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遭遇

 具体的に何をするのか、それが分からないと契約もできないと理由をつけて

 僕はダイチとの契約を一旦保留にした。


 ダイチはブツブツ文句を言っていたが、僕は聞こえないフリをした。


 そういえばさっきお母さんはダイチに気付いていないみたいだった。


 ―俺は慎也にしか見えないよ。死神だからさ。

  あ、そこ右に曲がって。―


 死神だから見えないってのも理由になってない気がしたけど、まあいいや。

 

 僕はダイチの言うように右に曲がった。


 そこにはゴミ捨て場があった。


 ―ほら、そこのゴミ袋は燃えるゴミと燃えないゴミが一緒に捨てられてる。

  そっちの袋はペットボトルと燃えるゴミが一緒にされてる。―


 ダイチは僕に分別するように指示した。

 

 手伝うように言ったら、


 ―俺は死神だから、物に触れないんだ。―


 そう言って、最高級の笑顔を作った。


 何でもかんでも死神だからで済ませるつもりか。

 そう思うと腹が立った。


 僕は分別を始めた。こんな事なら軍手か何か持ってくれば良かったと後悔した。


 意外と分別されていないゴミは多く、分別を終わらせるのに1時間ほど時間が

 かかった。


 終わったと思って一息を入れた瞬間―。

 僕の肩を誰かが叩いた。


 驚いて僕は振り返った。

 そこには近所のおじさんが立っていた。


 ―偉いねえ。慎也くんは。

  ご褒美にコレでも飲みなさい。―


 そう言って、おじさんは僕にオレンジジュースを手渡した。


 僕はありがとうございます、と言ってそれを受け取った。


 ―慎也はオレンジジュースを手に入れた。―


 後ろでダイチはRPG風のコメントを呟いていた。

 喉が渇いていた僕は、それを一気に飲み干した。


 ―慎也はオレンジジュースを飲んだ。

  体力が30回復した。―


 うるさいな、と僕はダイチに突っ込んだ。

 すると、ダイチは、


 ―雰囲気出るでしょ。RPGみたいで。―


 全く雰囲気が出ない。

 そもそもゴミの分別をするRPGって何なんだよ。


 そう思っていた僕の肩を、再び誰かが叩いた。


 おじさんかな、そう思って振り返った僕の目の前に、見た事のない物体が

 現れた。


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