合宿へ(3) 長い我慢(中学2年生4月)
浣腸の描写があります。
再び優香のお尻を覆うようにタオルをかけると、友井医師は浣腸の準備を進めた。
その間、優香は直腸診を受けたままの姿勢で、処置を待つことになった。
いつもは、お腹が痛かったり便秘で苦しかったりと切羽詰まっていたので、恥ずかしさも少しは紛れていたけれど、今日は身体のしんどさがない分、お尻を突き出した無防備で惨めな体勢と、これから受ける浣腸の恥ずかしさを、一層強く意識することになった。
そんな優香の様子を察し、緊張を和らげようとしたのか、友井医師が言った。
「明日から、クラブ活動の合宿?」
「はい…」
硬い声が優香の緊張を伝えていた。
「部活は何をしているの?」
「吹奏楽です」
「吹奏楽か。楽器は?」
「フルートです」
「そう。フルートは好き?」
「はい。まだ下手だけど、2年生は上手な人は長いソロのパートももらえるので、毎日練習頑張ってるんです」
フルートの話になり、優香は少し饒舌になった。
そんな優香の様子に、友井医師は微笑んで、
「そう。頑張って練習したくなることがあるのはいいね。でも頑張りすぎて、身体の負担にならないようにね。さあ、準備ができた」
再びお尻のタオルがめくられて外気に晒され、優香は現実に引き戻された。
「ちょっと冷たくなるよ。口から息を吐いて、力を抜いていてね」
お尻の穴に潤滑剤が塗られ、浣腸器のチューブの先端が押し当てられて、長いチューブが肛門の奥へと挿入されていく。
「はい、チューブが入りました…。では、グリセリン液を入れていくので、もう一度口を開けて息を吐いて」
同じようなセリフを、もう何度聞いただろう。
指示に従って口を大きく開いて息を吐くと、お尻が緩むのがわかる。そこに生暖かい浣腸液が注入され、ゆっくりと直腸を満たしていく。
「後半分……もう少し……。はい、全部入ったよ。チューブを抜くので、お尻を締めて」
シュポンというチューブが抜ける感覚の後で、指示通りに窄めた肛門を拭われ、分厚く重ねたトイレットペーパーがあてがわれる。
そのあとは、自分でペーパーの上からお尻を押さえ、その上からタオルをかけてもらうのだった。
「奥の方まで詰まってしまっているから、ちょっとしんどいけど、いつもよりしっかり我慢しようね」
いつもなら、3分程度の我慢、実際には2分くらいたったころに、脱いでいた下着と服を着て、トイレに向かうことを許されるのだが、今日は3分たってもまだ声がかからない。
強くなる便意と腹痛に耐えかねて、優香は診察台の前に置かれた時計の針をにらみながら、友井医師に言った。
「まだ…ですか? もうそろそろ…」
「詰まって固くなった便に効くように、今日はもう少し我慢しよう」
友井医師は診察台の優香に寄り添うように屈むと、優香の手の上に自分の手を重ねて肛門を圧迫するのを手伝い、
もう一方の手で優しく優香のお腹をさすった。