新しい薬(1)(中学3年生8月)
坐薬の描写があります。
何日もの間、ひっきりなしに下し続け、オムツでの療養を余儀なくされた、悪夢のような壮絶な下痢。
そこから少しずつ回復し、ようやく下痢が止まったかと思われた矢先の、薬の作用から来る重度の便秘。
便秘治療のための坐薬処置、さらに大容量の浣腸による強制排泄を経て、優香は2週間にわたる入院を終え、ようやく退院が許可された。
退院にあたり、整腸剤と、便の水分量を増やすための内服薬、それでも排便できない場合に使う便秘用の坐薬と浣腸が処方され、優香は真斗と一緒に医師からの説明を受けた。
小さくコロコロの便秘便から、完全に形のない液便まで、7段階の便のイラストが描かれた紙を見せながら、医師は説明した。
「これからは、この真ん中の、ちょうど良い硬さの便から、もう少し柔らかめの軟便、泥状便くらいの緩めの便を目指して、内服薬を調整していきます。
丸一日便が出なかったり、出ても硬くて排便時に痛むようなら、薬の量を増やしてください。
トイレまで我慢できないほど緩くなったり、激しい下痢をするようなら、薬を減らします。
最初は1日2包から始めて、毎日、便の状態を見ながら、調整してください。
内服薬の効果が出るまで数日かかかることがあるので、便が出ない場合は、坐薬と浣腸を補助的に使います。
2日排便がなければ、まず坐薬を使って様子を見て、それでも十分に出ない場合は、浣腸してください」
生々しい便のイラストを指さしながら指示されるのが恥ずかしく、イラストから目を背け、俯きながら頷くのがやっとの優香に、
「1週間分の標準量を処方します。
今後は紹介状を持参して地域のかかりつけ医を受診して、処方を相談してください」
と、医師は告げて、新しい薬の服薬説明はあっさりと終わった。
退院から2日間、医師から受けた説明通りに内服薬を飲んだ優香だったが、便意が訪れることは一度もないまま、坐薬使用のタイムリミットを迎えた。
入院中の治療の後遺症で、腸の動きが弱くなっているせいか、下腹はずんと重く、ガスで張り、2日よりももっと長い間便秘をしているような辛さになっていた。常に鈍い腹痛と膨満感があり、無意識に何度も下腹をさするので、便秘は隠しようもない。
そのうえ、便秘のせいなのか、体力が落ちているせいなのか、夕方には微熱も出て、優香は夕食もあまり食べられずにベッドに入った。
膨満感のせいで苦しく、横になっても眠れないでいると、夕食の片付けを終えた真斗が、坐薬の用意を持って訪れた。
「これ以上、便秘が酷くならないうちに、坐薬を使おう」
そう言って布団を捲られると、優香は素直に、自ら身体を横向きにして、パジャマのズボンとショーツを膝まで下ろして、お尻を出した。
そして、何度経験しても慣れることのない恥ずかしさを堪えて、膝を曲げて身体を丸め、軽く腰を反らせるようにして、むき出しのお尻を、後方へとぐっと突き出した。
微熱からくるだるさと下腹の鈍痛はあるものの、高熱で意識が朦朧としているわけでも、強い吐き気や腹痛を堪えるのに必死というわけでもなく、頭は冷静なせいで、優香はいつも以上に、自分の体勢に恥ずかしさを感じて、ぎゅっと目を閉じて身体を固くした。
「口を開けて、口から息を吐いて。
力を抜いて、お尻を緩めて、楽にして」
真斗はそう声をかけると、優香の柔らかな尻肉を持ち上げて割り開いた。
露わになった肛門に炎症がないことを確認し、お尻拭きのシートで丁寧に拭って、トントンと優しく押さえるようにして湿らせてから、ワセリンをゆっくりと伸ばした。
「坐薬を挿れるよ」
ロケット型の坐薬の先端を、肛門の窄みにピタリと押し当てると、優香の身体がビクンと震えた。
「お尻を緩めて。口で息をして。ハーハー」
声をかけて、もう一度口呼吸を促し、優香が小さく開いた口から息を吐き出すのに合わせて、坐薬をぐっと押し込む。
しかし、優香の肛門は固く閉じ、坐薬の先端さえも受け入れることなく、押し返した。
真斗が坐薬を持つのと反対の手、左手の人差し指と親指を使って優香の肛門を広げ、坐薬を滑り込ませようとすると、
「ヒッ…! うぅっ……」
優香は息を飲み、さっきより大きく身体を震わせて、うめき声を漏らした。
「痛い?
