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PHASE.1

 あれは絶対に、爆弾処理班とかそんな感じの人の顔だ。

 普通の日本人なら、ファミレスに来てたかだか注文を頼む段になって、そんな思い詰めた表情をすることはない。絶対ない。

 間違いないのだ。九王沢(くのうさわ)さんは噂どおり、筋金入りのお嬢様なのだ。ファミレスの卓上スイッチなど、今までの人生で遭遇したことがないに違いない。

 だからさっきから、海外ドラマに出てくる爆発物を扱う処理班みたいな人の目で、それを突っついている。九王沢さんにとってはこれ、未確認卓上物体なのである。うかつに触ると爆発するのである。だからおっかなびっくり、指で縁を触ってはあわてて引っ込めたりとか、してるわけで。ってんなわけない。

 おいおい。

 いっくら帰国子女だって。イギリスの名門大学で飛び級重ねて僕より年下なのに博士課程を二つもとり、近代の日本文学研究のため日本に来たからと言って、こんなに日本の文化について、極端な隔たりがあるわけがない。

 噂は決してデマなんかじゃないのだ。

 この人。本人は頑なに否定するが、今どき絶滅危惧種級の超がつくお嬢様なのだ。きっとお店に行くと必ず他に邪魔の入らないVIPルームに通されて、えらい責任者が挨拶に来た上で一から十まで、給仕が付きっきりで世話を焼いてくれるのが普通、としか思ってないんじゃないか。て言うかそんな店しか行ってない。そう言う文化圏の人なのだ。だからだ。初めて遭遇したファミレスの卓上スイッチに、それほど異様な警戒感を示すのだ。

「あっ注文…いやっ怖い怖い…やっぱりこれ違う?…」

 違うはずがない。一個しかないスイッチに手を伸ばしかけた九王沢さんは、意味不明の心情描写を早口で口走ると、火傷したように手を引っ込めた。

 て言うか今、違う、って言った?

 ここは聞いてみるべきだろうか。さて押すのは赤いボタンか、青いボタンでしょうかとか。言わなくても九王沢さんの指先が迷っている。ボタン一つしかないのに!九王沢さん以外の方はご存知ファミレスで店員を呼ぶ卓上スイッチは、二者択一とかそんなスリリングなサービス機能はついていないし、そもそも押し方を間違えたところで爆発したりはしない。絶対しない。

 仕方ない。僕は意を決して、それを九王沢さんに判らせようとした。

「あの、九王沢さん…自分の注文決まったなら、いいよ、押しても」

 九王沢さんは僕が言った瞬間、ばね仕掛けみたいにのけぞった。

「えっ、ええっ!?わっ、わたしが?自分で?だって…いいんですかっわたしが自分で自由に頼むなんて?そんなことしても!?」

 九王沢さんはそこで、ある意味こっちの期待通りの超反応をみせた。いや、あんたが自分で欲しいもん頼まなきゃ誰が頼むんだ。むしろ何の疑問もないが。

「食べたい物、なさそう?」

 メニューのパンフを見ながら、僕がそう尋ねると、九王沢さんは欧米のアニメのキャラみたいにぶんぶん、水平に首を振った。

「なっ、何を言ってるんですか!ここっ…わたしの食べたい物ばかりです!一度でいいから自分でっ、頼んでみたいものばっかりでっ!ほらこれっ見て下さいっ(メニューのパンフを見せる)、この、季節の野菜をあしらった彩りカレーライスとかっ、とろふわ半熟デミハヤシオムライスとかガーリックローストとイタリアントマトが香る大人のパスタとか…あっ、あと、このスペシャルプリンアラモードも日替わりケーキの盛り合わせも!」

「全部頼む気ですか?」

「はいっ、やはり実物を見なくては、経験になりませんから!大丈夫、費用は、那智(なち)さんの分も含めて、全額わたしが負担します」

「いっ、いや僕もちょっとずつ食べたいから。相談して割り勘にしましょうよ…」

 決然たる九王沢さんに僕は恐る恐る言った。思わず敬語だ。こうなると宇宙人のレベルだ。普段、一体どんなもん食ってどんな生活をしているんだろう。そう思っていると彼女は僕をきっと睨んで言い放った。

「那智さん、今わたしのこと、何にも知らないお嬢様だって思いましたね!?それ、とんでもない誤解ですよ?絶対違いますからね!?」

 いや、あんた救いようのないくらいお嬢様だろ。

 って、普通の後輩の女の子と違って、そうやって遠慮なく突っ込めないのは、九王沢さんがお嬢様なだけじゃなく、超絶かわいいからだ。ちなみに今の強がりも、言うときちょっと涙目で思わず胸キュンしてしまう。やばい。冗談抜きでかわいすぎる。


