表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サイバーQ  作者: 石渡正佳
サイバーQ2 サイバーポリティクス編
58/66

25 沖縄返還

 西日本国は旧岡山県の一部を除く中国、旧徳島県を除く四国、九州、沖縄及び附属の島嶼を国土とする。首都福岡、北九州、広島を除けば古き良き日本の原風景を最もよく残した国である。歴史時代には日本文化の先端を担ってきた。東京中心の政治・経済・文化が進展するにつれて後進地域となった。文化の多様性においては、いまだに四国の中で群を抜いている。

 国旗は赤字に白丸の白日旗(逆日旗)である。これには日本を逆転するという革命の意思が込められている。

 西日本国(旧邪馬台州)の初代大統領選挙に勝利したのは、四国分離独立の立役者の一人、旧邪馬台州知事の伊根悟ではなく、中国と日本の二重国籍を有する王賢民だった。

 王政権は事実上の中国傀儡政権であり、国益を次々と中国に割譲していった。その最たる政策が沖縄の中国返還だった。元々沖縄は中国領であり、江戸幕府ないし薩摩藩に侵略されて日本領になったというのだ。

 沖縄返還には、四州知事会議で同意した四国分離独立の枠組を変更するものだと、他の三国が猛反発した。とくに新日本国は同盟関係にあるUSWA(西アメリカ合衆国)と強調して返還撤回を認めた。しかし、王大統領はあらゆる反対をものともせず、沖縄返還を強行した。

 USWAは、グアム島を拠点とする第七艦隊の主力海兵隊を沖縄に派遣して、沖縄返還を実力阻止する「かりゆし作戦」を立てた。ところが中国人民解放軍海軍東海艦隊が、西米海兵隊よりも先に沖縄本島に上陸して軍事的拠点を築いてしまった。西米海兵隊は軍事拠点への空爆を準備した。しかし、西日本国による独断的な沖縄返還に対して、東日本国、新日本国、大和国は揃って国際司法裁判所に提訴したのをみて、その判断を待つことにした。

 僅か一週間の審理で、国際司法裁判所は、沖縄はもともと中国領であり、薩摩藩が不法に占領したものと裁定し、旧日本国の領有権確認の訴えを棄却した。西米海兵隊はグアムに撤収した。国際世論を無視してまで沖縄を空爆することはできなかったのだ。

 沖縄返還によって西太平洋の制海権を不動のものにした中国は、台湾政府に対して時限付きの無条件帰順を迫った。

 台湾政府がこれを拒んだため、人民解放軍海軍は台湾海峡を封鎖し、台湾に至るすべての航路にシーレーンを敷いた。これが台湾海峡事変である。

 親台湾のUSWAはグアムに撤収中の海兵隊を台湾に送ることを決定し、西日本国を除く旧日本三国に軍事的支援を求めた。しかし、沖縄返還訴訟で敗訴した三国は足並みが揃わなかった。新日本国は日西米安保条約の有効性を主張して西米支援を表明、東日本国と大和国は中立を宣言した。西日本国は当然のように中国支持を表明した。西米単独ではもはや中国の軍事力に対峙できなかった。

 西米海兵隊との決戦に勝利し、台湾を併合した中国人民解放軍は、沖縄返還だけでは飽き足らず、同盟国である西日本国を防衛するとの口実で奄美大島を沖縄に併合し、さらに南九州に上陸した。

 新日本国は、日西米安保条約に基づき、USWAに軍事的支援を求めた。ところが、旧USA三国間の武力衝突が起こり、日本を支援するどころではなくなった。

 旧USAの紛争はアメリカ統一戦争に発展した。その結果、USWA(西アメリカ合衆国)がUSCA(中央アメリカ合衆国)を統合し、USEA(東アメリカ合衆国)を無視して新アメリカ合衆国(NSA)復活を宣言、ロサンゼルスを首都とし、37星旗を掲げた。EU以外の世界の各国がNSAを承認した。ニューヨークを首都とするUSEAはNSAからの連邦参加の呼びかけに呼応せず、EUに加盟した。

 アメリカの内戦が一応の終息を見る間に、中国人民解放軍は西日本国を縦断して大和国に迫った。非武装中立を宣言していた大和国は新日本国、東日本国に同盟を申し入れ、三国同盟が成立した。日本に再び内戦の危機が迫った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