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便秘治療(17)(中学3年生5月)

病院での浣腸、排泄の描写があります。

 微温湯と聞いて、優香は大量の微温湯を浣腸されて過呼吸の発作を起こし、ポータブル便器で排泄する羽目になった高圧浣腸の経験が蘇り、恐怖で身体を強張らせた。


「この前のようにたくさんは入れないから大丈夫だよ。いつもの浣腸と変わらないくらい。お尻のうがいのようなもので、お腹もお尻もスッキリするからね」


 なだめるように優しく言われ、優香のお尻の下には、防水シートと四角い板状のオムツが敷かれていった。


「浣腸する間、下は脱いでおきましょうね」

 看護師さんの声がして、膝まで下ろされていたオムツが、カサカサと乾いた音を立てて足首から抜き取られた。


「お尻から微温湯を入れて浣腸します。お尻にゼリーを塗っていきますね」

 お尻が割開かれ、むき出しになったお尻の穴が、ヌルリとした感触で、外側からこじ開けられる。

「お尻に浣腸のチューブが入ります、動かないで楽にしていてください」

 いつもの浣腸器のノズルとは違う、グニャリとした感触がお尻の中に入っていった。


「お湯を入れていきます。お尻の力を抜いて、お口で息を吐きながら、お腹を楽にしてください」

 そこからは、いつもの浣腸とあまり変わらない感触で、温かい液体がゆっくりと直腸に注入されていった。


 グリセリン浣腸は、浣腸液を入れられるとお尻や直腸が熱くなって、すぐにお腹がギュルギュルとするけれど、今日のお湯の浣腸は穏やかで、急にお腹が痛くなることもなかった。


「お湯が全部入ったのでチューブを抜きますね。軽くお尻を締めてください」

 看護師さんの指示に従うと、入れられた時と同じようなグニャリとした、くすぐったいような感触で、お尻からチューブがスルスルと抜かれていった。


 グリセリンと比べると刺激は少なかったものの、元々お腹を壊して下痢をしているので、チューブが抜かれるとすぐに、優香は強い便意をもよおした。

「お腹痛い……トイレ…行きたいです…」

 苦痛で顔を歪めながら、お尻を拭いてくれている看護師さんに訴える。


 必死で訴えながらも、優香は頭のどこかで、いつものように数分間我慢してからトイレに行くように言われて、お尻の穴をきつく圧迫されることを覚悟していた。しかし、看護師さんの言葉は、予想とは違うものだった。


「身体を仰向けにしますね。膝を立てて、少しお尻を浮かせられる?」

 看護師さんに抱えられて身体の向きが変えられ、腰の下に手を入れて助けてもらいながら浮かせたお尻の下に、あらかじめ準備されていた差し込み便器が、ピタリとあてがわれた。飛び散るのを防ぐために、股間には重ねたトイレットペーパーが垂らされる。


「さあ、もういいですよ。お尻に差し込み便器を当てたので、全部しっかり出しましょう」

 優香のお腹から膝の辺りまでを覆うように、タオルをかけながら、看護師さんは言った。


「ここで……? そんなの…そんなのいやー……」

 優香は、ほとんど声にならないような悲鳴を漏らしながら、必死で肛門を閉じて堪えようとした。

 しかし、強くなる一方の腹痛と、肛門に押し寄せる便意に、抗い続けることは出来ず、すぐに限界を迎えた優香は、ブルッと身体を震わせた後、看護師さんと友井医師、真斗が見守る中、お尻にあてがわれた差し込み便器の上で、便意に屈した。


 ぶしゅーーー。グチュちゅちゅーーーー。


 肛門からは、浣腸されたお湯なのか、水のように緩い便なのか、自分でも区別のつかない熱いものが溢れ出して、激しい雨だれのように、差し込み便器を打ちつけていった。


 ほとんど息むこともなく、肛門から大量の水分が噴き出すのに身を任せていた優香だったが、噴出が落ち着くと、直腸内にずしりとした残便感のようなものを感じて、少し息んだ。


「う…うーーん」

 それほど力を入れたわけではなかったが、

 ボチャン…ボチャン……ポトポト…ポトン……ブシューーーーーーーー!


