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副作用(1) 病院で(中学1年生9月)

病院での浣腸、排泄の描写があります。

「佐伯優香さん、診察室へどうぞ」

 カーテン越しに聞こえる声に、優香は緊張した面持ちで立ち上がった。

 カーテンを開け、診察室へ入る。


 3ヶ月ほど前、お腹を壊して、お世話になった友井クリニックを、今日は一人で訪れていた。


「佐伯さん。今日はどうしました?」

「1週間くらい前に風邪をひいて、お家にあった風邪薬を飲んでたんです。…それで、喉の痛みや咳は治ってきたんですけど、お薬の副作用なのか、身体が重い感じで、食欲もなくて…」

 医師は、目の前の少女の「お家」「お薬」という幼い言葉遣いと、「副作用」という子供っぽい風貌からはかけ離れた言葉のギャップに、口元を緩ませながら、先ほど待合室で測った体温が書かれたメモを見た。

「熱は…37度3分、微熱ですね。まず喉を見ますね」

 医師の指示で、優香が口を開けると、

「炎症はないですね。胸の音を聞くのでボタンを外して」

 優香がブラウスの前ボタンを全て外すと、ブラの横から胸、お腹と医師が聴診器を当てて行く。

「胸の音も大丈夫ですね。お腹は…」

 医師は優香のお腹に手を触れると、

「ずいぶん張ってるな」

と呟いた。

「お腹の音を聞きますね。奥の診療台に横になって」

 優香は言われた通り、衝立で仕切られた診察室の奥に進み、タオルが敷かれた診療台に上がった。


 横たわってお腹を出し、トントンと指をあてて音を確認された後、聴診器があてられていく。

「腸の動きが弱っていますね。便は出ていますか?」

 医師の問いかけに、優香は風邪をひいてからずっと、満足なお通じがなかったことに思い至った。

 あまり食べていないせいか何日も出ず、3日ほど前に、ようやくコロコロの便が少し出て、それっきりだ。


「…あまり、出てないです…。3日くらい前に、少しだけ出て……」

 優香が恥ずかしそうに答える。


「便秘ですね。ガスと便でお腹がパンパンに張ってしまっているので、これでは食欲もないでしょう。身体のしんどさも、いつまでも風邪がスッキリしないのも、この便秘のせいですよ」

 思いがけず便秘を指摘され、優香の色白な顔は、恥ずかしさで耳まで真っ赤に染まった。


「風邪薬に配合されている咳止めの成分のせいで、便秘になることが結構あるんですよ。これも副作用ですね」

 医師が優香に微笑みかけ、優香は顔を赤らめたままうつむいた。


「今、腸から肛門にかけて、ガスと便がびっしり詰まっている状態で、蓄熱といって、熱も便と一緒に溜まってしまっています。溜め込んだ便を出してしまえば、お腹のしんどさもなくなって、熱も引くからね。浣腸して、便を出しましょう」


 浣腸……。また、浣腸されるの…?

 思いがけない浣腸の宣告に、優香は声も出せず、ただ身を固くした。


「浣腸なら、すぐに楽になるからね」

 慰めるように医師は言って、付け加えた。

「前回は、元々下痢をしていたから、ほとんど我慢できなかったと思うけど、今日は便秘を治すための浣腸だから、しっかり我慢しましょう。お尻に浣腸液を入れると、刺激ですぐに出したくなるけど、我慢が足りないと薬だけ出てしまって、肝心の便が出ないからね」


 前回、浣腸後にトイレまで我慢できず、ポータブル便器で下してしまったことを蒸し返されたように感じ、顔を赤くして俯いている優香に、看護師さんがテキパキと指示を出した。

「佐伯さん、浣腸するので準備しましょうね。スカートは脱いでね。身体の左側を下にして、こちらにお尻を向けて寝てください」

 優香がモジモジしていると、看護師さんは手を添えて優香の身体の向きを変え、手際よく腰のあたりにタオルをかけた。

「下ろしますね」

 タオルの下で、優香のショーツがあっけなく腿の辺りまで下ろされる。


「浣腸しますね。少しの間、お尻を出します」

 改めて宣告され、タオルがめくられて、お尻がむき出しになる。


「膝を曲げて、お尻を後ろにぐっと突き出して」

 看護師さんは、優しいけれど有無を言わさぬ口調と手際で、優香の膝を曲げさせ、さらに腰に手を添えて、腰を少し外らせるようにして、お尻をぐっと突き出させた。

「お尻を開きます」

 むき出しになったお尻を突き出すという、恥ずかしい格好に必死で耐えている優香に、さらに追い討ちをかけるように、看護師さんの手で、容赦無くお尻の割れ目が大きく開かれた。