 九王沢さんは、僕が所属する大学の文芸サークルの一年生だ。さっき述べたトンデモ設定がなければ、ただの後輩の女の子。いやカッコつけないで断言してしまおう。誰もが一度は狙い撃ちする超優良物件だ。

 外形描写に心を砕けば身長、一六八センチ。国際派モデルにはちょっと小さいが、びっくりするほど足が長くて、しかも魅惑のHカップ(なんと左右整った型崩れなしの美乳だ)。むしろ薄らでっかいモデル志望より、一般の需要は激しくあるプロポーションと言っていい。

 今日も寒さ極まるこのシーズンに合わせたのか、高そうなコートは今年流行りの控え目な深いグレー。下は、身体の線が出やすいシックな黒のチュニックを着ていて、これがまた裸眼で直視できないほど神々しい。

 顔も、かわいすぎる。明治期からスコットランドに住み着いた日本人の血を引くクォーターだと言うので、長い睫毛にいこわれた大きな瞳やほどよく高い鼻(白人に多い魔女系の鉤鼻とかとは違うぞ)などその顔立ちにも、僕たちが日常接する女性との隔絶感はあるが、何より際立つのは、乳白色に煙る肌の麗しさだ。これがただ白い、などと言う貧困な語彙では表現できない。

 その芳醇、さらには照明もなしに淡い気配すら放つ光沢のお肌に、ごく自然にカールしたゆるふわの長い黒髪に覆われた、頭蓋を覆う卵型の完璧な稜線(りょうせん)。最大限際立つ組み合わせだ。それは空気との境目にマイナスイオンすら醸し出す、かすかな(もや)すら、発生させそうなほどだ。

 そしてその魅惑の肌を微妙に色づかせている唇の淡い色合いと言ったら、もはや匠の手や現代の科学技術でも絶対、再現出来そうにない。何度見ても奇蹟。自分と同じ空間に実在していることすら、信じられないほどだ。

 この内容で今でも、僕とのクリスマスデートに踏み切ったことがどうしても信じられない。来年僕、運勢大殺界(だいさっかい)とかになってるんじゃないか。

 だってだ。僕がここに至るまでに名だたる使い手が、お嬢様設定より何より、年下なのに思わず敬語になってしまうほどの神々しいとも言えるその容姿に狂わされ、あまた挑んで玉砕したからだ。


 ちなみにケースその一。

「あんだけ何でも知らなきゃ、部屋引き込んだ時点でOKだと思うだろ!こっちがしたいことなんでもやりたい放題だと思うだろ!!」

 と、先輩としても人としても最低な玉砕例を残してくれたのは、四年の五十嵐(いがらし)先輩。

 サークルいちの留年率を誇る五十嵐先輩は、いまだに一年次の必修授業に出ている古強者(ふるつわもの)だ。恐らくは毎年、そうやって新入生を狙い撃ちするために出ているに違いない。出席率のせいで留年してるとは、口が裂けても言えない。

 二十五過ぎて苦み走った感まで加わってきた甘いルックスと、実家は健康食品でテレビにCMも出る大農場と言う好条件は、何も知らずに都会に出てきた新入生の女の子を、楽々撃墜してきた。

 必殺技はなんと、『先輩の癖に授業の内容を、後輩に教わる』である。常人には真似できないスゴ技だ。

 この先輩として最低だが、肉食系男子の(かがみ)とも言える捨て身のアプローチ、これが女の、母性本能を刺激するのだそうだ。特にだめんず好きには、ど真ん中ストライクに違いない。ちなみにやはり実際、高学歴で育ちのいい、高スペックな女の子が引っ掛かるそうだ。先輩曰く、

「おっかしいなあ。ああいう我がままじゃなくて、世話好きの、世間知らず系お嬢様だったら百パーキメられると思ったんだけどなあ」

 だが九王沢さんはその一般的なお嬢様像の、さらに斜め上をいっていた。


 ちなみに先輩がダシに使ったのは、近代英国詩の授業である。この授業はうちの大学でも名だたる老権威な教授がやってる、マニアックな授業だ。出席はとらないが、課題レポートや筆記試験に綿密な下調べと勉強時間が要求されるので、楽に単位が欲しい学生はまずとらない。

 それがなぜずぼら無計画不勉強の先輩がとっているのか、サークル内七不思議だったのだが、その話を聞いてやっとその謎が解けた。

 イギリスですでに博士課程まで究めた九王沢さんを落とすのに、格好だったわけである。

「パーシー・B・シェリーって知ってるかなあ。そうそう、十九世紀英国ロマン派の。おれ夏目漱石(なつめそうせき)とか好きだからさ、取ったんだけどどうやって書いたらいいか迷っててさ。いやうん、考えてることはあるんだけど、中々まとまらなくて」

