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コンクール(1) 出発と帰宅(中学2年生2月)

 友井クリニックから帰宅した優香は、処置のおかげで熱が引き、少量のおかゆを食べてから眠りについた。


 19時ごろ。優香の体調を心配した木下先生から電話があり、真斗は病院で優香が受けた診断と処置について説明した。

「かかりつけの病院で診察してもらったところ、胃腸が弱ってしまって機能していないようで……。点滴を打ってもらって、ベッドで点滴をしながら、浣腸の処置を受けました」

「そんなにひどい状態だったんですね…かわいそうに…。」

「熱も高いので、浣腸の後、熱冷ましの坐薬も入れてもらって…」

「坐薬も…。その後、容体はどうですか?」

「長時間の治療で、かわいそうでしたが、できるだけの処置をしていただいたおかげで、今は熱も下がって、少し楽になったようで眠っています」

「よかった…。このまま回復してくれたらいいんですが」

「薬が切れて、夜中に熱がぶり返すようなら、追加で坐薬を使って様子を見るようにとのことです。朝、行けそうなら、出発前にも、もう一度坐薬を入れて、送り出すことになりそうです」

「くれぐれも無理をしないようにと伝えてください。朝、少しでも移動が楽なように、車で迎えに行きます」


 夜になり、坐薬の効果が切れたのか、再び熱がぶり返した優香は、真斗の手で坐薬を施されることになった。

「優香。しんどいな……。また熱が上がっているから、坐薬を入れよう」

 高熱でぐったりとしている優香は、真斗の手で身体を横向きにされ、パジャマとショーツを腿まで下ろして、汗ばんだお尻をあらわにされた。


「ごめんね…。すぐ済ませるからな。身体を丸めて」

 軽く膝を曲げて、無防備にむき出しになったお尻を、背後に突き出した体勢にされる。

 お尻の割れ目がぐっと開かれ、外気に晒された肛門に、冷蔵庫で冷えた坐薬の先端が、ピタリと押しあてられる。

「坐薬を入れるよ。力を抜いて」

 坐薬が少しずつ肛門を押し開いていくと、その冷たさと異物感に、優香は

「うぅ……気持ち悪い…」

 と、譫言のようにうめき声を漏らした。


「気持ち悪いな…。少しだけ我慢しよう。口で息をして…力を抜いて…」

 真斗は優香に声をかけて励ましながら、肛門の奥の方へと坐薬と指先をぎゅっと押し込んだ。

「…んーー! うー……トイレ…行きたい」

「今トイレに行ったら、坐薬が出てしまうから、薬が溶けて吸収されるまで、少しだけ我慢しような…。ゆっくり脚を伸ばして」


 坐薬を挿入しているのと反対の手を足首に添え、曲げさせていた脚をまっすぐに伸ばすのを手伝う。

「うぅ……」

 指先に触れていた坐薬が、優香の肛門の襞の奥へと、するりと吸い込まれていったのを確認すると、真斗は溶け出した坐薬でべっとりと濡れた優香の肛門をティッシュで拭い、しばらくの間そっと押さえた後で、指先をきれいに拭って優香の下着とズボンを元通りに上げた。


 明け方、真斗が様子を見に行くと、坐薬が効いたのか優香の熱は引いていたが、大量の汗をかき、パジャマがぐっしょりと濡れてしまっていた。

 真斗は優香のパジャマのボタンを1つ外し、首元からタオルを入れて背中と胸元を拭った。そして、パジャマのズボンも少し下ろし、お腹の周りと太もものあたりまでを拭き、汗で身体が冷えないように、新しいタオルを背中と濡れたパジャマの間に入れて、布団をかけ直して部屋を出た。



