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魔王の本気


 魔王に名指しされたエイアールは、素知らぬ顔でスキルを発動する。


「『オーバークロック』!」


 一時的にスピードを限界以上に引き上げるスキル。魔王の間近に立つローンチのスピードがあがる。


「うぉぉおおお!」


 ローンチの盾が、鋼鉄のツタを上回るスピードで動き、ツタを弾き飛ばしていく。

 それでも魔王は余裕を見せる。


「きっと何かくだらない作戦でも立てたんでしょ。」


 魔王は『シールドケーブル』のスキルを再度発動する。鋼鉄のツタが倍になり、ローンチのスピードでも捌けなくなる。


 リスケが『クリティカルチェーン』のスキルを発動した。魔王の足元から拘束の鎖が飛び出す。鎖は、ツタに紛れて魔王の脚に巻き付いて固定した。


「良いタイミングじゃん。」

「どうもっす。」


 魔王はリスケを褒め、自分の足が動かない事を気にせずに笑う。


「そうだった。前の時は大軍で襲ってきて同士討ちをしてくれたんだったね。お陰でゾンビが増えて助かったよ。」


 リスケの表情が一瞬だけ曇る。しかし、魔王の煽りには乗らない。 


「そうっすね。」

「だから今回は少数精鋭を揃えたのかぁ。まさか、その中にエイアールまでいるとは…。」


 エイアールは嫌味を込めてペコリとお辞儀をした。


「まあ良いや。とりあえず、突っ込んできた二人には頭を冷やしてもらおうか。」


 魔王は標的を目の前の二人に定めた。


「ウ、『ウォーターフォール』がくるっ!」


 ローンチが上を見る。

 滝のような水が、二人の頭に降り注ぐ。さっきは消火する程度の量だったが、本来このスキルは大量の水で相手を押し潰す力がある。


 ローンチは盾を頭上に掲げ、リスケはその下に潜り込む。エイアールは二人に耐圧のバフを掛ける。

 大量の水をやり過ごしたローンチは盾から剣を取り出す。リスケも短剣を構える。


「まだ魔王はデバフを使ってない! 舐めてるっすね。」


 リスケは、言うと同時に短剣を魔王目掛けて投げ付ける。投擲用の小さい短剣だ。

 鋼鉄のツタの隙間を抜けて、魔王の鼻先に迫る。


  バチッ!


 短剣はそこで勢いを失い、足元に落ちた。やはり、他のスキルも使って身を守っているようだ。


「そうだね。ちょっと本気を出そうか。」


 魔王はそう言って指を振る。


「ク、『クロックダウン』だ!」


 速度低下の範囲デバフのスキルが、三人を包む。


「それだけじゃないよ。」


 魔王はさらに、攻撃力低下、防御力低下、判断力低下の範囲スキルを立て続けに発動する。


「前の時は幻惑のスキルで全滅してくれたんだったね。」


 フードから覗く魔王の口元がにやりと歪んだ。

スキル効果紹介

・アローダイアグラム【光属性】浄化の矢で射貫く

・バックドア【空属性】瞬間移動

・シールドケーブル【金属性】鋼鉄のツタで自動ガード

・ヒートシンク【火属性】熱を奪う

・オーバークロック【空属性】一時的にスピードを限界以上に引き上げる

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