 この時点で解説しよう。右のように考えるふりをする先輩はちなみに、英国詩への興味は全くなく、九王沢さんにアプローチ出来れば、ぶっちゃけパーシーでもケーシーでもどうでもいいわけである。

 調べたのは、あの夏目漱石がパーシーの詩に感銘を受け、詩だけじゃなく書簡すらも集めたほど、傾倒したことだけ。漱石なら多少知ってるし、文芸サークルの先輩のプライドでちょっと通ぶれるわけでもあるのである。

「パーシー・B・シェリーがお好きですか…」

 ちなみにそんな通ぶりな先輩の話を黙って聞いていた九王沢さんだが、それからなぜか眉をひそめてじっと考えていたと言う。そして顔を上げたかと思ったら、

「パーシーと言えば…」

 と、出し抜けにこんなことを訊ねてきた。

「人工知能で人間の感性は再現出来るでしょうか?」

「えっ?」

 先輩はこの時点で対応に詰まった、と言うことは言うまでもない。あと先輩が知ってることと言えば、『冬来たりなば、春遠からじ』と言う有名過ぎるパーシーの詩の一節だけなのだ。基本的にそれ以外パーシーのことは九王沢さんに丸投げしたい考えなのだ。って言うか、最先端科学の人工知能の話題と、十九世紀に生きたパーシーに関連性なんかあるわけない。どんな応用問題だっての。

 ちなみに先輩の出した答えは、こんな感じだった。

「やっぱりそれは無理でしょう。例えば詩を書いたりする人間の感性って言うのは、その…人間本来の、人間にしか、備わらないものじゃないかなあ。機械みたいにただの知識の集積だけじゃない?自然の感情から来るもの、って言うか天与のものって言うかなんて言うか」

「つまり感情は知識の集積から来るものではない、と言うことですか?」

「う、うん…それはさ、だって違うでしょう。ただの知ったかぶりのひけらかしじゃ人は感動しないって言うか感情って言うのはさ、機械みたいにパターン化して用意されたものなんかじゃなくて、て言うかその場で感じ取るもの?表面的な反応じゃ無くてもっと深いところ直観的から来るって言うかて言うか」

 どうでもいいけど、て言うか多いな先輩。

「しかしわたしたちの感情は生まれもって与えられたものを、経験や知識の集積によって改編してきたものではありませんか?だから実際の状況に応じて、整合性高いものから検索して導き出すことができるのです。つまり感情表現は反応であり、判断の賜物なのです。感情とは、そのときその時点ですでに備わっていなければ、その場の状況から導き出すことが出来ない。いわば『用意されたもの』なのではないでしょうか。それって、人工知能がデーターベースを増やして判断を更新する過程で得たものと構造的に違いはありますか?」

 ここで先輩は答えに詰まった。

「知識の集積から判断を導き出すことなら、現在の人工知能、いわば機械にも可能なことはすでによく知られています。つまりはわたしたちで言う知識や経験を踏まえて判断すると言うシステムを、彼らはデーターベースで補完して行っている、ただそれだけのことではありませんか?

 例えば今世紀最高の知能と言われるホーキング博士がこれから人工知能の発達によって人類は絶滅すると宣言しましたが、それはまだその人工知能の判断が人間よりただ『未熟なもの』なので、わたしたちから見て『機械的』に見えるだけで、わたしたちに匹敵する情報処理量が整ったとき、わたしたちは『感性』や『人間性』の面においても機械に圧倒的に凌駕される可能性が出てくる、と言うことなのではでしょうか?

 ちなみにホーキング博士に反論を寄せた開発研究者の一人は、『まだ数十年先の話だ』と本音を吐露しています。しかしそれがたったの数十年先のことなら、各国の無数の人文科学の体系によって数千年をかけて模索されてきた『感性』や『人間性』は、これから何を持って定義すればいいのでしょうか?」

 そのときの九王沢さんは、真剣そのものな表情だった。

 それですっかり先輩の方が陥落した。こんな話、あと五分も続けられたら誰だってたまったもんじゃない。先輩の目的はセックスだけだ。て言うかHカップであり、(主に性的な面で)やりたい放題なのだ。このまま部屋に誘い込んで、弱みを見せつつも母性に訴える甘めの恋愛トークからベッドインの合わせ技に持っていく計画だったはずが、初手から完全に毒気を抜かれた。

