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合宿(2) 救急病院で(中学2年生4月)

病院での坐薬処置の描写があります。

 優香は、ホテルの車で、夜間も診療している救急病院に運ばれることになった。


「私も一緒に行きます!」

 茉莉果は言ったが、

「先生たちが付き添うから大丈夫よ。佐伯さんは今晩は私の部屋で寝かせるから、荷物をまとめておいてあげて」

 と小橋先生に諭された。


 病院に着き、夜間用の小さなドアを入ると、すぐ横が受付だった。

 幸いほかに順番を待つ患者はおらず、すぐに診てもらえることになった優香は、木下先生と小橋先生に付き添われて診察室に入り、当直の若い男性の医師の診察を受けた。


 優香が高熱を出し、夕食を全部戻してしまったこと、明日4時間ほどかけてバスで帰路につく予定であることを、木下先生が医師に説明すると、診察ののち、優香は点滴と解熱剤の処置を受けることになった。


 木下先生と小橋先生に見守られながら、優香が処置室のベッドで点滴を受けていると、銀色のトレイを手にした看護師さんがやって来て、宣告した。

「今から、患者さんに解熱の坐薬を入れるので、処置の間、カーテンを引きますね」


 診察の時は「解熱剤」としか聞こえなかったので、坐薬を入れると聞かされて、優香はショックと恥ずかしさで涙ぐんだが、このままの体調では、到底明日帰宅できそうにないので、抗うこともできない。


 ベッドの横で、パイプ椅子に座って見守る先生の視線を遮るように、優香が横たわったベッドの周りにカーテンが引かれていった。

「佐伯優香さん。熱を下げるために坐薬を使います。お尻に入れるので、楽にして、じっとしていてね」

 カーテンを引き終わると、看護師さんが優香に声をかけた。


「モーンしなさい」

 ママの声が蘇るが、点滴中で、モーン のポーズにはなれそうにない。


 動けない優香が、看護師さんに身を任せていると、身体に掛けられていた薄い毛布が足元からお腹までめくり上げられた。

「お尻が出るように少し下げますね。ごめんね」

 仰向けのまま、あっけなくズボンとショーツが太ももの辺りまで降ろされる。そのまま足首を持ち上げられて、あっという間に、オムツを替えるようなポーズにされていた、


「膝を曲げて。点滴をしていない方の手で、膝を抱えてください」

 看護師さんの声に優香が従うと、むき出しのお尻が少し浮き上がった。


 覆うものもない丸出しのお尻が、白々とした天井からの灯にさらされ、お尻の穴までくっきりと照らされている…。

 熱でぼんやりとした頭でも、自分が今、全てをさらけ出すような恥ずかしい体勢になっていることが分かった。


「坐薬を入れます」

 看護師さんが宣言した。


 姿勢のせいで少し緩んだお尻の穴に、硬く冷たい坐薬の先端がピタリと押しあてられる。

「お尻の力を抜いて、お口で息をしてください」

 看護師さんが言い終わるのと同時に、優香の肛門には坐薬と、ゴム手袋をつけた看護師さんの指先が一気に挿し入れられた。


「うっ!……ん…、んーー!」

 肛門に感じる摩擦の痛みと、冷たい坐薬がお尻の奥に入っていく気持ち悪さで、優香が思わずうめき声を漏らすと、

「少し気持ち悪いけど我慢して。坐薬がちゃんと入るまで、このままの姿勢で、もう少しじっとしていてくださいね」

 看護師さんは言って、優香の肛門に指を挿し入れたまま、坐薬が戻ってこないように押さえ続けた。


 看護師さんの視線が、自分の表情とお尻の両方に注がれているのがわかる。

 熱を下げるために必要な処置だと分かっていても、お尻の穴に指を挿し入れられた惨めな姿で、じっくりと観察されていることが恥ずかしく、目を閉じると涙が頬に伝っていった。


「はい、もういいですよ」

 ようやくお尻から指が抜かれ、お尻の穴をティッシュでそっと拭われる。


 やっと足を下ろすことを許された優香は、看護師さんの手でズボンとショーツをあげてもらい、元の通りに仰向けで寝かされた。

 看護師さんは、優香に掛けた毛布を整えなおすと、頬の涙もティッシュで拭ってくれた。


「痛かった?」

 看護師さんの言葉に、優香は首を横に振った。

 お尻に入ってしまうと、それほど痛みはないものの、お尻の中にはまだ異物感があって気持ち悪く、何より恥ずかしさと惨めさでいっぱいだった。


「坐薬は効果が早いから、すぐに熱が下がって楽になりますよ」

 看護師さんは慰めるようにそう言って、ベッドの脇のカーテンを開けた。


「もう少しで点滴も終わりますね。でも点滴が終わっても、すぐに動くとお尻の坐薬が飛び出してしまうので、しばらく仰向けのままで、じっとしていてくださいね」


 カーテン越しにも、処置の内容が聞こえていることは覚悟していたものの、改めて自分のお尻に坐薬が入っていることをはっきりと告げられ、優香は恥ずかしくて付き添いの先生の方を見ることができなかった。


 点滴のチューブが空になり、腕から針を抜いてもらって、10分ほどベッドで休んだ後、優香はようやく起き上がることを許された。


「じゃあ、ゆっくり起き上がりましょう。起きるときにお腹に力が入るので、息んでしまわないように気をつけて…。 坐薬が出るといけないので、あと30分くらいは、できるだけ動かないようにして、トイレも我慢してくださいね」


 看護師さんから説明を受けた優香は、先生たちに連れられ、ホテルへと戻った。

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