 朝。目を覚ました優香は背中に入れられたタオルに、夜中に真斗が身体を拭いてくれたことを知った。

 身体のだるさと熱による悪寒と目眩を堪えてなんとか起き上がり、リビングに入ると、真斗がおかゆの準備をしてくれていた。

「おはよう…昨日はありがとう」

「おはよう。身体は大丈夫?」

「うん…昨日より、大分楽」


 優香はテーブルにつき、真斗が用意してくれたおかゆを流し込んだ。

「あまり無理に食べたらよくないよ」

「大丈夫。治ってきたみたいだから、全部食べられる」


 優香は体調が戻ったふりを装ったが、体温を計ると38度9分の高熱は隠しようもなかった。

 体温計の数字に真斗はためらったが、「行きたい、休むわけにはいかない」と言って涙ぐむ優香に、再度坐薬を施して送り出すことにした。


「寒いから、ここでしようか」

 ヒーターの前にダイニングチェアを置き、優香を通常座るのと逆向きで椅子に上がらせて、膝立ちの姿勢を取らせると、

「背もたれに寄りかかって、脚を開いて、お尻を突き出して」

と声をかけた。


 指示された体勢になるのは恥ずかしかったが、優香は素直に従った。

 早く熱を下げないと、と自分に言い聞かせ、優香は椅子の上で脚を開いて膝立ちになり、背もたれを握ってお尻をグッと突き出した。


「少しだけお尻を出すね」

 真斗は優香の制服のスカートをまくりあげ、ショーツを太ももまで下ろすと、椅子の上でお尻を突き出している優香の後ろに屈み込んだ。むき出しになった白いお尻を、左手の親指と人差し指で左右に割り開いて、肛門をあらわにする。ワセリンを塗った坐薬を、根元からティッシュでつまむように持ち、先端の尖を肛門のすぼみにぴたりと押し当てて、

「坐薬を入れるからね、お尻の力を抜いて、口から息を吐いて」

 声をかけながら、優香が息を吐くのに合わせて、坐薬をひだの奥へと少しずつ押し込んだ。


 優香は小さく開けた唇から、ハアハアと熱く湿った吐息を吐きながら、背もたれを握る手にぎゅっと力を込め、恥ずかしさと、肛門に感じる坐薬のぞくっとするような気持ち悪さに耐えていた。


「…入ったよ。ゆっくり立ち上がって椅子から降りて、座り直そうか」

 異物感の残る肛門を拭われ、ティッシュ越しに圧迫されたまま、優香はそろりと椅子から降りた。床の上に立つと、肛門に挿された坐薬が、じんわりと溶けながら、硬い痛みをともなって直腸へと入ってくのがわかった。


「坐薬が出てしまうから、しばらく動いたら駄目だよ」

 もう一度、優香のお尻を拭いながら真斗がそう言うと、優香は黙って頷いた。そしてショーツを上げ、恐る恐る椅子に腰を下ろした。


 真斗が坐薬の処置で汚れた手を入念に洗って、後片付けをしていると、木下先生からマンションの下に着いたことを知らせる連絡があった。

「動けそう?」

 椅子に腰掛けて、不安げな表情を浮かべている優香に声をかけると、優香は「大丈夫」とだけ小声で答えた。


 真斗は優香をマンションのエントランスまで送り届け、木下先生に、昨晩やはり優香の熱がぶり返して、夜中に坐薬を使ったこと、朝からも熱が高く、さっき追加の坐薬を入れたばかりだということ、自分もあとで会場に出向いて、優香の出番が終わり次第、連れて帰るつもりであることを手短に説明して、優香を送り出した。

 優香は坐薬の説明を恥ずかしく感じる余裕もなく、本番に向け脳内で演奏をシミュレーションしていた。


 優香たちは学校からバスで、真斗は電車で、隣の市のコンクール会場へと向かった。


 優香たちの演奏は、午前中最後となる順番で、真斗が見守る中、優香は高熱を出したとは思えないよどみのなさで、長いソロのパートを演奏しきった。

 演奏を終えた拍手が鳴り止まない中、真斗は席を立って、舞台袖の優香の元へ駆けつけた。

 演奏を無事終えた安堵感と演奏直後の高揚感から、優香の頬には赤味が差し、表情は明るかったが、また熱が上がりつつあるのは明らかだった。

「優香、頑張ったな。さあ、今日はもう帰って休もう」

 真斗は、木下先生への挨拶を済ませると、優香を連れ、タクシーで帰宅した。

 タクシーの中で、優香は赤い顔をしてぐったりとシートに身を埋めていた。

「本当によく頑張ったな。帰ったらすぐに坐薬をしてゆっくり休もう」

 熱のせいか汗ばみ、額に張り付いた前髪を撫でるようにして整えてやりながら、優香の耳元で真斗は言った。


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