 そのときのげんなりを引きずりつつ、先輩は言う。

「いや、部屋には来たよ。でもさ、それから徹夜でレポート書かされて…」

 午前一時にあえなく寝落ちした先輩に代わって、九王沢さんがレポートを仕上げてくれたそうだ。

 かくして、出来あがった。五十嵐先輩が絶対書いたはずのない、恐ろしいまでの完成度の分厚いレポートが。欲しいのこれと違う。

「まあ、無理だと思ってた英国詩の単位取れたからそれはそれでいいんだけどさ」

 いや、世の中そんなに甘くないだろ。僕だって知ってるが、九王沢さんはその教授の食事会とかにちょくちょく招かれるほどの大の仲良しなのだ。

 案の定そのレポートを一見した教授本人によって先輩の単位は即座に取り消し、権威ある老教授は九王沢さんの書いたレポートをテキストにして、自分の授業の持ち時間いっぱいを使って、朗々と読み上げたと言う。


「那智さん、那智さん」

 九王沢さんの声がやけに近くですると思って顔を上げて、僕は驚愕した。いつの間にか近いのだ。何って、顔が。気づくと九王沢さんの奇蹟みたいに綺麗な顔が、僕の視界のすべてになっている。

「わっ、わっ、なに九王沢さん!?」

 それだけで僕はパニックだ。遠目でも中々直視できないのに、近いのは反則だ。

「あっ、ごっ、ごめんなさい!その…さっきから何もお話ししてくれないので、退屈されているのかと。あの…本当にわたしで良かったのでしょうか?」

 良かったどころの騒ぎじゃない。こっちは、想定外の幸運が舞い込んで、むしろ頭の中整理しないとカオス無限大なのだ。


 ちなみにデートをセッティングしたのは、後輩の依田(よだ)ちゃん、と言う女の子だ。別に見た目は男っぽくはないのだが、男みたいにさばさばしているのでめんどいことがなく、大体いつもつるんでいる。それがどんな特殊能力を持っているのか、あろうことか、九王沢さんをこの、まともに活動してるとも知れないエセ文学サークルに入れた張本人なのだ。その子が、

「先輩、クリスマス予定とか入ってます?デートしましょうよ」

 とか、さらっと誘ってくるので、ああどうせ納会(のうかい)前に暇な連中でどっかぶらぶらしようと言ういつもの誘いだろ、と思って、

「いいよ。じゃあ、何時にどこ集まる?」

 と軽く言ったのが、今思えば運命の分岐点。おもむろに携帯を取り出した依田ちゃん、何を言うのかと思いきや。

「あたし。うん、OKだって。良かったね九王沢さん」

「くっ、くくくっ九王沢さん!?」

 お前じゃないのかよ!?

「あたしのわけないでしょ。馬鹿じゃないですか?」

 僕の突っ込みに依田ちゃんは思いっきり眉をひそめて、

「押しも押されぬ立派な彼氏持ちのあたしが、何が悲しくて、先輩とクリスマスの貴重な時間を浪費しなきゃいけないんですか?先輩と遊ぶのは本当に暇なときだけです。そこは分かって頂かないと」

「お前、何だかんだでいつも僕らについてくるよね…」

 大抵暇なんじゃないか。

「て言うか先輩、あの九王沢さんと二人きりでデートがそんなに不満ですか?」

 あの九王沢さんと二人きりでデート。その言葉が出た瞬間、紛れもない周囲の殺意と敵意に満ちた目が、僕の全身に突き刺さった。視線が弾丸なら蜂の巣と言う例のあれである。恐らく日本のほとんどの男が、デートしようと思っても出来ない超優良物件と、頼んだわけでもないのにクリスマスデートなのだ。いや、いいよ。いいんだけどね。

「もっと、穏便なやり方はなかったのか…」

「あたし、エージェントですから。依頼された交渉はここまで。不満があるなら、直接当事者間で、解決を図ってください。さっきから、そこで見てますから」

 えっ。すると携帯を持って、依田ちゃんをリモートコントロールしていた九王沢さんが、壁からおずおず姿を現したのだ。

 それを見たら、断れなかった。断り切れなかった。たとえ、五十嵐先輩のような目に遭うとしても。あんなかわいい女の子が、捨て犬の目をして僕を見ていたら。


 あのとき身の程知らずにも、捨て犬の情にほだされたお蔭で、今の僕はしどろもどろである。

「ああっごめん!その…うかつに話しかけられないって言うか、なんて言うか。でも絶対退屈じゃないから!退屈なんてしてないから!」

 とにかくこの、デートしてて感じたことのない緊張感だけ、何とかして欲しい。

 に、しても納会行く連中は昼間っから誰かのうちでだらだら飲んでるんだろうな。いいなあ。


 しかし依田ちゃん、自分はエージェントとか言ってる割に、仕切りは強引だった。

「あ、先輩納会来なくていいですから。先方はマンツーマンでラストまでコース希望なんで、それでお願いします」

「ラストまでコースですか…」

 依田ちゃんの言葉を反芻していて、僕は気づいた。ん、ラストまで?

