王女対談
目の前には立派な馬車が待っていた。
「この馬車にお乗りください。王宮までご案内します。」
中は立派な装飾が多くあった。ヨーロッパ風でいかにも王宮専用馬車という感じだ。
「あなたのお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
名前は言ってもいいが出身は言えない。なんて言ったて異世界だからな。
「はい。ギルっていいます。」
「ギル様ですね。昨日の竜撃退見事でした。感謝します。王女様は恐怖で動けずに部屋にいたので竜を撃退をした時とてもお喜びになっていました。」
「竜撃退部隊の出撃前だったのでどなたが撃退したのか不明だったのです。あっさり見つかってよかったです。さぁもうすぐ王宮です。」
左側に見えて来たには大きな壁。金属の門が外側に向かって開いていた。
敷地内は日本にもありそうな花や木が生えていた。やはり王宮はこうでなきゃなと思っておると馬車が止まった。
「お待ちしておりました。さぁサクレシオン王宮内へご案内します。王女様もお待ちですよ。」
王宮内への道も豪華であった。数十人のメイドが出迎えてくれた。こういうのもいいよな〜
目の前に白いドレスを着た女性が立っていた。
「ようこそサクレシオン王宮へ。私は次期女王『スティア』です。あなたの名前をお聞きしてもいいですか?」
見た目も美しく、声も美しい。天は二物を与えずというのは嘘なのかもしれない。
「ギルです...」
敬語が使えないってなんとも情けない...やはり来るべきではなかったのか...
「ギル様ですね。ではこちらのお部屋へお入りください。」
するとスティアと名乗る美女が右手を上げ部屋まで案内してくれた。メイドは慌てて案内をしようとしているのがよくわかる。
「失礼します」
部屋には花瓶や油絵などが飾ってあり、奥にはベットが置いてあった。おそらくここが王女の部屋なのだろう。しかしなぜ一般人を自室に招待したのか不明だ。
「やっと2人きりですね!」
あの丁寧で真面目そうな人がこんなにも笑顔で話して来るとは...表裏が激しい人なのだろう。
「そ...そうですね...えっと...お話しとは...何を...」
緊張と不安で頭がいっぱいになりうまく喋れない。敬語を使うべきなのか、尊敬語を使うべきなのか、そもそもしゃべっていいのかわからない。
「あぁ!!そうでしたね!!ギル様はなぜあのような魔術を使えるのですか?」
なぜ...かそれは俺にもわからない質問だ。
「自分でもよくわからないんですよ...」
答えになっていない。でもこれしかわからない。
「魔術ってむずかしいんですね」
続けて彼女は笑顔で言った
「でも魔術を竜撃退に使った方は見たことありません!怖くはなかったのですか?」
怖くはなかった。しかしなぜその疑問を?
「怖くはなかったですよ。今住んでいる国が滅ぼされては困りますからね」
彼女は驚き握手を求めてきた。
「あなたみたいな方を待っていました!お父様とお母様の元へ一緒に行きましょ!!」
ん?これは更にやばい自体になったのか?お父様?お母様?王と女王?あぁ〜一般人が急に対談か!!終わったな...
「お父様〜!!お母様〜!!竜を撃退なされた方をお連れしました!!」玉座の前を嬉しそうに走っていった。
「おおそれは本当か!!今いるのか?会ってみたいのぉ連れてこい!!」
扉の中から笑い声が聞こえてきた。丸聞こえだった...更に不安が募った。大丈夫なのだろうかと。
「ギ〜ル様!!行きましょ!!」
ノリノリで言ってくる。行くしかないか...
「この方です!!どうですか?」
王様は笑みを浮かべ大声で笑ってこう言った。
「御主はギルといったな。どうだ?娘に魔法を教えてはくれないだろうか?ただとは言わん。この王宮に一緒に住んで教えてはくれないだろうか?」
古臭い商店街から一気に王宮って...ありなのか?
「でっでも俺はただどうやって魔法を使うかなんてわかりませんよ!そんな俺に教えろって言われても...」
王はまた笑い
「それなら我が娘の護衛についてはどうだ?護衛魔術師はいないのだ。どうだ?いいだろう?」
王が立ち肩に手をかけささやいた。
「何か不満か?我が娘の護衛を任すのだぞ。しかも1日中ずっとだ。男なら引き受けてはどうだ?寝顔なんてそう見れないぞ」
この人はなんつう事を言うのか...まぁ『護衛魔術師』っていい響きだし受け持ってみるか。
「わかりました。俺王女様の護衛やります。しかし訓練も必要ですけどどうすればいいのでしょうか」
王と女王は喜びを隠せないにだろう。笑顔で
「訓練は王宮内ならどこでも構わない。近くに御主が竜を撃退した丘がある。そこで練習しても良いぞ」
あの丘の近くにこの王宮があったことに驚きだ。
「じゃあ早速この書にサインをしてもらいたい。よろしいな?」
紙質も立派だ!クリーム色の紙こそ書類って感じだ!
「よっとこれでいいですか?」
「うぬ。これで良い。皆の者よく聞け。本日から我が娘に護衛魔術師が所属した。くれぐれも失礼のないようによろしくな。護衛魔術師は兵士ではない。良いな。彼は我が娘の次期婿になるものだ。死なすのではないぞ」
ぞっとした。いつ婚約するって言ったっけ?
「嘘だろ!『婿』!?俺まだ17だけど!!!」
「私が王宮へ呼ぶのは処刑か婚約かどちらかしかないのよ」
天国と地獄というわけか...
これからの生活が大変になるな〜