銀河鉄道はずっと昔、再会はあの星で。
月が高く上がり星が宝石のように散りばめられた空の下、1人で真っ暗な川のそばを空を見上げながら散歩をしていたら、優しい薫りを纏った少年が流れ星のようにぱっと目の前に現れた。
少年は僕の目を見つめ、一言、鈴が転がるようなキラキラとした声で僕に訪ねてきた。
「あなたはだあれ?」
僕はびっくりしてポカンとしてしまったのだけどジョバンニ、とおどおどしながら答えた。
少年に不思議な懐かしさを感じていたからつい答えてしまった。
少年は「そっかぁ」と照れくさげに囁き僕の目を雪のように白い手で覆い飴玉のようなお菓子なキスをした。
そしたら瞬間頭が割れたような痛みとともに記憶が流れてきた。
ぼくはハッとした。なんで忘れていたのだろうか。
「あなた弱くてずるくて誰からも愛されたカンパネルラだよ」
そうだった、ぼくは昔幼く愚かな友人を助けようとして川で溺れ死んだ弱っちいカンパネルラだ。
少年は微笑んだ。
ああ、君は銀河鉄道に残してきたジョバンニだ
僕が最後まで側にいてほしいと望んだ、大好きなジョバンニ
もう、そんな月日が流れていたのか
僕がカンパネルラであることを忘れるぐらいの長い長い時間
ジョバンニに狂いそうなほど焦がれていた辛くて苦い時間
ジョバンニはどこまでも愚かなぼくをこんな遠い星にまで来て大切な約束を思い出させてくれた。
「待たせてごめんね、ぼくのカンパネルラ」
「今度こそ、2人でどこまでも、本当の幸いを探しに行こうねぇ」