「ラストだってえっ!?ラストってなによ!?」

「うるさいなあ。ラストっつったらラストまでです。言っときますが、先方はかなりその気です。後は先輩の腕次第、昼と夜の頑張り次第にかかっています」

「いやっ…(絶句)昼はまだいいけど夜は自信が…」

 と、言う僕の口を依田ちゃんは強引に塞ぐ。

「見りゃあ分かります。先輩がもさっとしつつぼさっとしてて気が利かなくておまけに天文学的にもてなくて夜の経験がないのは、あたしにもよく分かってます。だから心配でここまで御膳だてしてあげたんです。あくまで、九王沢さんのためです。男なら、ばしっと決めて下さいよ。最初に言っときますけど九王沢さんをがっかりさせると、あたしまで敵に回しますからね?」

 依田ちゃん、目がマジだった。

 エージェントの脅迫つきクリスマスデート。

 そうかこの緊張感は依田ちゃんのせいだったのか。


「あ、来ましたよ。お昼、食べましょう」

 ファミレスのメニューがどっさり到着する。九王沢さんは、宝の山を見つけた子供みたいな目だ。

 ちなみに待ち合わせしたのは、横浜だ。この日に備えておしゃれで話題なお店とか、中華街の名店とか一応調べて来たのだが、九王沢さんは断固ファミレスを譲らなかった。下手に名店とか行くと、世界的に著名な知り合いにあったり、VIPルームに通されたりするからだろうか。

「キャンパスの近くに、ありますよね。那智さん、たまに、依田さんたちと集まって色々話してるの見てたから、一度入ってみたかったんです。いつも、皆さんでどんなお話してるんですか?」

「うん、まあそろそろ納会の話とか、会報誌の相談とかしなきゃだしね」

 それ以外には、ほとんど内容がないのが内容と言う感じだ。

「冬の会報誌にも、何か書かれるんですよね?今、どんな原稿書いてるんですか?」

「う、うんまあ適当に短編を」

 僕が書くのはどうせ、ページを埋めるための間に合わせだ。こう言うサークル文芸誌って、みんな最初は書く気まんまんなんだけど、蓋を開けてみると書き上げるとこまで行く人が実に少なく、結局は同じ顔ぶれが似たようなことを、書く羽目になってしまう。

 まあ最初に講評会くらいはするけど、作ってもほとんど誰も読まないのはそのせいだ。だから打ち合わせ段階からぐだっぐだなのである。と、お茶を濁してて、僕は気づいた。そう言えば、九王沢さん僕の原稿なんか読んでたのか。

「部室にいっぱい置いてありましたから。那智さんの小説、わたし好きなんです」

 と言われて正直、飲みかけた水を吐きそうになった。いや、それリップサービスだろ。なにしろ相手はパーシーだ。しかし九王沢さんはぞっとするほど邪気のない笑みを僕に向けると、手提げの中から前回の会報誌を取り出す。その時点で僕はめまいがした。それ、ここ最近で一番やっちゃった作品を書いたやつだ。

「これ、ここへ来る間、何度も読んでたんです。那智さんの文章って、見通しが良くて入ってきやすいですよね。人物の造形にも癖がないし、わたしみたいにあまりこの国に慣れてない人にもよく判り易いです」

 と、傷口に塩をすりこむ九王沢さん。

「皆みたいにさ、平坦で内容がなくて、盛り上がりに欠けるって言っていいんだよ…」

「なんてことを。そんなこと誰が言うんですか。そう言う方がいたら、わたしがきちんとお話します。なんの問題もありません」

 問題だらけだ。九王沢さんとデートした上にそんなことされた日には、僕は本格的に友達を失くすだろう。

「と、ところで九王沢さんさ、なんで僕なのかなあ。正直、あんまりお話したことないよね?」

「ありますよ。とても意義のある会話ばかりでした。お忘れですか。歓迎会で一回、依田さんの寮の近くで一回、前期の納会と講評会で二回ずつ」

 うん、まったく記憶にない。酒が入ってたからだろうか。

「あ…泥酔もありました。依田さんと二人、駅まで連れて行ったんですけど、那智さん、子供みたいになっちゃってボク帰りたくないって言いだしまして。仕方なく二人で漫画喫茶のブースに押し込んで大声でミスチルを朗唱する先輩を依田さんが力づくで黙らせて。それからはわたしが、おねむになるまで子守唄歌ってあげて」

