コンクール前日(2) 解熱(中学2年生2月)
排泄、坐薬挿入の描写があります。
熱で身体に力が入らない優香は、ベッドを起こしてもらうと、抗うこともできず、お尻にぴったりとあてがわれたオマルのような容器の上で、限界を迎えた肛門を解放するしかなかった。
「終わったら、ベルを鳴らして呼んでくださいね」
ベッドサイドのテーブルのベルを指差して、看護師さんはカーテンの外に出た。
ぶしゅーーー。ブリュっ、ブチュブチュ…グチュちゅちゅーーーー。
優香の意志とは裏腹に、浣腸液とそれに続くゴツゴツとした硬い便、ガスの混じった熱い濁流ような便が、次々と肛門をこじ開け、勢いよく差し込み便器に向けて噴き出していく。
「…うっ…ぅ。うぅ……はぁはぁはぁ…」
下腹と肛門を襲う痛みの激しさに、優香は何度も苦痛の声を漏らし、処置室にはうめき声と排泄音が長く響き渡った。
ブチュッ……ブチュブチュ…ブリュッ……ブリュッーー……ブシューーーーーーーー。
水下痢のような激しい排泄音が何度も続いた後で、水っぽいガスの音をひときわ長く響かせると、優香はぐったりと脱力し、静かになった。
カーテン越しに気配を伺っていた真斗が、優香が気を失ってしまったのではないかと心配して、看護師さんを呼ぼうかと考え出した頃、カーテンの向こうで優香がモゾモゾと動いて、ベッドサイドのベルを鳴らす気配があった。
「佐伯さん、終わりましたか? 失礼しますね」
やってきた看護師さんは優香に声をかけると、タオルをめくり上げ、露わになった優香の股間から、排泄で湿ったトイレットペーパーと、ドロドロの軟便でいっぱいになった差し込み便器を外して、取り上げた。
便器に蓋をしてワゴンの上に置くと、
「たくさん便が出ましたね。すっきりしたでしょう。お尻、きれいにしましょうね」
と声をかけて、優香の足首を持ち、お尻を浮かせて、おむつ換えのようなポーズを取らせると、手際よく排泄の汚れを拭っていった。
お尻を左右に開くようにして肛門を丁寧に拭うと、下着と服を元どおりに直し、ベッドを元の高さに倒して、友井医師を呼びに診察室に戻った。
しばらくして処置室に現れた友井医師は、「気分は悪くない?」と優香に声をかけると、ワゴンに載せられた差し込み便器を開けて優香の便の状態を確認し、点滴が終わったら坐薬を入れるように看護師さんに指示した。
「少し休んで落ち着いたら、熱冷ましの薬を入れようね」
と優香に声をかけて、真斗の視線を遮っていたカーテンを開けた。
「点滴後に解熱用の坐薬を肛門内に投与します。今16時過ぎなので、夜10時を過ぎたらもう一度坐薬を入れて、今晩はゆっくり休ませてください。お腹がほとんど動いていないので、食事は摂れるようならおかゆを少し、食欲がなけれが無理に食べずに、脱水にならないように、水分だけは十分摂るようにください。明日の朝も熱が高いようなら、家を出る前に、もう一度坐薬を入れてあげてください。坐薬は3回分処方するので、38度以上の熱があるときに、6時間以上の間隔を目安に使ってください。今晩と明日の朝、明日の帰宅後も、辛そうなら使っても大丈夫です。帰宅後も、とにかくよく休ませて、明後日の月曜日、まだ熱が下がらなかったり、食べられないようなら、また点滴をしますので連れてきてください」
真斗に説明し、友井医師は再び診察に戻った。
点滴が終わると腕から針が抜かれ、
「佐伯さん。お熱が高いので、お熱さましの坐薬を入れますね。その前にお手洗いに行きましょうか」
看護師さんに声をかけられ、起き上がるのを助けてもらって、お手洗いに案内された。
いつもは診察室内で処置を受けた後、診察室のお手洗いを使っていたが、今日は処置室なので廊下のトイレまで行く必要がある。
優香は熱でだるい身体を看護師さんに支えてもらい、どうにかお手洗いまでたどり着くと、廊下に漏れそうな排泄音を気にしながら、浣腸で渋るお腹をさすりながら、時間をかけて、残っていたガスと水様便を出し切った。
看護師さんに付き添われて処置室に戻ると、再びベッドと付き添いの真斗の間にカーテンが引かれ、優香は再びお尻を出して、坐薬の処置を受ることになった。
「佐伯さん、これからお熱を下げるために坐薬しますね。お尻からお薬を入れるので、軽く膝を曲げて、お尻をこちらに突き出して」
もう点滴の針は抜いているので、体勢はいつもの浣腸と同じ、横を向いてお尻を突き出すポーズを指示される。優香が指示通りの体勢になると、看護師さんの手でズボンとショーツが膝上まで下げられた。
「お口でハアハアしましょうね、力を抜いて楽にして、ハアハア…」
優香のお尻の割れ目がぐっと開かれ、口から息を吐くのに合わせて、浣腸の灼熱感の残る肛門に、冷たい坐薬が押し当られる。そして、そのまま薄いゴム手袋をつけた看護師さんの指先までが、ぐっと突っ込まれた。
「うっ…」
お尻の痛みと惨めさで、優香は思わず苦痛の声を漏らし、目には涙が浮かんだ。
「ごめんね、お薬が出てしまわないように、しばらくこうして押さえますね」
浣腸の処置の後で敏感になっているのか、優香の肛門は痙攣するようにヒクヒクと動いた。
「気持ち悪い? もう少しだけ我慢してね。今指を抜くとお薬が出てしまいそうだから。お薬が溶け出したら、熱も下がって楽になりますよ」
看護師さんに優しく声をかけられながら、早く熱を下げて回復するためなんだ、と自分に言い聞かせて、優香はこの恥ずかしく惨めな処置と、お尻の気持ち悪さに耐えるしかなかった。