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一応な関係  作者: aotohana
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一応別れ話


「久我くん、私…ずっと好きだったの」


俺の前で、瞳を潤ませ頬を染める女。

確か隣のクラスの奴だったっけ?

話したことすらねぇんだけどな…。


「俺、付き合ってる奴いんだけど」


こいつ木原と一緒のクラスだし、俺らのこと知ってんじゃねぇのか?分かんねぇ。



「でも…木原さんと久我くん…あんま仲良くなさそうだし」


俺…こいつダメだわ。平気でズケズケ言う奴。


「お前に言われたくねぇし、つかお前と付き合うとかないから。」


俺の発言に女は泣き出す。

こんな風に泣くのってどうなんだ?

苛立つ気持ちを抑えその場を乗り切る。


「悪い…言い方キツかっ…」


!?


一瞬何が起こったか分かんなかった。

ふいに制服を思いっきり引っ張られ、俺はバランスを崩す。


「最悪な女」


俺は唇をぬぐう。


「もう諦めるから。これぐらいいいでしょ」





帰り道…。


「ねぇ…あのさ…」


木原が珍しく黙りこんでいたかと思うと、俺の様子を伺うように聞いてくる。


「何?」


「あの…藍沢さんと…キスなんかしてないよね?」


は!?

藍沢って…今日の奴か?信じらんね。

思わずため息がこぼれる。



「なんで知ってんの?あいつが言ったのか?」


あ…ヤバイ。木原の表情がみるみる曇っていく。



「藍沢さんに…『久我くんとキスしちゃってごめんね』って言われて。したの?」


「したっつーか、あんなん事故みてぇなもんだし、意味ねぇよ」


……。








藍沢さんから聞いた時…頭真っ白になった。

嘘だと思ったのに…


私だって、やっとこないだしてもらったばかりなのに。目頭が熱くなる。



『バーカ、俺…好きな奴としかやんねーよ』



前に颯が友達に言ってたセリフ。

嘘つき…だって私のことだって好きじゃないじゃん。私がお願いしたから…あん時だって。



「木原…お前さ」


「谷口と付き合った方がよくね?」



彼の言葉が私の心を突き刺す。

頭また真っ白になった。





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