「それっ、うわあああっ」

 かすかに憶えてる。その後依田ちゃん、怒って二日は口を利いてくれなかったやつだ。ひ、ひどすぎる。この時点ですでに、パーシーの五十嵐先輩より、僕の方が重傷だった。

「そんな九王沢さんはなんで僕を選ぶんですか…」

「先輩は興味深い人です。だから好きだし、日本で初めてのクリスマスだし、デートしてみたかったんです」

 完全無欠な天使の微笑みで、九王沢さんは言った。

「今日は、いっぱいお話しましょう」


 興味深いから好きですって。

 人生、二十年ちょい生きてきた。

 告白したし、こう言うと依田ちゃんは眉をひそめるけど、一応その逆だってあった。だがそんなアプローチの仕方は初体験だ。

 ともあれまずはみなとみらい線を降りて、赤レンガ倉庫街まで海辺を歩くデートコースを選んだ。風があって結構寒かったし、クリスマスで人手も多かったが、歩いて回るのも悪くない。外へ出ると九王沢さんはそれが当たり前だと言うように、ぴったりと僕の左腕に巻きついて身体を寄せてきた。

 そのとき、ふわりと香るのはアップルミントかシトラスか、とにかくよく判らないが果実系の甘い、恐ろしくいい匂い。シャンプーだと思う。どきっとしたなんてもんじゃない。

 しかも心なしか生のままのそれじゃなく、ややミルクがかった円い香りが混じっているのがポイントだ。さすがは英国系クォーターだ。間違いなく九王沢さんの身体からは、自前でマイナスイオンのミストが出ている。ではちっとも落ち着かないのはなぜだろう。分かった、肘のあたりにふよふよ当たってくるHカップのせいだ。

「と、ところで」

 よし、と意を決した後で、なぜか九王沢さんはおもむろに話を切り出した。なに?その言葉を口にする前、小さい声で、よしっ、て言った気がしたけど。

「那智さん、わたしのこといつも九王沢さんって呼びますよね。もしかしてわたしの下の名前、ご存じありませんか?」

「えっ、知ってるよ。サークルの先輩だし、チェックしないわけないだろ。うちが代々カトリックなんでしょ。だからお父さんが聖書の中から日本人でも、外国人でも両方通用しそうな名前択んだって言ってたけど。確か」

 するとなぜか九王沢さんは、途端に切なそうな顔になった。え、待って。まずかった?

「…知らないパターンでお願いします」

 ええっ、知ってるし。でも本人の希望だからしょうがない。

「ご、ごめんね。知らなくて。…な、なんだっけかなあ」

「ヒントを出します」

 これが言いたかったんだと言う顔で、九王沢さんは言った。

「高速道路に関係あります。途中にあるやつです」

「いや、だから聖書でしょ」

 娘に道路関係の名前つけるって、日本の議員でもいないぞ。

「知らないパターンでお願いします」

「わっ、判らない。ごめんね、本当にダメな先輩で」

 そしていよいよ何か決め台詞を言うのかな、と思ってたら、九王沢さんはますます悲しい顔に。なにこれ!?僕が悪いの?

「だから、慧里亜(エリア)さんでしょ。確かElijah、キリストが磔刑に架けられたとき、助けを呼んだ預言者さんの名前からとったとかって依田ちゃんが言ってた」

 うちの文芸部員は気になったことは大体調べるので、慧里亜さんのエリアが何者かは、皆が知ってる。接点少なくても九王沢さんと話せる唯一の話題の一つだ。

 ちなみにエリアと言えば旧約聖書ではモーゼ以来と言われ、キリストが登場するまではもっとも再来を待たれていたと言う大預言者の名前だ。すっげえ。

 しかしそこで九王沢さんは、蚊の鳴くような声で抗議した。

「なんで先に正解言っちゃうんですか…」

「だって何か言うの待ってたけど、何も言わないから…」

 九王沢さんは愕然とした後、なぜか震える拳を握りしめ、決然とした表情で言った。

「くっ、九王沢インターチェンジサービスエリア!」

「それが言いたかったの!?何それ、どんな会話!?」

 九王沢さんだと言うことも忘れ、僕は思わず突っ込んでいた。

「わたし、那智さんと、依田さんが話してるのみてて、ずっと憧れていたんです。まったく打ち合わせもせず、なぜあれほど素晴らしい言葉のやり取りが出来るのかと。ですからわたしもお二人のように、切れがあって、ライブ感ある、そんなスリルと機智に富んだ会話がしたいんです。絶対やってみたかったんです」

「あれさ、別にそんな高尚なもんじゃないから」

 依田ちゃん辺りだと女の子だからと言う、遠慮も会釈もない。男友達とじゃれてるようなもんだ。

「えっと、じゃあ、とりあえず突っ込めばいいのかな」

「そうです。さっきのパスから何か返してください」

 いや、こんなに間空いちゃったし、ぐだぐだだし、なんて突っ込めばいいんだ。

「温泉とか出てそうだよね…」

 九王沢さんはシェイクスピア悲劇のヒロインみたいな顔をした。やっぱだめだよ。

「…やはり、わたし程度の実力では無理なのでしょうか。まだわたしごときでは、依田さんみたいに那智さんの感性を余すところなく引き出せないのでしょうか。今のわたしに、足りないものって何なんでしょうか…」

 九王沢さんは切なそうに綺麗すぎる顔を歪める。いや、それそんな悩むこと?

