしまいたくなる。


「大丈夫ですよ。ひどい下痢で、身体を動かすのもつらいでしょう…。点滴で少し楽になりますからね。ゆっくり休んでいてね。点滴はもうしばらくかかるから、我慢せずに、オムツが汚れて気持ち悪かったら、何度でも呼んでくださいね」

 看護師さんは優しく言ってくれたが、汚れたお尻の穴を晒して拭ってもらい、その上、下痢まみれのオムツの処理までしてもらって、まるで直腸の中まで見せているようで、優香は恥ずかしさで言葉が出なかった。


 看護師さんは、手際よく汚れたシートや手袋をゴミ袋にまとめて処分し、汚れたオムツは別のビニール袋に包んだ。

「念のため、便の状態を先生に診てもらいますね」

 看護師さんは、再びカーテンを開けると、オムツの入った袋を手に診察室へと向かった。


 下痢まみれでひどい悪臭を放つオムツを、看護師さんだけでなく、友井医師にも見られる恥ずかしさで、優香は頭が真っ白になったが、そういえば、コンクールの前日、浣腸されて差し込み便器に下した便も、友井医師に確認されていたことに思い至った。

 あの時は、コンクール直前に体調を崩してしまってパニックになったのと、早く治さなくてはと必死で、自分の身に起きていることがよく理解できていなかったのだった。


 仕方なかったんだ。もう考えないようにして、忘れてしまおう…。

 そう強く思うほどに、点滴を受けながら足を持ち上げた姿勢でされた浣腸と、差し込み便器への排泄、その後で看護師さん、帰宅後はお兄ちゃんにも、お尻を晒して挿入された冷たい熱冷ましの坐薬、さらに昨晩のひどい下痢の粗相…。

 恥ずかしく不甲斐ない場面の数々が次々と脳裏に浮かび、優香は叫びそうになった。


 優香を記憶から現実に引き戻したのは、ギュルギュルと音を立ててうごめくお腹の痛みと、肛門に迫り来る便意だった。

 点滴が終わるまで、あとどれくらいだろう…。

 替えてもらったばかりのオムツを、せめて点滴が終わるまでは汚さないようにしないと。


 優香は、水のような下痢でこじ開けられそうになる熱く湿った肛門を、必死で締め付けた。

 押し寄せる下痢に抗って括約筋に力を込めるたび、激しい下痢に痛めつけられたお尻の穴が、ヒリヒリと痛んだ。



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