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便秘治療(7)(中学3年生5月)

坐薬挿入と浣腸の描写があります。

 ようやく坐薬が体内にとどまり、肛門に深く挿し入れられていた指が抜かれて、お尻をそっと拭ってもらった後も、優香はしばらく、ショーツとズボンを上げることさえせずに、そのままの姿勢で呆然としていた。


「手を洗うから、少しだけ待って」


 トイレには、真斗が丹念に指先を洗う水音が響いていた。


 水音が止むと、丸出しのお尻もそのままで、便器にもたれるようにうずくまっていた優香は、ショーツとズボンをあげてもらい、一旦壁に優香の身体を預けて、便器の吐瀉物を流す真斗の様子を、ただぼんやりと見ていた。

 やがて優香は、トイレの片付けを終えて、もう一度手を洗った真斗に抱きかかえられてベッドに運ばれた。


 真斗は、枕で身体を支えるようにベッドに腰掛けさせ、水の入ったコップと洗面器を持ってくると、

「口をすすいで」

 優香の顎の下に添えるように洗面器をあてて、コップを手渡した。


 コップを受け取ろうとした時、真斗の指先に触れて、優香はその冷たさに驚いた。

 そして、さっきトイレの中で呆然と聞いていた、長く響いていた手を洗う水の音が蘇った。


 お尻の穴に指を入れたり、吐いたものを片付けたり、汚いことをたくさんさせたせいで、何度も丁寧に手を洗って、お風呂上がりなのに、こんなに手が冷たくなってしまったんだ…。

 今まで恥ずかしさと気持ちの悪さ、体調の悪さで頭がいっぱいで、思い至っていなかったことに気がついた途端、優香の胸は申し訳ない気持ちで押し潰されそうになった。


「…ごめんなさい」

 口をすすぎ終えた優香が震えるような声で言うと、

「謝らなくていい。でも無理をしたら駄目だよ。体調が悪いのに頑張りすぎたり、上手く使えない薬を一人で使おうとしたり…」

 洗面器を床に置いて、優香の濡れた口元と、頬に伝っていた涙の跡をティッシュで拭いながら、真斗は言った。

「片付けて来るから、今日はもう寝なさい」



 翌朝。

 坐薬が効いて夜間は吐き気が治まっていた優香だったが、朝になって起き上がると、昨日の朝と同じ、胸がつかえて水も喉を通らない状態に逆戻りしていた。


 それでもずっと寝ているわけにもいかないので、ベッドから出て部屋着に着替え、ダイニングに入ると真斗はもう起きてコーヒーを飲んでいた。


「おはよう。よく眠れた?」

「おはよう。うん……でも起きたら、またちょっと気持ち悪くなってきて……」

「少し顔色も悪いね…。坐薬を入れようか。準備するから、ソファーに横になっていて」


 リビングのソファーで坐薬を入れてもらうことになった優香は、部屋着のスカートを捲り上げ、ショーツを少し下げてお尻を出すと、ソファーの上に横たわった。

 浣腸をする時のように、横向きに寝て膝を曲げ、身体を丸めてお尻を後ろに突き出す。


 大きな容器から長いノズルが伸びる浣腸は無理でも、坐薬ぐらいは自分でできると思ったのに、それも上手くできなくて、休日の朝から、明るいリビングで、丸出しのお尻を突き出している。

 恥ずかしい格好を強いられることだけでなく、自分のことを自分でできないことが、情けなくて、惨めでたまらなくなる。


「坐薬を入れるからね。口を開けて、口から息を吐いて」


 吐き気を堪えて、開いた口からゆっくりと息を吐くと、お尻の割れ目が左右に開かれ、むき出しになった肛門にべっとりとしたワセリンが塗られて、坐薬の先端が押しあてられる。

 坐薬の硬く冷たい感触に、優香は思わず身体を強張らせて、うめき声を漏らした。


「うっ…」

「お尻の力を抜いて。力を入れてると痛いよ。身体を楽にして、ゆっくり息を吐いて」

 ゆっくりと息を吐くのに合わせて、坐薬を持つ手にぐっと力が込められ、優香の肛門には坐薬と、真斗の指先が挿し入れられていった。


 また、お尻の穴に指を入れるようなことまでさせてしまった…。


 肛門の不快感と惨めさ、恥ずかしさだけでなく、申し訳ない気持ちが込み上げて辛くなり、優香は目を閉じた。


 今まで、2回だけ経験した摘便を除くと、お尻をさらして直腸に大量の薬を注入され、直後に激しい排泄と腹痛が待ち受ける浣腸が、何よりも恥ずかしくて嫌な治療だと思っていたけれど、浣腸ですら肛門にはノズルを挿すだけで、深々と指を入れられることはない。今まで何度も坐薬を挿してもらっていたけれど、高熱で朦朧としていたせいで、薬だけでなく、指を肛門の奥まで挿し入れられていることは、それほど意識していなかったのだった。