「でもわたし、がんばりたいんです。今日はそう思って来ました…」

「そう思って来ちゃったんだ…」

 本当にこれデートなのか?

「わたし、どうしても諦めたくないんです。那智さんにもっと突っ込んでほしいんです。…那智さん、依田さんとあんなにしてるのに、わたしとは出来ないんですか?」

「いやそれは…」

 そんな切ない目で見ないで。勘違いしちゃうじゃないか。

「今日は沢山、お時間を頂きました。わたし、少しでも満足して頂けるよう、もっとがんばります。初めてだからなんて言い訳、したくないんです。ちゃんと、教えてください。だから那智さん、今日はわたしにいっぱい突っ込んでください!」

 これ、ワシントンホテルの近くだった。当然、そこにいたカップルや家族連れが全員怪訝そうな顔で振り向いた。誰ひとり、ボケと突っ込みの方だと思わなかったに違いない。端目には完全に、僕は依田ちゃんと二股かけて、経験のない自分の彼女にホテルの前で淫語(いんご)を叫ばせてる、最低な彼氏だった。

 しかしこれで分かった。九王沢さんが僕をデートに誘ったのは、いわゆる別の意味で僕に突っ込んでほしかったからなのだ。依田め、だましやがって。何がラストまでコースだ。本当はこれ、知っててわざと焚きつけたんじゃないだろな。

 にしても、さすがは、難攻不落を誇る九王沢さんだ。大坂城や小田原城など目じゃない。数多の城攻め巧者が、突破できなかった理由がしたくもないのに痛感できる。


 ちなみにケースその二。

「無理だ…あんなの、あんなの、おれらの手に負えねえよ…」

 と、涙を呑んでつぶやいたのは同級生の天野だ。

 いわゆる合コンで女性を落とすことに人生を賭けているパーティ系肉食男子この男は、最近までやくざのヒモに追いかけられて雲隠れしていたほどの使い手だ。

 実家は北海道の乾物屋である。乾物屋で決して悪くはないが、五十嵐先輩と違って出自はあまりアピールポイントにならない。さらに言えば実は自分で言うほどルックスも良くない。そのため出席を取るような授業にはまったく出ず、軍資金稼ぎのバイトに日々奔走している。

 そんな彼が、これほどまでの地位に昇りつめた秘訣は、ひとえに合コンのセッティング力なのだ。

 とにかくお持ち帰りが主眼と言う、分かりやすいやりコン一直線の天野の合コンには、同じ目をした狼たちが毎回集まるようになっている。毛並みのいい有名医大生からイケメン留学生、モデル、さらにはまだあまりテレビに出てないけどイケメンな若手芸能人すらが顔を出すと言う噂もあると言う。

 この天野、構内で九王沢さんに目をつけ、そこから文芸部の部室に入ったのを見て、普段ほとんど接点のない同級生の僕に伝手(つて)を見つけたと言うからものすごい追跡力だ。僕の方は突然、話しかけられもしない人に話しかけられたのでびっくりしたくらいだ。今後はその情熱をぜひ社会の役に立つ方向に向けて、頑張って頂きたい。

 ちなみにそんな狼の巣へ好奇心だけで飛び込んだ、果敢過ぎる九王沢さんだが。

 これが全然無事に帰ってきたと言う。それで先の敗退宣言につながるわけだ。問題は、お持ち帰り以外では帰れない魔窟から、九王沢さんはどうやって無傷で生還したのかと言うことだが。

 ちなみに天野は、近年稀に見る大物の到来を前に鉄壁の布陣を構えて待ち構えていた。スポーツ系、アイドル系のイケメン男子から、九王沢さんに話が合いそうな教養溢れる医大生、三ヶ国語話せる留学生までとよりどりみどりだ。

 実際九王沢さんはそうした人たちと楽しくおしゃべりしたと言う。天野が揃えた中ではやはり教養チームがぐいぐいやってきて、かなり専門的な話などもしながら、時間はどんどん経っていったらしい。ちなみに開始から、他の女の子はいないも同然だ。

 もちろん言うまでもないが、ここにいる男子の目的は九王沢さんを酔わせることである。当然、教養溢れる専門的な話は九王沢さんの席を立たせないためだけなので、別に何にも意味はない。むしろそう言うの、早く理解できなくなって欲しいのだ。