少し、お尻をほぐすから、力を抜いて。
もっと口を大きく開けていた方が楽だよ。ハーハー…ハーハー……」
口呼吸を促しながら、クリニックで摘便をする前に友井医師がしていたように、真斗は優香の肛門の周りを、指の腹でぐるぐるとマッサージした。
「うっ…うぅ……」
「気持ち悪い? 少しだけ我慢して」
数分間、十分にマッサージして、肛門周りが少しほぐれてきたところで、
「お尻の力を抜いていてね」
もう一度声をかけ、坐薬の先端を肛門に押し当てたが、
「うっ…!」
やはり優香の肛門は硬く窄まったまま、全く坐薬を受け付けることなく跳ね返してしまう。
苦悶の表情を浮かべてうめき声を上げる優香に、真斗は言った。
「痛い? 肛門が狭く、開きにくくなってしまっているのかもしれない…。
このままだと入らないから、体勢を変えようか。下は脱いでしまって、一度ベッドに起き上がって、しゃがめる?」
優香は素直に、腿におろしていたズボンとショーツを足首から抜き取り、下半身が丸裸の状態になると、和式トイレにまたがるようなポーズで、ベッドの上にしゃがんだ。
「もう少し、脚を開いて、お尻を持ち上げられる?」
優香は恥ずかしさを堪えて、指示に従おうとしたが、
「あっ…!」
マットレスの柔らかな弾力と、熱によるふらつきで、よろめいて前のめりになって手をついた。
ちょうど真斗にお尻を向けるようにして、四つん這いの体勢になった優香に、
「安定するから、そのままの体勢で挿れようか」
真斗はそう言って、突き出された優香の尻を左右に割り開いた。
「うっ…!」
苦痛の声を漏らす優香に
「ごめんね……。
すぐ済ませるから。口を大きく開けてお尻を緩めて、口で息をして…ハーハー…ハーハー……」
声をかけながら、この体勢になってようやく少し開いた肛門に、再び坐薬の先端をピタリと押し当て、そのまま力を込める。
「ハーハーハー……んー…、うぅぅ…! 痛いよぉ……」
四つん這いの姿でお尻を晒し、坐薬挿入される恥ずかしさと惨めさ、ピリピリと引き裂かれるような肛門の痛みで、優香の頬には涙が伝っていった。
「ハーハー……うぅ……ハーハーハー……」
それでも健気に口呼吸を続ける優香の吐く息に合わせて、一息ごとに、少しずつ坐薬を肛門の奥へと進める。
数分かけて、ようやく坐薬を全部受け入れた肛門に、坐薬を押さえていた指先を第一関節まで挿し入れて、そのまま1分ほど我慢させる。
「優香。坐薬が飛び出してしまわないように押さえるから、もう少しだけ我慢だよ…」
「んーー……ハーハー……ハーハー……」
坐薬が戻らないのを確認しながら、ゆっくりと指を抜き、そっと肛門を拭って、新しいティッシュでぎゅっと押さえる。
「お尻を一度、踵に下ろして。そのまま、ゆっくり膝を伸ばして、うつ伏せになって」
しっかりと肛門を押さえる真斗の指先を感じながら、優香は指示されるままに、ゆっくりと体勢を変えた。
下半身裸のまま、脚を開いたうつ伏せの体勢になり、自分の恥ずかしく無防備な体勢を意識しながら、優香が曲げていた脚を伸ばすと、硬い坐薬が直腸の奥へと吸い込まれていくのがわかった。
「うっ…うぅ」
肛門から直腸にかけて感じる、じんわりと熱い痛みに、優香はまた、うめき声を漏らした。