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イチゴのタルト  作者: ヤン
第三章 未来
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第五話 知らない人

 相変わらず、もやもやした日々を過ごしている。将来を考えるとは、こんなにも大変なことなのか、と初めて知った。


 加津子(かつこ)は、演技にますます磨きが掛かって、相手をする私もそれに影響されていた。すごいパワーを持っている人だ、と改めて感じさせられていた。


「次の大会で、先輩たちは引退だから、迷惑掛けないようにしないとね」


 加津子の言葉に頷くと、


「そうだね」

「何だ。最近、ずっとそんな感じだね。まだ、悩んでるんだ?」

「悩むよ。一生のことだもの。加津子みたいに、やりたいことがはっきりしてれば別だけど、私はそうじゃないから」


 あれから、光国は電話してこない。彼は、一体この先、どうすることにしたんだろう。彼もまだ悩んでいるだろうか。


「受験まで、まだ一年くらいあるんだから、今からそんなじゃ大変でしょ」

「そうなんだけど」

「とりあえず、今は演技に集中しよう」

「はい」


 と、いい返事をしてみたものの、惑いは消えてくれない。



 演劇の大会が終わった。賞はもらえなかったものの、私たちの学校だってなかなか良かったと思っている。久しぶりに、ちょっとだけすっきりして、お互いを褒めたたえ合った。


 ロビーで点呼を取ってから外に出ようと歩き出した時だった。誰かに突然肩を叩かれた。びっくりして、思わず身を縮めた。


 ゆっくり振り向いたが、そこには知らない女性が立っていて、私に笑顔を向けていた。


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