表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一応な関係  作者: aotohana
17/24

記憶***さくら色のシュシュ

***



「木原…こないだ言ってた映画行けるようになった」


「え?だってバイトは?」


「あぁ、急遽休みになった」



思いがけず…久我とデートすることになってしまった。どうしよ…めちゃくちゃ嬉しい。





付き合って初めてのデート…。

行けないって思ってたから、準備とかしてなくて…


『とーこちゃん、やっぱ可愛いかっこしてった方がいいよ』


もっちゃんは簡単に言うけど…恥ずかしいんだって。スカートとかはいてったらあいつ、引きそうじゃん。



パンツにしよう。…けど…やっぱり?…決められない。




結局…デニムスカート。

これでも頑張った方だと思う…ナオくんの時は足りなかった頑張り。


スカートよりも…私の気持ちを落ち着かなくさせてるのは…髪をゆるくまとめている、さくら色のシュシュ。


『んー、スカート無理なら、アクセとか髪留めとかでも可愛いの1つするだけで違うんだよ』


もっちゃんから、力説されたアドバイス。アクセとか私持ってないし…。迷ったあげく、苦い思い出のこれを身につけることになる。




「いいぜ、代わっても」


西高の奴は快くバイトを代わってくれた。

そりゃそうだよな…俺、結構こいつの代わりに出てっし。


「で、何?お前が代わってとか珍しいじゃん。その日デートとか?おまえ彼女いんだってな、ユナちゃんから聞いたぞ」


ユナ?あぁ…色々誘われるのめんどくさくて、あいつには言ったんだっけ。



「まぁ…そんな感じ」




駅の改札で待ち合わせして…


やっぱり…してくんじゃなかったって後悔した。


久我は驚いた表情で私を見たかと思ったら、笑い出す。普段無愛想であんま笑わないくせに…。


そんなん似合ってないのかな…恥ずかしい。

帰りたくなった。


「久我笑いすぎ。もう…とるし、別にいいよ」


はずそうとしたんだけど、彼はそんな私の手をとめて、はずれそうになったシュシュを結び直す。



「いや、悪りぃ。似合ってっから、そのままでいんじゃね?」


また彼は笑った。

久我はほんとずるい…こんなんで顔が火照って嬉しくなってる私はバカだ。


「もういい…始まるから、早く行こう」




スカート…髪は女っぽいゴムで結んでる。

待ち合わせた彼女の姿に思わず笑ってしまった。


すっげ恥ずかしそうに立ってんのが分かる。

不機嫌な表情…照れ隠し…。


可愛くて…笑えた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