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一応な関係  作者: aotohana
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次の日


俺の部屋


『颯…』

吐息にまじり、木原は俺の名前を何度も呼ぶ。

こんなん、気強ぇって普段言われてても、俺には…。



けど、突然泣き出す。

なんで泣くんだよ…誘ったのお前だろ。


『ごめん…私やっぱりシンが…』



俺は目を大きく見開く。見慣れた部屋の天井が視界に入ってくる。夢!?…。つか頭痛てぇ。





熱…38.7℃

測んなきゃよかった…。だるさが増し、頭はガンガンと音をたてて叩かれているようだ。



下駄箱んとこ晴紀に声を掛けられた。


「はよ~颯…今日ギリじゃん」


「まぁな…寝坊した」


笑ってみたものの、息が上がる。今日俺こんなんで帰りまでもつのか?

俺の中に「休む」という選択肢はなかった。あいつと別れ話して、次の日に休むとかマジありえねぇし。





『谷口と付き合った方がよくね?』


木原は昨日俺の提案に…


『…分かった。うん…私シンと付き合うよ』


そう言って笑った。




あいつのクラスの前…そのまま通りすぎるはずだったのに…俺の視線はどうしても向く。

後ろ姿だけであいつの表情は見えないけど…隣にはいつものように、谷口がいる。

谷口が俺の視線に気づき目が合う。俺は目線を反らし、自分のクラスへ向かった。




保健室…


具合悪いなら休めばよかったのに。

こじらせちゃダメだって、私言ったのに、颯は私の話いつも聞いてない。


「バカ…」


颯は苦しそうに息をしている。

私は保冷剤をくるんだハンカチを額にあてた。

少しは楽になったのかな…彼の表情が和らぐ。


颯はこんなに近くにいても遠い。

お願いして付き合うことになっても、けっきょくダメだったな…


気づいたら、涙がおちてた。

私…いつからこんなん弱くなっちゃったんだろ。




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