14~さあどうしよう~
さあどうしよう?
あと、約1カ月半。
どうやって危険を回避するか・・・
「ウイル、そのだな・・・1カ月半とは言わない、しばらくの間でいいのでここにおいてくれないか?」
とりあえず、現状でうてる手としてはこれくらいしか思いつかない。
司祭様に泣きつくことも考えたが、あのお忙しい方だ、取り次いでもらえるが怪しい。
面会の申請は出しておくとしても、お会いできるまでの間をしのがなければならない。
周りはほぼ敵。
信用できそうな味方はウイルくらいしか思いつかない。
そう考えると、ウイルの所においてもらう以外に手がない。
ウイルの所においてもらえれば当面はしのげるだろう。
あとは司祭様に頼み込んで、なんとか安全を確保したい。
「ん、ああいいぞ。
元々は4人部屋だし、スペースは余ってるからな、好きに使ってくれ。
しかしいいのか?
てっきり司祭様に相談に行くかと思っていたんだが?」
「ありがとう、助かるよ。
司祭様にはご相談に行くけど、お忙しい方だろう?
面会を申請しても、いつになるかわからないからね。
でも危険は待ってくれないし、もうすぐそこまで来てるかもしれないからさ、とりあえずの身の安全は確保しておきたいんだよ。」
本当にいつどこで何があるか・・・
これからは予測がつかないし、悪意に対し一人で抗う術は僕にはない。
一人で抗えないなら、強者の陰に隠れやり過ごすさ。
なんと言われ、どう思われようとも構わない。
1カ月半生き残れば僕の勝ちだ!僕は必ず中央大陸に行く!
そのためにウイルや司祭様を盾にする。
僕は今日手に入れたこの希望を、どんなことをしても手放したくないんだ。
「そうか。
まあ、確かに会いたいといってそのまま会える人じゃねーしな。
うし、じゃあ当分ここで暮らすとして荷物を取りに行くか?
ちょうど夕食時だし、皆食堂に行ってるだろうから今なら部屋には誰もいないんじゃないか?」
「そうだね、今の間に荷物を取ってきた方がいいかもね。
・・・その、部屋までついて来てくれるかな?」
「ぷ、くく、ああいいぞ。
なんか夜中にトイレについて来てくれっていう子供みたいだな。」
笑わば笑え。
危険を意識しだしたらなりふり構っていられないんだ。
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さて、部屋まで来たんだが部屋の前に意外な人がいた。
「お~シロ君。まっとたよ~。
お~ウイルも一緒かい、これは手間が省けたね~」
司祭様の付き人であるトオ様がいた。
トオ様は司祭様の側近のお一人だ。
僕を待っていたというがなんだろう?
「よう、トオのおっさん。
俺とシロになんか用があるのかい?」
「ああそうなんだ。
ちょいとふたりにね~用があるんだよ~
しかし、二人一緒って事は~シロ君はさっきの話をウイルにしたのかい?」
さっきの話か・・・
「はい、先ほどのお話はウイルに話しました」
「そうかい、なら話は早いね~
うん、ここでの立話はなんだし、そうだね~ウイルの部屋にでも行こうかね~
ウイルはいいかね~?」
「ああ、俺は構わないぞ。
ただ部屋に行く前にシロの荷物を取ってきたいんだがいいかい?」
「ああいいよ~
荷物は持ち出せるものは全部持っておいでよ~」
全部ね・・・
僕の私物なんてたかが知れてる、全部まとめても鞄一つ分程度しかない。
この部屋で僕が使うことができたのは、人数分あるベットや机などではなく、隅にあるクローゼットの中の僅かなスペースだけで、そこに入る分の荷物しか持つことができなかったからな。
寝起きもそこでしていたために荷物を置くスペースなんて本当になかったからな。
たぶん僕はこの孤児院の中で最も私物が少ないだろう。
「はい、では荷物を取ってきます。
申し訳ありませんがトウ様、暫しお待ちください。」
トウ様にそう言いウイルとともに部屋に入り、手早く荷物をまとめ鞄に詰める。
「なあシロ、トウのおっさんは何の用なんだろうな?」
「さあ?わからないけど君も一緒ということは悪い話ではないと思うよ。」
「さあ、僕の荷物はこれで全部だ。
トウ様を待たせてる、戻ろう。」
「・・・ああ。」
ウイルの視線が鞄に行ってる。
まあ、荷物がこれだけというのは普通はないからな。
ウイルが何か言う前にさっさと部屋を出ていく。
「トウ様、お待たせいたしました。
準備ができましたのでウイルの部屋に行きましょう。」
「・・・ああ、そうだね。
荷物はそれだけでいいんだね?」
僕は頷く。
「そうかい・・・
じゃあ行こうかね~」