 しかし九王沢さんはさっぱり酔わなかった。彼女的にはそれどころじゃなかったのだ。むしろ話が合いそうな人たちに囲まれてスイッチが入ってしまったのか、談論風発、議論になると熱が入って目がらんらんとし、専攻の欧米文学のみならず宗教学、文化人類学、心理学、歴史学、果ては古今の医学や美術史芸術論に至るまで縦横無尽に語り出し、むしろ一向に泥酔する気配がなかった。

 そんな調子だから元々無理くり話に付き合ってる、イケメンたちはみるみるげんなりした。

 結局、お酒に目薬を入れてみるなどかなり卑劣な手も使ったらしいが、九王沢さんにはまるで効果がなかったと言う。ラスプーチンみたいな女の子だ。

「つ、次のお店に行こうか」

 しかも顔の引きつったイケメンたちが半ばうんざりしながら、お店の出口までしっかりした足取りの九王沢さんをエスコートしているとだ。

我がいとしの(アモーレ・ミオ)・エリア!」

 謎の外国人が馬鹿でかい声で話しかけてきた。みんな驚いたが肝腎の九王沢さんは声を上げその人と、嬉しそうにハグしている。天野たちはぽかんである。そんなイケメンたちを尻目に、九王沢さんはその外国人とイタリア語で話している。もちろんぺらぺらだ。

「恩師です。昔、ヴァイオリンを教えて頂きました」

「ああっ!」

 と、教養溢れる誰かが叫んだ。知ってる顔らしかった。

 ちなみにその濃ゆい顔のイタリア人は、十年ぶりぐらいに来日したその道での世界的巨匠だったそうだ。これが気難しい、扱いにくい、怖い、の三拍子揃った巨匠らしいのだが、そんな人が信じられないくらいの満面の笑みで、

「なんてことだ!こんなところで会えるとは、私は本当に幸運だ。神が与えたもうた奇蹟だ。ああ麗しいエリア、また君に会えて私は一日に二度、この美しい日本の太陽を浴びた気分だよ。妻も君に逢いたがってる。娘も来てるんだ。すぐそこのホテルだ。さあ、行こう。すぐに行こう」

 とか本場のイタリアンナンパトークで、ぐいいぐい手を引っ張ってくるので、九王沢さんも断り兼ねたらしく自分の会費をさっさと払うと、

「すみません。皆様これで失礼します」

 あわただしく、そのおじさんの迎えの車に乗って居なくなったと言う。誰も引き留める間もなかった。まさに完敗である。

「つーか巨匠ヴァイオリニストのイタリア人にお持ち帰りされたなんて、合コンのネタにもなりゃしねえよ!」

 まったく、なんってひどいオチだ。


 だめだ。これまでの玉砕例を振り返っていると、自分はそれ以上の痛手を被る気がしてきた。いや、僕的にはだめでもいいんだけど。後日からの依田ちゃんの、人格否定につながりそうなほどのバッシングとパワハラが怖い。

 腕組んで歩いていると余計、切なくなってくる。僕たちは、なんだかカップルを装って潜入してるみたいだ。この、後ろめたい気分。思わずぼやきたくもなる。

「こうしてると、本当の恋人同士みたいなのにな…」

「えっ…」

 すると、九王沢さんは突然身体を離すと、はっとしたような顔で、僕に言った。

「わたしたち、もう本当の恋人同士、じゃなかったんですか…?」

 その切ない視線で僕の中の時間が数秒、停まった。待て冷静に考えろ。例えば孤独な数字、一とその数でしか割れない素数とかを数えながら。三、五、七…よし、理性を保てた。

「…それ、もしかしてネタじゃないよね?」

「ネタでした、すいません…」

 ネタなのかよ!?

「でも、こうやってデートして、那智さんと二人きりでお話が出来るのは嬉しいです。それは本当です」

「そ、そう」

「依田さんがいたら、わたし、那智さんに突っ込んでもらえないじゃないですか。だから今日はいっぱいわたしとお話しして、沢山突っ込んでください。その代わり、那智さんの行きたいとこどこでも着いていきますから」

「僕の行きたいところ…?」

 ラブホ?じゃない、家だ。家に帰りたくなった。依田ちゃんの言うゴールでもなんでもなく。今、一番行きたい場所は一人で閉じこもれる場所だった。

「わたし、ずっと憧れだったんです。依田さんみたいに、那智さんと二人、仲良くお話出来ることが」

「そっか」

 でもそれ、恋人にならなくても出来るよね、と言う言葉をあわてて呑み込んだ。なぜならその後で九王沢さんが、僕に聞こえないようにそっとつぶやいたのを、ちらりと聞いてしまったからだ。気のせいじゃなかったら、彼女はこう言っていた。

「…今はわたしだけ、わたしだけの那智さんだ…」


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