3~進路相談・1~
「ああシロ君。すいませんね、ずいぶん待たせてしまって」
「いえ、大丈夫です、司祭様。それよりもお呼び出しになられたご用件の方をお伺いしたいのですが」
「ふむ・・・用件ですか。シロ君なら大体の予想は付いているでしょうがまあいいでしょう。」
司祭様が席を立たれこちらに近づいてくる。
「簡潔に言いますが用件はシロ君の進路についてです」
ああやっぱりな。その話だよな。
わかっている、わかってはいたんだがその話はやはり気が重い。
司祭様が僕の向かいのソファーに座られる。
進路について考えたくないせいか、まったく関係ない方に思考が向いてしまう。
あ~そういえば司祭様は今おいくつなんだろう?
司祭様はおきれいな方だし、見た目はせいぜい三十路を過ぎたくらいにしか見えない。
しかし司祭様は長命種だ。
見た目に反して数百年生きていてもおかしくはない。
実際に僕の記憶の中ではまったく姿が変わってない。
数百年か~。
まだ十数年程度しか生きてない僕には想像もできないな。
「シロ君。なにか少々失礼なことを考えていませんか?
・・・きれいだと思ってくれるのは嬉しいですが、女性の年齢を気にするのは失礼なことだと思いますよ」
・・・なぜばれた!?
「いえ司祭様、そのような事は考えていません!
・・・あのなぜそう思ったのかお聞きしてもよろしいでしょうか?」
クスクスと笑いながら司祭様が答えてくれる。
「そうですね~女の勘、ですかね。
あとそういう失礼なことをおっしゃる方々とシロ君が同じ目をしていらしたからですね。」
・・・僕は今どういう目をしていたんでしょう・・・
「え~と、僕はそのようなことはかんがえてないデスヨ」
「本当ですか~?
・・・ん~まあいいでしょう。シロ君は私に嘘をつくような子ではないですよね~」
そう言ってこちらを見ながら笑っていらっしゃる。
「ん~さてと、もう少しシロ君で遊んでいたいんですがあまり時間もありませんし、話を変えて本題の方に入りましょうか?」
・・・・遊ばれました・・・・