13~月夜ばかりではない~
「まあ俺が視た未来視はそんなもんだな。
ところでだシロ、俺たちが他の留学生たちと一緒に中央大陸に旅立つまで約1カ月半あるわけなんだが、それまでどうするのか司祭様は何か言っていたか?」
?
なにか?
えっと・・・何かあったかな?
「え?いや、特にはなにも」
「・・・は?
なにも?
おいおい、マジかよ。
え、じゃあこれから1カ月半どうすんだお前?」
どうするって?
何の話だ?
これから?1カ月半?どうする?
・・・・っんん!?
っえ!?・・・あっ!?・・・そうだ・・・1カ月半もあるんだ・・・
あっあ~、そうゆうことか?
そうか、そうだよな・・・1カ月半もあるんだよな・・・・
「・・・どうするかは・・・何も聞いてないよ・・・
なあ、やっぱ危ないかな?」
「あ~そうだな、俺は危ない方に賭けるかな。
いや、正直確実に危ないっていうか、冗談抜きで命にかかわると思う。」
「やっぱ、そう思うよね・・・
僕もそう思う・・・・」
確実に命にかかわるだろうな・・・
中央大陸に行く、特に神学校に行く。
それは教会が政治経済の中枢に存在する北方大陸においては、エリートコースを約束されたようなものであり、そのためその枠への争いはし烈を極めることになる。
特に神学校は全世界でもトップクラスの総合大学としての側面があり、その卒業生は高級官僚として、また様々な分野での将来を約束されたも同然となる。
そんな枠にどういう形であれ僕が入り込む。
そう、僕が入り込むのだ。
他のちょっと優秀な位な人ならともかく、完全に落ちこぼれとしてみられてる僕が入ればどうなるか?
まともに人として扱われることがない、そんな奴が自分たちより上に行く?
まあ確実に命の危険があるだろうな。
嫉妬もあるだろう。
自分たちより上に行かれるかもということに対する恐れもあるだろう。
自己に対する正当化として怒りを覚える者もでるだろう。
あわよくば入れ替われるかもしれないと考える奴も出るだろう。
なにより確実に枠が一つ空く。
理由はなんであれ僕の命を狙うには十分だろう。
他の者に対してなら、思ったとしても行動まで行かないだろうが、普段から同じ人間としてみていない僕に対してなら、確実になんらかの行動に出る奴らは出てくるだろう。
・・・危険だな。
この話自体は僕の望んでいたことであり、何があっても断るなんて考えれれない。
辞退を強要しようとする。
そんなソフトな行動ですめばいいが、僕に辞退する意思がない事を知ればどうゆう行動に出てくるか。
まあ、想像には難くない。
普段からの僕に対する周囲の扱いを考えれば結論は一つにならざるを得ない。
生命の危機だ。
今すぐになんらかの対策を打たなければ、僕は1カ月半後に生きていないだろう。
月夜ばかりではないか・・・・
もっとも僕の場合は一瞬も油断もできないか・・・・




