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宿命を背負いし子

 僕の身体から何かが噴出している気がした。


 ―さあ、武器をイメージして作り出すんだ。―


 ダイチの言葉に従って、僕は右手に武器をイメージした。


 何かが集まってくる。


 なんと、周りのゴミが集まってきた。


 そして、激しい光とともに何故か棒っきれが現れた。


 ―あー、経験地が足りないからそんなもんだよ。―


 ダイチはどこからか迷いこんでいた野良猫と遊びながら、そう言った。


 こうなりゃヤケだ!


 僕はその棒っきれでスライムに殴りかかった。


 バシーン!!


 僕の攻撃はスライムに直撃し、スライムは激しくひっくり返って

 消滅した。


 え・・?

 

 僕はあまりのあっけなさに思わず声を失った。


 ―慎也はスライムをやっつけた。2の経験値を手に入れた。―


 僕の後ろで、またダイチがRPG調で喋っている。


 僕の手の棒っきれは、再び元のゴミに戻った。


 ―いやー、よくやったね。―


 そういってダイチは僕の肩を叩いた。


 何の事だか僕は分からなかった。

 今更な気はしたが、僕はダイチの目的を改めて確認した。


 ―だから言ったろ?

  俺は星の死神だって。本来この星が死ぬのはまだまだ先のはずなんだ。

  ところが、人間達は必要以上にゴミを捨て、この星を蝕んだ。

  この星が予定より早く死んでしまうと、星の死神としては非常に困るんだ。

  そこで僕はこの星の次世代を担う子供達に、ゴミの正しい捨て方、

  リサイクルについて学んでもらう事で、この星の寿命を延ばそうと

  君のような単純・・・、いや素直な子供達にゴミの分別を行ってもらって

  いるんだ。―


 単純って言葉に引っかかったけど、もうこの際スルーしよう。


 じゃあ、あの化け物は人間達が生み出したゴミから産まれた化け物で、

 あの化け物を倒す事で、この星を救う事になるんだね?


 僕は最初、まったく乗り気では無かった。

 でもこんなファンタジーみたいな展開にワクワクしてきた。



 ―いや、さっきの化け物は死神の目を狙ってきた化け物だよ。―


 え・・・?

 

 ―正確には死神の目の持つエネルギーがあいつらの狙いなんだ。

  でも、俺は君にそのエネルギーを譲渡したからね。

  これからは慎也を狙ってあいつらがやってくるから。―


 え・・・?


 ―じゃあ、俺はもう行くね。―


 ええええええぇぇぇ!?


 そう言ってダイチは空へ飛んで行った。


 僕はダイチを追おうとした。


 その時―。


 僕の全身を激痛が襲った。


 ―あ、言い忘れたけど、死神の目の力は人間には強力すぎて

  筋肉にひどい負担をかけるんだ。

  だから、気をつけてね。―


 満面の笑みでダイチは消えていった。





 

 

 覚えてろーーー!!!


 僕の叫びは夕方の空に消えていった。





 完・・?

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