 コロコロとした小さな便塊が、いくつか連続して差し込み便器に落ちていったかと思うと、最後には派手な音を立て、大量のガスと、ビチャビチャとした下痢のような水便も噴き出した。


 水っぽいガスの音が長く響いた後、ようやく静かになると、優香の様子を見守っていた看護師さんが、

「佐伯さん、お腹は落ち着きましたか?」

と声をかけた。


 優香が恥ずかしげに目を伏せて、小声で「はい…」と答えると、

「便を確認しますね」

 看護師さんはタオルをめくり上げ、開いた脚の間に差し込み便器をあてがわれた、優香の股間が丸出しになった。

 看護師さんは、優香の股間から排泄で湿ったトイレットペーパーを取り上げて、ゴミ袋に入れて処分すると、今度は水っぽい便でいっぱいになった差し込み便器をお尻から外して、中身を確認した後、友井医師にも中身が見えるように持ち上げた。


「先生、もう一度浣腸しますか?」


 もう一度、浣腸…?

 思いもよらない言葉に、優香は傍目にもわかるほど、身体をビクンと大きく震わせて身構えた。


 友井医師は差し込み便器を覗き、便の状態をじっくりと確認した。そして、診察台に横たわっている優香に近づき、めくられていたタオルを股間から脚を覆うようにかけ直すと、

「少しお腹に触るよ」

 と声をかけて、タオルの上から優香の下腹を軽く押すようにして、お腹の状態を確認した。

「ガスも取れて張りがなくなったね。少し楽になった?」

「はい…」

 優香が恥ずかしげに答えると、友井医師は頷いて言った。

「では、今日はこれでいいでしょう。肛門が少し鬱血しているので、消毒して軟膏だけ入れてもらおうね」


 追加の浣腸を免れ、ホッとした優香に、看護師さんが、

「ではお尻を拭きますね」

と声をかけ、手にしていた差し込み便器をワゴンの下段に置いて蓋をした。


 優香がふとワゴンの方に視線を向けると、ワゴンの上段に、浣腸に使った物品がずらりと並んで載せられているのが目に入った。

 トイレットペーパーや潤滑ゼリー、ビーカーのようなものと並んで、プラスチックの大きな注射器のようなものが置かれているのが見える。そして、その注射器は、普通なら針がある場所に、ゴムのようなぐにゃりとしたチューブがはめられていた。


 さっき、あの大きな注射器みたいなので浣腸されたんだ。

 あのチューブみたいなのをお尻の中に入れられて…。


 そう気付くと、改めて恥ずかしさがこみ上げる。

 呆然とワゴンの上の浣腸器を見つめる優香に、

「体勢を変えますね」

 看護師さんは言って、再び優香の身体を横向きに変えると、タオルをめくって、手際よく排泄の汚れを拭っていった。


 お尻が左右に大きく割り開かれ、汚れた肛門をむき出しにされて、ひだに沿って丁寧に拭われていく。

 そのひんやりとした感触は優香に、自分が皆の注視の中で浣腸され、汚い音を立てて排泄する姿や、排泄物までも人目に晒して、そのうえ今こうして、汚れたお尻の穴を人前で拭われているのだ、と改めて実感させた。

 優香は、なすすべもなく看護師さんに身を任せながら、堪えようのない恥ずかしさに頬を染め、目を伏せた。


 不意に、優香の脳裏にある光景が蘇った。

 それは、自分が体験したことではなく、以前に莉緒が見せてくれた写真だった。


 倉庫のような薄暗い場所で、下半身だけ裸になり、肛門診を受けた時のような、四つん這いからお尻を高く上げた恥ずかしいポーズで、手首と足首を縄で縛られた女性の姿。

 むき出しの下半身を強調するように当てられた、強いライトの中央に照らし出されていたのは、女性の大きなお尻と、そこに突き立てられた大きな注射器だった。

 大きくグロテスクな注射器と、苦痛に歪みながらも、どこか恍惚として見えた女性の表情。


 強い嫌悪感で一瞬で目を逸らしたはずなのに、その光景ははっきりと、優香の脳裏に蘇った。


 注射器で浣腸されたんだ…! あの女の人みたいに…。

 ポーズもシチュエーションも全く違ってはいたが、優香はそのことに気づくと、強いショックで身体を震わせ、閉じていた目を見開いた。


「寒いの…?」

 様子がおかしいことに気づいた真斗が、優香の枕元にかがみこみ、顔を覗き込んで背中をさすった。

 優香は呆然としながら、ただ首を横に振った。


「染みてないですか? もうすぐ終わりますからね、お尻を消毒するので、少しだけ冷たくなりますよ」

という看護師さんの声かけの後、スプレーで肛門に消毒液を噴霧され、再びお尻が丁寧に拭われていった。


「はい、きれいになりました。最後に軟膏を塗って、中にも注入しますね」

 看護師さんの声に頷きながら、優香は必死で脳裏の光景を追い払おうとした。




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