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合宿(3) ホテルで(中学2年生4月)

ホテルで坐薬を使います。

坐薬を使ったことを親友に知られてしまったエピソードです。

 優香たちがホテルに戻ると、ロビーには心配して優香の帰りを待っていた同級生たちと、従業員の姿があった。


 茉莉果が駆け寄り、

「優香、大丈夫?」と声をかける。

「うん、ごめんね…」

 突然嘔吐して、茉莉果に迷惑をかけてしまったことを、優香は謝った。

 茉莉果は

「謝らないで」

と首を振った。


 優香たちの元に、従業員がやって来て、

「高熱なら、水枕と氷をご用意しましょうか?」と声をかけた。

「ありがとうございます。お願いします」

木下先生は答え、

「それから、明日出発の時に、保冷剤とビニール袋を用意していただけないでしょうか? 処方された坐薬が溶けないように持ち運びたいので」

と付け加えた。


 優香には食後の飲み薬と6回分の坐薬が処方され、翌朝も38度を超える発熱があれば、5、6時間おきに坐薬を使うように医師から指示されていた。


「かしこまりました。保冷剤も明日、出発前にご用意いたしますね」

 従業員は言って、水枕と氷を用意しに向かった。


「さあ、みんなはもう消灯時間よ。部屋に戻りなさい」

 生徒たちに大部屋に戻るように促し、

「佐伯さんは、今日は先生の部屋で休みましょうね」

 小橋先生は優香に言った。



 翌朝。

 優香は少し熱が下がり、小橋先生と一緒に、食事が用意された大広間へと向かった。

 みんなと同じ朝食メニューは喉を通りそうになく、優香はおかゆを用意してもらっていた。


 優香の姿を見つけると、茉莉果が駆け寄って来た。

「優香、具合どう? 少しは良くなった?」

「うん、ありがとう…」

 優香は力なく言って、おかゆの器を見た。

「食後の飲み薬があるから、少しでもお腹に入れたほうがいいわ」

 小橋先生に言われ、優香はあまり食欲がなかったが、おかゆに添えられたスプーンを手に取った。


 優香がおかゆを食べていると、木下先生がフロントで借りた体温計を手にやって来た。

「佐伯。食べ終わったら、熱を計ろう」

「私、薬飲むためのお水もらってくるね」

 茉莉果が甲斐甲斐しく、優香の世話を焼いた。


 茉莉果が水の入ったコップを手に戻ってくると、優香の傍では、木下先生と小橋先生が小声で相談していた。


「どうしましょう? 坐薬を入れましょうか」

 体温計は38度5分。坐薬が必要な体温だった。


「高熱のまま移動させるのもかわいそうだから、坐薬を使う方がいいでしょうね」

「そうですね。私の部屋に戻って坐薬を入れて、そのまま出発まで部屋で休ませます」

 小橋先生の言葉に、

「大丈夫です! もうご飯も食べられます」

 優香は抵抗したが、

「今は大丈夫でも、帰りのバスで、もっと熱が上がったら大変だから、お部屋で熱冷まし使いましょ。その方が身体も楽だから」

 小橋先生は、茉莉果の姿に気が付いて、「坐薬」ではなく「熱冷まし」と婉曲に表現したが、坐薬を使うと茉莉果に知られてしまったことを察し、優香は恥ずかしさで顔を赤らめて俯いた。



 部屋に戻ると、小橋先生は冷蔵庫から坐薬が入った紙袋を取り出し、優香に尋ねた。

「佐伯さん、自分で坐薬を使ったことはある? 自分でお尻に入れられそう?」


 優香は薬局でグリセリン浣腸の説明を受けた時、長いチューブを見て感じた強い恐怖と嫌悪感が蘇り、自分で異物をお尻に入れるのは到底無理だと感じて、首を横に振った。


「そう。なら先生が入れるわね。本当は、お医者さんやお家の人しかダメなんだけど、内緒ね」

 そう言うと小橋先生は手を洗って、優香に坐薬を施す準備をした。


 小橋先生が優香に指示したのは四つん這いの、モーンのポーズではなく、いつも浣腸するときにとらされるのと同じ、あの横を向いて膝を曲げ、お尻をぐっと突き出すポーズだった。


 指示された姿勢はやはり恥ずかしく、受け入れ難いものだったけれど、四つん這いや、昨晩のオムツを替えてもらうようなポーズに比べれば、お尻を出す治療の中では、まだ恥ずかしさが少ないポーズなのかもしれない、と熱で朦朧とした頭で思いながら、優香はショーツを太ももまで下ろしてお尻を出すと、前はスカートで隠すようにして、敷布団に横たわった。


「力を抜いてね」

 小橋先生の声が聞こえ、洗ったばかりのしっとりと冷たい小橋先生の手で、お尻が左右に開かれた。

 外気に触れた肛門に、冷蔵庫から取り出したばかりの冷たく硬い坐薬の先端が押し当てられ、そのままぐっと押し込まれる。


 冷たさに思わずあげそうになった悲鳴をこらえて、優香は惨めで恥ずかしく、気持ち悪い処置に耐えた。

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