「ちょっとお尻が冷たくなりますよ」

 顕になったお尻の穴に、ひやっとする感触があり、ヌルヌルしたものが塗られて、何かが押し当てられた。

「力を抜いて。楽にしていたら痛くないですからね。はい、ノズルを入れます。お口で息をして」

「うっ…。嫌ー!」

 それほど痛くはないことはわかっていても、恥ずかしさと気持ち悪さで、思わず声が出る。


「すぐ済むから頑張りましょう。お尻の力を抜いてー。お口を開いて、お口で息をしますよ。はーはーはーー」


 看護師さんに促され、優香は大きく開けた口から、息を吐き出した。

 お尻の穴にノズルが入れられていくのが分かる。

「はい、ノズルが入りました。ではお薬を入れていくので、もう一度お口でゆっくりと息を吐いてー。はーはー」

 吐く息に合わせて、お尻から、ゆっくりと生暖かい液体が入って来る。

 看護師さんの視線が、自分のむき出しのお尻に注がれている恥ずかしさと、直腸にどんどん異物が入ってくる苦しさで、息が震えた。

「うぅぅ…」

「お薬半分入りましたよ。あと半分頑張りましょうね。……あと少し…。はい、全部入りましたよ。お薬入ったのでお尻からノズルを抜きますね。はい、ぎゅっと肛門を締めて」

 看護師さんの指示でお尻を締めると、ノズルがシュポンと抜き取られる感触があり、お尻の穴にペーパーを押しあてられた。

「はい。ノズル抜きましたよ。お尻拭きますね」

 お尻の穴をそっと拭われた後、新しいペーパーを添えて圧迫される。


「お薬が効いてくるまで、少し我慢しましょうね」

 前回の浣腸では、下痢をしていたせいで、すぐに便意に襲われた優香だったが、今回はまだ少し余裕があった。

 その分、余計に恥ずかしさが込み上げてくる。

 薬の注入が終わり、下着をあげてお尻にはタオルをかけてもらったものの、看護師さんに見守られ、腹痛と便意を堪える、地獄のような時間が続いた。


「もう少し頑張れるかな? あともう少しだけ我慢しましょうね」

 看護師さんが励ますように声をかける。

 恥ずかしさと辛さで声を出せない優香だったが、ギュルギュルと鳴るお腹の音は部屋中に響いていた。


「もうちょっと頑張りましょう」

 色白な優香の顔は苦痛で歪み、額には脂汗が滲んで、呼吸も次第に苦しげになっていった。

「あと1分。そろそろお手洗いの準備しましょうか。お尻にぎゅっーと力を入れて、ゆっくり仰向けになって」

 看護師さんはそう言いながら、優香の腰に手をまわし、下着に手を入れて、ペーパーの上から優香の肛門をぎゅっと押さえていてくれた。

「はい、じゃあゆっくり起きあがりますよ」

 看護師さんの手を借りながら、優香はゆっくりと身体を起こした。漏らしてしまわないように、必死でお尻を締める。

「それじゃあ、ゆっくりベッドから降りて」

 腰の周りにタオルを巻いてもらい、優香はゆっくりとスリッパを履いた。

「左手のドアがお手洗いです。歩いて行けそう?」

 優香は苦痛に顔を歪めながらも、頷いた。


 我慢できずにポータブルトイレで排泄してしまった、以前のような目には二度と会いたくない…。

 その一心で、看護師さんに支えてもらいながら、どうにかトイレにたどり着いた優香は、ドアを開けてもらうと、ドアを閉めて鍵をかける間ももどかしく、タオルを剥ぎ取り、下着を下ろした。

 便器に腰掛けた途端、必死でせき止めていたものが噴出した。


 浣腸液が噴出した後には、腸にとどまっていた固形の便が一気に優香の肛門に押し寄せる。

 激しい腹痛から逃れたい一心で優香が必死に息むと、粘土のような便とガスが混ざり合って、激しい音とともに、勢いよく便器へと叩きつけられた。


「う…うーーーん……うーーーん…」

 思わず声を出して、前屈みになりながら必死で息み、優香は下し続けた。

 便の状態がベタベタとした粘土状から軟便になっても、腹痛と便意はなかなか治らない。

「はあはあ……うーーん……はあ…はあはあ……」

 うめき声を漏らしながら、10分以上かけて、ようやく排泄を終えた優香は、ノックの音で我に返った。


「佐伯さん、どうですか? 少し落ち着いた?」

 ドアの向こうから看護師さんの声が聞こえた。

「……はい」

「ゆっくりでいいから、落ち着いたら診察室に戻ってね。スカートはドアの横に置いておきますね」


 排泄を終え、身支度を整えた優香が、診察デスクまで戻ると、医師は言った。

「すっきりしましたか?」

「…はい」

 優香は恥ずかしそうに答えて、うつむいた。


 再度、お腹の触診と聴診が行われ、

「便もガスも、まだ残っていますね。腸の働きが弱って便秘をしやすい状態なので、明日からしばらく、お家でも浣腸してください」

「えっ…!?」

 医師の言葉に、優香が思わず顔をあげる。

「風邪の症状はもうよくなっているので、市販の風邪薬は今日から飲むのをやめて、明日から3日間は、お通じがあってもなくても、時間を決めて、毎日浣腸してください。自分でできそう? お家の人にしてもらう?」

「……自分で、します」

 お兄ちゃんに浣腸してもらうなんて、できない…。

 優香はそう答えるしかなかった。


「じゃあ、袋に書いてある使い方をよく読んで。正しく使えば怖くないからね。でも難しそうなら、無理せずにおうちの人に頼むか、手伝ってもらってうようにね。市販のものより大きくて、ノズルも長い浣腸なので、慣れるまでは、ちょっと難しいかもしれない。処方箋を出すので、薬局で受け取ってください。今日は飲み薬はなしで、浣腸だけ出しておきますね」


「はい…。ありがとうございました…」

 お礼を言って立ち上がったものの、不安そうな優香に、

「お大事に。3日使っても調子が悪かったり、お腹の張りが取れないようなら、また診せに来てください。浣腸してもうまく出なかったり、具合が悪くなったら、明日は日曜で休診なので、月曜でも来てくださいね」

と医師は優しく微笑んで見送った。


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