魔術実戦、恐怖
昼飯を取っている時ふと思い出した。『おおぉ!!あいつらもしかしたらこの国を救ってくれるかもしれないぞ!!』一体この国に何が起きているのか...
そう思いながら節約代わりに魔法を使って水を注いだ。
なんだか急に外が騒がしくなってきた。『おいそこの坊主何のんびり飯食ってんだ!!早く逃げろ!!殺されるぞ!!』
ん?なんだ?『殺される』?誰に?そんな疑問が次々と出てくる。外に出て空を見上げるとそこにはどデカイ竜が飛んでいた。
「なんだあの竜。この世界は人だけじゃないのかよ!!どうやって対抗するんだ?逃げたくはねぇ」
そうだ!あれを使おう!あれなら奴らも耐えられない!あの野原に行こう!!
「ーーはぁはぁ...やっとだ...ここであの魔法をぶっ放せば...奴らも消える...さぁやろうかいきなり街壊されても困るしな」
右手を開き竜のいる方へ向け左手で右手首を支えた。
「さぁ今解き放て!現段階で強烈魔術!あの世界の恨みをここで吹っ飛ばす!!ヘイトレッドオブカオティックパブリック!!」
突如後ろから強風が舞起こり右手から黒い渦が出現した。周囲も徐々に暗くなり雷鳴が轟いた。渦は更に大きくなり竜達はその渦へと吸い込まれていった。竜には人らしきものが乗っており戦闘機代わりに使っているのだと推測した。怪しまれないように即座に帰宅し俺は仮眠をとった。
『ーーあそこで魔術を使っているのは誰?私彼とお話ししたいわ』
目を開けたら朝日が眩しかった。朝になっていたのだ。今日も魔法練習に行こうと思った。その時扉のノック音が聞こえた。
「おいっギル!!起きてるか?部屋に入れてくれ!!」
快適な朝だというのになんだ?
「そんなに慌ててどうした?まぁいい入れよ」
外は暑くないのにユークは汗をかいていた。走ってきたのだろう。
「朝からどうした?万引き見つかったのか?それともなんだ?あれか?『魔法できたぜ』の報告か?」
「そんなんじゃない!!ギルお前何した?王宮の奴らがお前を探しているぞ!!何をしでかした?」
あっこれやばいやつだな。きっと昨日の魔法だろう。撃退しちゃダメなやつか...これはお縄確定。あの世行きか...
「昨日竜きたろ?あれ自己判断で撃退しちゃったんだわ」
ユークの顔色が徐々に青ざめていったことに気づいた。
「撃退しちゃまずかったかな...どうしよっ自首しに行ってくるわ」
ユークがハッとした顔で言ってきた。
「魔法で姿を消して居ればいいんじゃね?それならバレずに生活できるぜ!大丈夫ちゃんと食料は買ってくるぜ」
なんと案だ。この作戦いいかもな。そう話しているとまた扉のノックが鳴った。
ユークは更に青ざめて震え出した。姿消すって言っても急には無理だ。諦めて自首しよう。
「はーい。今開けます。少々お待ちください。」
はぁ短かったなここの世界に来てから...公開処刑だけは勘弁...
ガチャ
「突然すいません。昨日竜が襲って来た時何をしていましたか?」
王宮の人だろうか?身だしなみがきっちりとしていた。しかし疑問に思うことがあった。なんでこんな礼儀正しいんだ?俺捕まるんでしょ?もっとこう『貴様!!貴様はこれから牢獄行きだからな』とかいうんじゃないの?
「えーっと...そのー...大変言いにくいんですけど...竜が来た時逃げるのが悔しくて、自己判断で野原に行って魔法を使ってしまいました...あのー...これ処刑ですかね...公開処刑だけは勘弁して欲しいのですが...無理ですよね...はい...」泣きそうな声でボソボソと答えたら王宮の付添人が顔を見合わせ少し笑みを浮かべ
「いえ処刑なんてそんなことはしません。王女様があなたとお会いしたいと申し上げております。一緒に王宮まで来てくれますか?」
処刑じゃないのか...ほっとした。しかしまた新たに不安が生まれた。急に王女と対談って...素人には無理だ...しかし断っても申し訳ない。行くか
「いいですよ。行きましょう」
「では1階でお待ちしております。失礼します。」
王宮の付添人は少し早めに歩いて行った。
「やっべ!!!急に王女と対談!!!無理だ!!!結局無礼だとかで処刑だ!!!!!でも行かないと...」
青ざめていたユークは驚き、遠くを見ていた。放っておこう。
緊張しながら1階へ降りていった。
何ヶ月ぶりでしょうか。全くと言っていいほど案が思い浮かばず空白でした。やっと思いついたのでまた乗せました!!
次回はいつになるのか...