「そろそろいいかな…」

 独り言のように真斗が言って、肛門からスポンと指が抜かれる。


と、同時に肛門に違和感を感じ、

「あ…!」

と二人は同時に声をあげた。


 入れたばかりの坐薬が戻ってきて、肛門から半分ほど飛び出してしまっていた。


「ごめん、もう一度入れ直すね。……お腹から息を吐いて楽にして」


 さっきよりも奥の方まで真斗の指が入れられるのを感じながら、優香はぎゅっと目をつぶって、声を漏らすのを堪えていた。

 3分間。優香にとっては、その何倍にも感じられる時間がすぎ、再びゆっくりと指が抜かれると、今度は無事に坐薬が肛門内におさまったようだった。


 モゾモゾと動いてショーツと服を整えた優香に、

「また出てしまわないように、30分ほどそのままで、動いたら駄目だよ。坐薬が効いてきたら、少しずつ飲んで」

 手洗いを終えてソファーの側に戻った真斗が、テーブルにスポーツドリンクを置きながら言った。


 1時間ほど経つと、優香の吐き気は治まり、ちびちびとスポーツドリンクを飲んで、少し食欲も出てきたようだった。


「今日、もう少ししたら出かけるんだけど、しばらく一人で大丈夫そう?」

「うん」

「うどんでも用意しておこうか?」

「ううん…もう少しお腹が空いたら、自分で作って食べるから大丈夫」

「そう。夕方になる前に帰るつもりだけど、具合が悪くなりそうならすぐに連絡して」

「うん、もう大丈夫だよ」

 坐薬が効いて、すっかり吐き気が治まった優香は答えた。



 夕方。

 お昼にうどんを食べても、吐き気に襲われることもなく、テスト勉強に集中していた優香だったが、帰宅した真斗に諭され、夕食の前にも坐薬を使うことになった。


「すぐには効かないから、吐き気が強くなる前に坐薬をしておいた方が、しんどくないからね。今なら夜の浣腸まで時間を空けられるから、浣腸で坐薬が出てしまうこともないから」


 どんなに嫌でも、しばらくは坐薬と浣腸を避けることはできそうにない…。


 そう悟った優香は、素直に従って、朝と同じようにソファーに横たわり、坐薬を入れてもらった。

 以前坐薬を使った時のように、ひどい下痢に襲われないのは救いではあったけれど、夕食を食べても腸が動いて自然な便意が起こることもなく、排便は浣腸に頼るしかなかった。


 坐薬を入れてからできるだけ時間を置くため、今日は寝る前に浣腸をすることになった。


 優香はパジャマのズボンとショーツを脱いで、廊下に敷いたタオルに横たわり、身体を丸めて、お尻を後ろに突き出した。今日は坐薬を2度入れてもらっているので、もうこの恥ずかしく惨めなポーズもすでに3回目だった。


 坐薬のときと同じように、お尻が割れ目からぐっと開かれ、決して人目にはさらしたくない肛門までが露わになって、ワセリンを塗ってほぐされ、今度は浣腸器のノズルの先端で押し広げられる。


 ノズルを通して、直腸へと注入される浣腸液は温かく、体勢の恥ずかしさと、この後で起こる強制的な排泄のことを別にすれば、慣れてしまえばそれほど不快な感触でははい。でも、それも注入される量が少ない最初のうちだけのことで、浣腸液で満たされたお腹はだんだん苦しくなり、ひどい下痢の時のようにギュルギュルと暴れ出して、腹痛と便意をこらえること以外は何も考えられなくなる。


 額に冷や汗を浮かべ、真斗に背中をさすってもらいながら、浣腸液の効果が十分に出るまでの数分間、気が遠くなるような時間を過ごした後、ようやくトイレに駆け込んで便器に腰掛けた優香は、必死ですぼめていた肛門を解放し、激しい排泄に身を委ねた。


 下腹は絞られるように痛み、肛門は奥の方まで熱く疼くようだった。


 今日はオムツをつけて寝ないと駄目かもしれない…。


 前かがみになって痛む下腹をさすり、洪水のような激しい排泄で時折かすれる意識の中、優香は思った。



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